タイトル
日本医科大学千葉北総病院 脳神経外科
金 景成先生
脊髄腫瘍の手術のため、脊柱管開放を任された。緊張感のもと、棘突起をスプリットして硬膜を露出したところ<へ〜、かっこいいね。>と褒めていただいた。その後、繊細な脊髄腫瘍摘出術をじっくり勉強させていただき、ちょっとした高揚感のもと、帰路についた。絞扼性末梢神経疾患に関する相談や論文のご高閲をお願いすると、いつも的確なご意見をいただき、論文を一段階、上のものに仕上げていただいた。新しいアイデアをいくつもいただき、グループの業績が積み上がった。<そういえば漢方のこと詳しかったよね>とお声かけいただき、脳神経外科向け漢方のハンドブック作成のお手伝いをさせていただいた。2022年の脳神経外科学会総会では、森田先生の漢方の特別講演をとても楽しく拝聴した。
10年前、<頭蓋底>と<脳動脈瘤>という印象で森田先生をお迎えしたが、実際はとても幅広い守備範囲で驚かされた。脳神経外科で脊椎、末梢神経、更には漢方まで行くと、端っこの、その端っこである。さりげなくその端っこまで極めていくその姿勢は、森田先生そのものであると感じる。
それだけではない。私は学会の行き先が決まると、まずは森田先生のfacebookで食べ物屋さんをチェックする。それは日本に留まらず、ソウルで連れて行っていただいたタッカンマリ屋さんは、今や私の行きつけとなった。私の知る限り、最も信頼性の高いグルメサイトである。
倒れてもおかしくないくらい忙しいはずなのに、様々な情報にアンテナを立て、それぞれで確実に結果をだしていくその情熱の源は、常人には計り知れないが、そのような後ろ姿に魅了され、そして憧れて、日本医科大学脳神経外科が歩んできたのだとつくづく思う。日本医科大学脳神経外科における森田先生の存在とその功績はあまりにも大きい。大きな懐の中で自由に臨床、研究をさせていただいた10年間に心から感謝したい。森田先生、誠にありがとうございました、そしてお疲れ様でした。これからもご指導いただけますよう、よろしくお願いいたします。
ソウル 東大門市場のタッカンマリ屋さんにて