最前線で働いている内科・救急の先生、病院で発熱外来や体制を管轄している先生やスタッフの前で、大変失礼で不謹慎なのですが、どうにも60をすぎた外科医には、このコロナ騒ぎは大変時間を持て余すことになってしまっています。年齢制限で、とても患者のケアは最前線ではできないし、最新の呼吸器の知識も持ち合わせません。折しも特別版を放送している順天堂の脳神経外科医 南方仁先生のように、江戸時代にタイムスリップしても、感染症の隔離治療やら、乳がん摘出、ペニシリンの模索などということはできません。
オペもやや控え目で、また今は本来は米国や日本の学会シーズンの真っ最中でそれが中止になったものだから、外来もガラガラ、オペの予定もスキスキで、何をしていればいいのやら。
特殊外科医というのはこういうときは無力であることを思い知らされます。そんな中でも色々な論文や声明を発表されている先生方もいます。経鼻手術でのCOVIDの拡散、リハビリ施設でのCOVIDへの対応、脳卒中患者の搬送や治療を手遅れにしないための手段、医療者が感染しないためにPCR検査を全入院患者、手術患者に適応するなどの処置です。脳神経外科学会からも、この事態での脳神経外科としてのあり方の声明が近々発せられます。
幸い日本ではまだあまり医療者の死亡が報告されていないのが、不幸中の幸いです。
私はといえば、1月末−2月初旬に武漢の脳神経外科医の知り合いが非常に困窮していて、ことの重大さを悟り、その情報を拡散したり、なんとかPPEを揃えて送ろうと奔走しましたが、もうすでにその頃は手に入れることが非常にむずかしくなってしまっており、また逆に今は日本が助けられる側に回ってしまっています。特に2-3月は目まぐるしく、WFNSのメンバーたちは、どこの国をどう助けるべきかという議論が白熱していましたが、そのメールの送り主はまだ感染が重篤でない地域の先生方で、むしろ現在はそちらの地域が問題となってきてしまっています。塞翁が馬というか、糾える縄のごとし というか、、中国のことわざが、本気で実感できる日々です。長い歴史の中で、人類が学んできた物は尊いですね。
それも過ぎて4月には日本ではとても遅れて、緊急事態宣言という、なんとも中途半端な自己努力での活動の自粛命令が発せられ、すでに1ヶ月が過ぎようとしています。
私は、皆さんご存知のようにグルメで食べ歩きが好きなので、なかなか鬱々とする日々ですが、それを誤魔化すべく自前での料理をしていますが、だんだんワンパターンになってきてしまっており、なかなかワクワクしてレパートリーを増やすという気力も起きないのが現状です。
その間にも、シャキシャキしていて発言のクリアな大好きだった岡江さんも亡くなってしまい、北朝鮮の首領も危ないのではと噂されています。
この事態はどれくらい続くのでしょうか?
あと数ヶ月、半年、1年、2年?
経済の停滞。本当にこの事態に遭遇した私たちは、今後自分の生活をガラッと転換しなければいけないという経験をしているのかもしれません。各国の首脳がこれは戦争だ!と初期から言われていたのが、実感として伝わってきます。
大正期の世界大恐慌はその後の第二次世界大戦に繋がってゆきました。このCOVID恐慌が世界の大きな紛争に繋がって行かないことを願うばかりです。こんなとき本当に正当な力を発揮できる国のリーダーが欲しいと思います。
さてそんなこんな考えながら私は日々をどう過ごしているかというと、この連休は毎日病院を徒歩往復して4kmの早歩き。毎朝・夕の腕立て伏せ、腹筋、スクアット、背筋。プラス週2回のやや負荷増しの運動。(6Kのダンベルを連休用に購入)
学術的には研究費の申請と久しぶりの自身での論文の執筆、5月いっぱいでなんとか2本の論文を仕上げたいと!あがいています。
夜は先ほどのようにややマンネリ化したCOOKING、さらに夜更は地上波は昔のドラマしかしていないので、NETFLIXで韓国ドラマを見まくっています。
でも地上波の「派遣の品格」と「のぶた」は、、、なかなか良いです。
以前皆様にお話ししたように、もうちょっと教養のつくことをしたいものです。
以上のように脳天気な自分でさえも、どうもこのところ夕方になると頭痛がしだすし、閉塞感が漂います。
一言で言うと「飲みに行きたい!」 「どこか遠くに行きたい!」です。半年近くも海外に行かなかったのは何年ぶりかです。飛行機の中や新幹線の中が、自分の考えを巡らす良い潤滑油みたいなものでした。
この状況を脱して、自由な発想の料理や、vividな研究費申請や論文を書くためにはどうしたら良いか?
そのために考えているのは下記です:
- したことのないことをする (新しいことに挑戦する)
断食2日、禁酒>1週間、駆け足、縄跳び、自転車、座禅(お寺もしまっているので難しい)、そば作り(低GIでも糖分は多いので、、)、新たなジャンルの料理(トルコ料理とか本格インド料理とか)、低温調理(北総の秋元先生は凝っているらしい)、煮込み料理をマスター、認知症の勉強(どうも料理に向き過ぎですが、運動や生活習慣、そして新しい学問も重要でしょう。)
- コンピューターと部屋の整理
私の部屋に来たことのある人ならお分かりのように、全く整理がおいついていない=自分の活動が整理できていない。と全く同じ状況のPCの内部。どうもファイルが見つからなくなってきていることが多い。その上、このパスワードの嵐! どれがどのパスワードだったかしら?という感じです。
なんとか整理します。
- 読書
昔から読書は得意ではなくて頭の中に入れるのが好きだったのです。昔は記憶力がとてもよくて数回読めば(当たりまえか。。。)だいたい反芻できたものです。すなわちたくさん読むより、繰り返して覚えることが好きだったのです。
ですので、私の歴史の教科書は2/3位黒く塗りつぶしてあって、てにおは位した文字がありませんでした。日本、世界の歴史は丸暗記できたものです。でも今はそういうわけにはゆかないので、そのような知識を再探索するためにも、すこし画集・写真集くらいから読書(覧本)したいと思います。
最近、繰り返して何度も読む本が少ない!なんとかします。
特にこの時代 歴史を知るのは非常に重要かもしれません。その中に自分たちがどう対処すべきかのヒントが隠れているかもしれませんね。
以上、思いつくのはそれくらいです。
こんな時にこんな生温い話題で申し訳ありません。
本気の話は、NY Mt. Sinaiで研修中の、自分でもコロナに罹患してしまった日医卒の宮下君がブログを書いています。みなさんぜひ参照してください。
https://ameblo.jp/so2mt8/entry-12593668825.html
何にせよ、明るくいることが、この鬱々とした日々や、免疫力低下を吹き飛ばしてくれるでしょう。
本当に最前線で頑張っている先生方、スタッフの方々、お世話になります。
みなさん3密を避けて、頑張りましょう。
以下あまり画期的なものないですが、最近のカメラから: