森田明夫のやってきたこと 1982〜2023

森田明夫先生ご退任に寄せて

自治医科大学附属病院長、脳神経外科教授

川合謙介先生

森田明夫先生、長らくのご大任、大変お疲れ様でした。日本医科大学脳神経外科教授としてのみならず、日本の脳神経外科学と脳神経外科診療をリードされ、大変多くの業績を残され、また多くの後進を育てられたことに心より敬意を表し、お礼を申し上げます。

森田先生が東大講師として米国から帰国されるまで、私には直接お話をさせていただく機会はありませんでしたが、先生のお名前は海外で活躍する5年上の先輩として轟いており、大きな目標となる刺激的存在でいらっしゃいました。その後も東大脳外准教授、NTT東日本関東病院と、森田先生の後任としての道を辿ることになった私にとって、森田先生は常に未来を照らす道標であり、折に触れ頂戴する世界を見据えたご助言と併せて、いたらぬ後輩には大きな支えとなるものでした。重ねてお礼を申し上げます。

さて森田先生がグルマンとしても伝説的であることは多くの方が知るところですが、私からも一つエピソードを披露させていただきます。新潟市には知る人ぞ知る旨い洋食屋があったのですが、森田先生はそこの主たるメニューを一晩でほぼ完食されました。森田先生の痕を追い続ける私としては、胃袋には自信がある方でもあり、ここは同じく完食を目指すのが当然と挑んだわけですが、あえなくホテルの部屋にすべてもどす羽目となりました。その後もあちこちから森田先生がどこそこで旨いものを食ったという伝説が伝わってくるのですが、なるべく耳を塞ぐようにしております。

森田先生におかれましては、どうかご自身の健康にもご配慮の上、末永くご活躍され、いつまでも私どもの道標としての存在であり続けていただけますようお願い申し上げます。引き続き、脳神経外科でもJRAでもどうぞよろしくお願い申し上げます。