血管内治療(学会)のこと
森田明夫
新年あけましておめでとうございます。旧年中は大過なく過ごせたこと、皆様の努力のおかげと思います。
昨年は多くの実りがありました。亦野君の世界脳神経外科学会での受賞や石坂、築山君たちのマイクロ選手権ワンツーコンビの結成。廣中、纐纈、また服部君たちの学位論文の完成など。またその他にも多くの喜ばしいこと、興味深い症例や多くの人たちとの出会いがありました。
今年は、さらに4名の新しい力が当教室に加入することになっています。ぜひさらに若手をしっかりと力のある脳神経外科医に育てられる教室にしてゆきましょう。
また今年は当教室主催の大きな学会が2つあります。私が会長をさせていただきます第25回脳ドック学会総会(6月9,10日開催)と喜多村孝幸先生が会長をされます第23回日本神経内視鏡学会(11月17, 18日開催)です。どちらも前寺本教授も開催されました当教室にはなじみの深い学会であります。
ぜひ教室員、同門会の先生方の御協力をお願いいたします。
本年もどうかよろしくお願い申し上げます。
さてタイトルについて。年初のテーマとしてどうかとは思いますが、忘れないうちに、お話したいと思います。
先日日本脳血管内治療学会に座長(コメンテーター含み)でおよび頂きました。初日の朝の開会式の前7時くらいから、CEPというセッションが1時間開催されておりました。それは2会場になっており、基礎編と実践編となっておりました。翌日も最終日もありました。
これから自分に血管内は、、、と思っておりましたので、基礎編を聴講させていただきました。別にお金がとられます。
ところが、朝から会場(2会場あるはずですが、)が、片方の会場だけでも数百名の若手の医師がやや前屈みで聴講しています。
内容は、この場では著しきれないくらい素晴らしいものでした。血管撮影の基本から、脊髄血管のなりたち(Embryologyから攻めるのが血管内の先生方の論法のようです)。TAE, TVEのための頭蓋底、外頚動脈系、テントなどの動脈、静脈系の話、など非常に奥が深く、頭蓋内、外、脊髄のことがはなされているのに、自分の知らないことばかりの話で、言葉通り「目から鱗が落ちる」状態でした。なんともあの時の気持ち、知ることによるわくわくする新しい、そうだったのかと理解する時の感動を覚えたのは久しぶりでした。
その後、何名かの先生方にはその感動をお伝えしたかもしれませんが、お伝えきれなかった先生もいると思います。
もし血管に関係する専門領域、または頭蓋底や脳腫瘍の専門、脊髄の専門を目指す場合でも、本学会は非常に関連する話がされており、学ぶことが非常にたくさんあります。
ぜひ皆さん学会員になるか、ならないにしても、数回はこの学会に試しに顔をだしてみることをお薦めします。
将来自分が血管内治療医を目指す、目指さないに拘らず、血管撮影は脳神経外科にとって基本技術であります。その技術を向上するためにも。また一歩先のCASや塞栓血栓回収術などの今後の脳卒中医療の基本治療技術をマスターするためにも、遅すぎることはないと思います。
特に血管系の治療を専門とされている先生方はできるだけ全員血管内の基本技術を学んでください。
人生チャレンジであり、いつでも新しいことを目指せること。第二の人生もあること。
皆さん自分に変革を求め、なにか新しいことをはじめませんか?
本年もよろしくお願いいたします。