森田明夫先生の教授ご退任に寄せて
伊那中央病院・信州大学名誉教授
本郷一博先生
森田明夫先生、定年での教授ご退任誠におめでとうございます。長年の教授職、ほんとうにお疲れ様でした。在任中、国内での活躍はもちろん国際的にも重要な立場で世界の脳神経外科レベルの向上、そして日本の脳神経外科を世界にアピールするなど多大な貢献されたことに、深く敬意を表します。
私は4年前に一足先に定年退職を迎えましたが、現役時代から森田先生とは様々な領域で接点があり、学会での活動その他多くを楽しくごいっしょさせていただきました。森田先生は、杉田虔一郎先生が信州大学の教授をされていた1984年頃に信州大学を訪れておられますが、直接初めてお会いしたのは、確か先生がMayo Clinic でレジデントをされていた1992年(当時外科をローテートされていたと記憶しています)に私がMayo Clinicを1週間見学させていただいと時だったと思います。その後、森田先生が米国にいらっしゃる間、また、帰国されてから国内外の学会などでお話しする機会が多くあり親交を深めて参りました。同じセッションで座長をしたり、講演をしたり、ということもしばしばありました。掲載の写真は、米国での学会に参加したときの懇親会でのひとコマです。
10数年前からは、頭蓋底外科、血管障害といった領域の他、私も興味を持って関わってきた手術支援ロボット開発でも学術的交流をさせていただき、いろいろお教えいただきました。脳血管吻合が可能な手術ロボットの開発は、森田先生がリーダーシップをとって医工連携で長年研究開発を進めて来られたもので、優れた業績と深く敬意を表します。また、未完成ではありましたが、私どもの手術支援ロボットを様々なところでご紹介いただいたことにも感謝いたします。
定年退職後も、同時代を生きてきた仲間として、お互い健康を維持しながら引き続きお付き合いのほど、よろしくお願いします。先生の今後の益々のご活躍を祈念いたします。
2017年4月、Los Angeles でのAANSの懇親会で森田先生ら日本からの参加者たちと。