森田明夫のやってきたこと 1982〜2023

森田 明夫教授退任にあたって

日本医科大学学長

弦間昭彦 先生

森田 明夫先生、この度、大学院教授という重職を無事に務めあげられ、定められた時を迎えられますことを心よりお祝い申し上げます。

先生は、最近では、大学院医学研究科長として、日本医科大学の学事の中核を担われてこられ、学長として本当にご苦労をおかけしました。先生が大学院医学研究科長であった期間に、「学外講師による講義の拡張」、「e-learning などを用いた大学院教育の充実」、「東京理科大学、早稲田大学との連携強化」、「数理データサイエンスAI 大学院過程の整備」、「大学院生の臨床学修の規定や体制整備」、「学位授与基準の明確化」「ポストドクターの待遇改善」、「研究生学費の見直し」、「ダイバシティーを活かす研究環境の整備」、「レジストリーの再整備」など、多くの課題に手をつけられ、方向性をしっかりと示されました。
森田 明夫先生は、余裕のある「品格ある」教授というのが、私の受けていた先生の印象でした。そして、どの様な状況でも、その余裕を失うことなく、しっかりと判断される方で、そこに、多くの方々が先生に寄せる信頼の秘密があるように思っています。実は、先生が大学院医学研究科長になられる前、親しい東京大学医学部出身の他学呼吸器内科教授に先生の学生時代を尋ねました。確かな頭脳と純真な心を持った人とのお話をお聞きしました。その記憶が蘇ってきました。
その後、種々の難局を乗り越えるうちに、懸案事項がありますと、休日でも直接お電話でお話しする関係ができ、その都度、大学に対する真摯な誠意あるご意見を伺えました。感謝しております。学術的にも社会的にも広い視野を持たれ、学生や研究者を中心に考えられる姿勢から発せられる発言や差配には、常に心地よさを感じていました。ご子息が日本医科大学を巣立ったことも先生の判断に深い味のスパイスを加えていたかもしれません。
これからも、ご指導をよろしくお願い申し上げます。
 今まで、ご指導いただき有り難うございました。