「見学」は第2の師-
まだまだ不順な天候が続きます。今年の夏は暑そうです。皆様お体にはご注意ください。
さて先日私の就任の会では、教室の皆様に大変お世話になり本当にありがとうございました。心から感謝いたします。
謝辞に入れる予定が、抜けました。緊張しておりましたので、ご容赦ください。
その際にもお話したことですが、ぜひ今後も皆様と協力して、明日の日本の脳神経医療を担う人材を育成してゆきたいと思います。
さて今回のお話は、「見学」についてです。日本、海外を問わず、ぜひ他の施設がどうやっているのか、どういう考えで手術や治療をしているのか?見学に行きたいという気持ちを持ってください。学会発表の上辺だけを見てわかったようには思わないで下さい。皆そうですが、学会発表は実際されていることの氷山の一角です。90%以上の実情が隠されています。ちなみに「見学」という言葉は欧米にはありません。日本人の大きな美徳のひとつ、日本を発展させてきた原動力のひとつと思います。
私は大変感性が鈍く、Slow learnerのため、東大の助教授の際にも京都大学に1週間見学をうけいれてもらいました。同じ時期に上山先生のところへも数回(総合して1ヶ月半くらい)見学にもいっています。時には手洗いもして、実際の手術の一部も手伝ったりもしています。米国での9年間の研修も見学の延長のようなものです。でもそのような見学は自分のなかで、引き出しを作る上でとても役立っています。あの時のあんなやり方、あのような決断方法、云々が生きます。1週間の見学が一生の宝とできます。臨床力は「いかに引き出しを多くもつか」によると思います。ですので、これから夏休み等あるとおもいますが、ぜひ見学をしてきて下さい(夏休みにこだわる必要はありませんが)。それを正式に申請するなら、6 working day(=1週間)を別に休みとっても(他との調整もしたのち)構いません。ただし報告義務はあります。その見学を皆で共有しましょう。
実はかく言う私も今月末にSekhar先生のU of Washington Medical Center, Harbor view hospital2回目になりますが、また見学してきます。見学のきっかけを作るのは、先輩であり、同僚の意見であり、そして学会などで話しをする機会をつくることです。ぜひ積極的に質問や観衆の前でははずかしければあとで捕まえて話しを直接聞いてみて下さい。喜ばれます。外国の人や施設の場合、最低限の語学力が必要になります。将来海外へ留学するにも、まず1〜2週見学して選ぶといいでしょう。語学に関しては幸い当教室には山口先生や石井先生ほか堪能な先生が多くいます。彼らからノウハウを吸収してください。また非常にBroken Englishですが、私もBSLの総括で英語プレゼン練習会をしています。特に若手の先生は誰でも参加Welcomeですので、時間があれば澤田さんに日程を確認して参加してみて下さい。まずは慣れることが非常に重要です。“OUTGOING”という気持ちをいつも心にもって活動して下さい。