みなさま暑い日々が続いていますが、いかがお過ごしでしょう?オリンピックでは期待通りの活躍、期待以上の活躍、そして予想もできなかった番狂わせなどあり、一喜一憂。本当に桃田さんの負けには、彼がどんな気持ちかを考えるだけで心が痛くなります。本人は「普通では経験できない経験ができた」とコメントしていますが、立派です。一方でSNSでは選手に対する様々な誹謗中傷が多くあるようで残念です。
またこのすごく多くなってしまったコロナの広がりに対して、政府の無策について、だからこの政府は、、、というコメントが多いようですが、ではそういうコメントする方には他にどういう方法があったのか、改善策をあげてほしいものです。
オリンピックについても、国立競技場前で反対する群衆が開会式で花火の写メを撮っていたという。笑ってしまう信念ですね。
今の娯楽のない緊急事態の夏休みに本当にオリンピックがあってよかったな。と思いますし、いろいろなドラマに人生の縮図を見るようで刺激を受けます。
さて今回は6月に脳ドックの際に訪れた伊勢神宮についてお話したいと思います。久しぶりに感動する訪問でした。「一生に一度はお伊勢参り」という言葉が江戸時代からあるように、(地元では年に一度はお伊勢参り)素晴らしいところでした。皆様も多分式年遷宮という言葉は聞いたことがあるかもしれません。私は実はあまりよく知らず、今回いろいろな解説をお聞きしてその凄さを知りました。伊勢市の近辺には神宮内宮、外宮など120近くの神社(社)がありますが、それを20年に一度立て替えているのです。これは戦国時代の戦乱時期を除き天平の時代からされているとのことです。そのために大量の杉、ヒノキ、茅などを三重県周辺の森でその年度に合わせて作っています。内宮でも外宮でも伺ってみると、それぞれの建物の脇にその建物と全く同じくらいの広さの空き地が縄をはって入場禁止となっておりその中心の神棚のあったあたりに小さな小屋が建てられています。石がひきつめられていて、その空き地もものすごい厳粛さを感じます。五十鈴川にかかる大きな橋、伊勢神宮の各社に至るすごく巨大な鳥居も全て建てかえるそうです。その木材はきちっと分解されて、全国の神社に配られそちらの修復や建築に使われるそうです。日本が木の国であるというのを強く感じます。
さらに各社に収められる宝物(神様を守るための弓、刀、盾や衣類、美術品)は20年のたびに新しいものに入れ替えられるため、建築技術も含め、工芸技術、伝統全てが次世代に受け継がれるようです。それが20年という年限ということです。20年であれば、若手のときに修行したことが、今度は師匠としてまたは子師匠として次世代への継続につなげることができる。本当に技術の伝承とシステムの継承を見越した素晴らしい仕組みであると感嘆します。
美術品や武具は、20年ごとに新しいものに変えられるために出されたものは、神宮徴古館及び神宮美術館という施設に収められます。平成25年の遷宮の際に出された平成5年に収められた数々の美術品が神宮美術館には展示されています。日本芸術院の会員による一生一度の収納品なので、その出来栄えもすごいものが多いです。一般の展覧会には出回割ることに少ない作品ですので、新鮮な印象を抱きます。横山大観とか東山魁夷、平山郁夫さんなどの有名どころとか、そのほかも素晴らしい作品の数々です。
伊勢神宮はこのような成り立ちから20年に一度renovateするので、建物も新しく遺産とかではないので、国立公園や国宝や世界遺産などにはリストされていません。でも日本の心の中心なのかなと思います。
また大切なのは、伊勢神宮で自分や個人的なことを祈っても全く効き目はないそうです。神宮は、国家安寧をその設立の目的をしていますので、「公のこと、社会に資すること」を願う場所なのです。
技の伝承のあり方、心の拠り所となる空気を保つ樹齢300年を超える木が林立する社の境内 とても考えさせられました。
皆さんももし訪れる機会がなかったのであれば、日本人として一度は訪問されることをお勧めします。
脳ドック参加の先生方の中には毎年訪れている先生方もいらっしゃいました。