森田明夫のやってきたこと 1982〜2023

「桜」その2

この季節は日本人でよかったなと強く思う時期の一つである。「桜」である。私の自宅のある駒込は

桜のメッカであることをご存知の方も多いかと思う。近くに都立染井霊園というのがあり、その近辺がソメイヨシノのoriginだと言われている。染井霊園はそこが墓地であることを除けば、素晴らしい桜の名所である。駒込駅の北側にはソメイヨシノ公園という広場がある。残念ながら桜はそちらにはとても寂しいものしかなく、南側(私の家側)の方が立派な桜がある。今はそれが満開である。そのすぐ近くに六義園があり、ご存知のしだれ桜があり、連日長蛇の列が夜桜見物に並ぶ。駒込駅がこれほど賑わうことは一年でこの時期くらいである。

私の大学までの通勤の途中には諏訪山吉祥寺という古刹があり、ここも素晴らしいしだれ桜とソメイヨシノが今ほぼ満開となっている。(ミニ知識1:武蔵野の吉祥寺はそこにこの文京区本駒込の吉祥寺近辺に住んでいた人たちが江戸時代に大火の後に移り住んだためについた名前だそうです)

この時期広島に行くと山桜がほとんど葉を落としている広葉樹林の中にぽつぽつと見られる。これもなんとも言えない風情である。東北にも山桜が多い。

桜をつけた塩漬けをお湯に入れた桜湯は、結納や結婚式の時くらいしか飲めないが、とてもおめでたいし、木村屋の桜アンパンも多分ほとんどの日本人は好きである。

(ミニ知識2:見合いや婚礼などの一生を決める祝いの席では、その場だけ取り繕ってごまかす意味の「茶を濁す」ことを忌み嫌うことから、祝いの席ではお茶を用いず、代わりの飲み物として桜湯を用いることが多い。)

 

この季節は冬から少し暖かくなり春の柔かな日射しが心地よい時期となることもあるかと思うが、特に桜の咲いている近辺を歩く人たちは、いつもはしかめ面をしていると思われても、この時期だけは皆とてもにこやかに見える。

当然写メを撮っている人は本当に多く見かける。

なぜ日本人はこんなに桜が好きなのであろうか?ネットを引くとたくさん「日本人の美意識と桜のこと」を書いた文章にたどり着く。武士道が桜の色、散り方、と合致しているとか色々である。武士と縁のない自分も好きなのだから、それはどうかなとも思うが、確かに1年中桜が咲いていたら、それほど愛着はわかないかもしれない。潔さと儚さ、と淡い色が日本人好みなのであろう。

ワシントンに住んでいたことがあるが、4月には日本から贈られたワシントンの桜がポトマック河畔に一斉に咲くのであるが、これが、またソメイヨシノgeneは一緒でも、土が違うためか、全く儚さがなく、花がとてもしっかりしている。ハラハラを花びらが舞うことは少なく、1週間以上しっかり咲いてから、ボタンのように花がぼたぼた落ちるのである(と記憶している。綺麗は綺麗である)。

その頃は米国に永住を考えてもいたので、「この桜みたいに強くなろう」などと思っていたものである。

でもやはり私は日本の桜が大好きである。

 

因みに私は富士山も大好きであるが、その話は別の機会に。

今回は全くお勉強の話はなく、桜の写真掲載で終わりにします。美しいものをみることは、心の涵養になり、ひいては良い医療をする糧になると思うのです。

新しい 年度に向かい、みなさん頑張りましょう。

(過去のブログを見ると全く同じような想いを書いていましたね、失礼しました)

六義園のしだれ桜
六義園のしだれ桜
吉祥寺@本駒込のしだれ桜
吉祥寺@本駒込のしだれ桜