「で」と「が」: 言葉の威力
先日早朝のNHKのラジオを聴いていたらエッセイストの岸本さんが、言葉の気持ちに与える影響についてコメントしていました。
皆さんは当たり前と思うかもしれませんが、私にはかなり新鮮でした。
喫茶店で皆が集まった時 コーヒーでいいです と コーヒーがいいです
では全くことなるニュアンスとなる。
「が」ほど積極的な表現でなくてよいなら 「を」 を使った方がよいと。
我々が看護師さんたちと話をするとき、または患者さんや家族と話をしているとき、同じようなことをしていないか?心配になります。
脳動脈瘤の治療選択:開頭術でいいでしょう。 ではなくて、開頭術がいいでしょう。
その「が」をいうためには、その言葉のうらにしっかりした科学的判断があることが予測されますが、「で」の場合、どっちでも。。。。のような印象をうけます。
我々は外科医であり、何かを積極的にする医療者です。従ってできる限りポジティブな話し方を心がけ、なるべくネガティブな話し方をしないようにしましょう。またそのポジティブな発言の中に、慎重なかつ科学的判断が入ることが重要かとおもいます。またもしそのような証拠がなければ、しっかりとした証拠をつくることが重要と思います。
さて、同じ番組でもう一つ脳外科医にとって覚えておくとよい言葉を示唆されました。
悪いことは続くもの。何か合併症があると立て続けに合併症なんいていう経験もあるかもしれません。
そんなとき空気全体がくらくなり、その気に押しつぶされる感じになるかもしれません。
そのときに使う言葉
「そんな時・日もあるさ。」と自分に言い聞かせる。継続する悪い気に影響されない、気分の転換が重要、そんな力を一言がもつということです。
言葉の力に気をつけて、また言葉の力を使って、より良い医療をしましょう。