Decade of Prof. Morita's Sprit
成田リハビリテーション病院
院長
小林士郎先生
森田教授、御退任誠におめでとうございます。あっという間の10年間でしたが、御苦労様でした。先生が日本医大脳外に残してくださった数多くの業績は誠に素晴らしく、大変感謝申し上げます。先生は日本人の脳外科医としては非常に数少ない米国でのレジデントを経験され、それも当時米国最高峰のMayo Clinicにおいて、世界一の脳外科医であられたSundt教授(J. Neurosurg のEditor in Chief)に師事され、過酷なチーフレジデントを勤め上げられました。Sundt教授は非常に厳しい指導者であられましたが、他方とても優しい方で、私がUCSF留学中にdinnerを御一緒する機会に恵まれましたが、私のような留学生にまでお話をして頂き、あのブルーに透き通ったやさしい眼差しを、今でも忘れる事はありません。先生は日本医大に就任後、早々モーニングカンファレンスにおいて英語でのプレゼンテーションを導入され、若手医局員の英語の向上に寄与されました。その後の先生の日本脳神経外科学会での御活躍や、世界脳神経外科連合事務局長としてのお仕事は他稿に譲りますが、2014年には日本医科大学脳神経外科学教室開設50周年の記念祝賀会を盛大に催されました。日本医大の教育、研究分野でも大きな仕事をされ、2019年には大学院研究科長に就任されると、本学の教育理念である「愛と研究心を有する質の高い医師、医学者の育成」を、又明治時代より引き続けられてきた本学の「自由な校風の下に分野横断的に連携して研究活動を行う土壌」を見事に開花されました。私は退任前は千葉北総病院の教授をしておりましたが、夏の納涼会、冬の忘年会には必ず出席され、北総病院職員や地元医師会の先生方となごやかにお話しされておられました。梅岡講師の執刀する高難度の頭蓋底腫瘍の手術の御指導に来て頂き、夜遅くまで手術室で過ごされました。一度だけ術後に手術患者が急変された際、東京より深夜車で駆けつけて下さり、患者は無事後遺症なく退院されました。
御退任後も第2の人生において益々御活躍下さい。そして引き続き日本医科大学脳外を宜しく御指導下さい。有難うございました。