目次: 4X4MAGAZINE、 EMERGENCY CARE、 Expert Nurse、 Japan Medical Association Journal、 Journal of Hard Tissue Biology、 JIM: Journal of Integrated Medicin、 Journal of Japanese Society of Hospital Pharmacists、 The Journal of Medical Investigati、 Journal of Occupational Health、 Legal Medicine、 Medical Asahi、 Q&Aでわかる肥満と糖尿病、 Therapeutic Research、 Vascular Lab、 青森労災病院医誌、 アポロニア、 医学検査、 石川看護雑誌、 痛みと臨床、 石川看護雑誌、 医師の目から見た「災害」、 医道の日本、 医薬ジャーナル、 医療、 医療安全、 医療福祉建築、医療放射線防護Newsletter、 インターナショナルナーシングレビュー、 大阪透析研究会会誌、 大阪府医師会報、 オペナーシング、 沖縄県立中部病院雑誌、 海外勤務と健康、 介護支援専門員、 外来精神医療、 学校保健研究、 カレントテラピー、 看護、 看護学雑誌、 看護管理、 看護技術、 看護教育、 看護実践の科学、 看護展望、 感染・炎症・免疫、感染症、 感染防止、緩和医療学、 救急医学、救急医療ジャーナル、教育と医学、緊急被ばく医療全国拡大フォーラム講演録集、緊急被ばく医療ポケットブック、 クリニカルスタディ、群馬県核医学研究会会誌、 群馬パース大学紀要、検査と技術、 現代医学、公衆衛生、 高知市医師会医学雑誌、 神戸市看護大学紀要、 公立甲賀病院紀要、 公立豊岡病院紀要、 国際保健医療、 心と社会、 こころの科学、 作業療法ジャーナル、 産業医学ジャーナル、 産業衛生学雑誌、 自衛隊札幌病院研究年報、 歯科医院経営、 歯界展望、 歯学、 静岡県精神保健福祉センター所報、 自治医科大学医学部紀要、 社会医学研究、 障害児の授業研究、 消化器外科Nursing、 市立堺病院医学雑誌、 市立札幌病院医誌、 信州医学雑誌、 新医療、 心身医学、 心的トラウマ研究、 腎不全を生きる、 神緑会学術誌、 生活科学研究誌、 生活と環境、 精神医学、 精神科、 精神科看護、 精神神経学雑誌、精神認知とOT、 精神保健研究、聖マリアンナ医学研究誌、 聖隷三方原病院雑誌、善仁会研究年報、 全国自治体病院協議会雑誌、 仙台赤十字病院医学雑誌、 蘇生、綜合臨床、 大事故災害への医療対応、 大震災が遺したもの、 地域医学、 地域環境保健福祉研究、 地域保健、 中毒研究、 調剤と情報、 治療、 電子情報通信学会技術研究報告、 東京小児科医会報、 東京都歯科医師会雑誌、 東京都病院薬剤師会雑誌、 陶生医報、 透析ケア、 とちぎ精神衛生、 トラウマティック・ストレス、 ナーシング、 ナーシング・トゥデイ、 ナースマネジャー、 長野県透析研究会誌、 新潟県医師会報、 新潟県厚生連医誌、 長岡赤十字病院医学雑誌、 日赤医学、 日赤図書館雑誌、 日本医師会雑誌、 日本医事新報、 日本遠隔医療学会雑誌、 日本看護科学学会学術集会回講演集、 日本看護学会論文集、 日本救急医学会雑誌、 日本救急医学会中部地方会誌、 日本クリティカルケア看護学会誌、日本クリニカルパス学会誌、日本公衆衛生雑誌、日本災害看護学会雑誌、 日本社会精神医学会雑誌、日本職業・災害医学会会誌、 日本精神科看護学会誌、日本歯科評論、 日本集団災害医会誌、日本手術医学会誌、 日本心療内科学会誌、日本精神科病院協会雑誌、 日本赤十字九州国際看護大学、日本赤十字社和歌山医療センター医学雑誌、日本透析医会雑誌、日本の眼科、 日本病院会雑誌、日本法医学雑誌、 日本放射線技師会雑誌、日本旅行医学会学会誌、 日本臨床内科医会会誌、練馬医学会誌、 函館五稜郭病院医誌、働く人の安全と健康、 病院設備、病院前救護とメディカルコントロール、 兵庫県立看護大学附置研究所推進センター研究報告集、 広島医学、 福島医学雑誌、 プラクティス、 古川市立病院誌、 プレホスピタル・ケア、 分子精神医学、 防衛衛生、放射線防護医療、 訪問看護と介護、 北海道医報、 北陸と公衆衛生、 保険診療、 保健の科学、 保険物理、 保団連、 水と健康医学研究会誌、 薬事、 薬理と治療、 八千代病院紀要、 山形県立病院医学雑誌、 予防時報、 琉球医学会誌、 理療、 臨床看護、 臨床精神医学、 臨床と微生物、 レジデントノート、 連携医療、 労働の科学
■4X4MAGAZINE
■EMERGENCY CARE
■INNERVISION
■Expert Nurse
■Japan Medical Association Journal
■Journal of Hard Tissue Biology
■JIM: Journal of Integrated Medicin
■Journal of Japanese Society of Hospital Pharmacists
■The Journal of Medical Investigation
■Journal of Occupational Health
■Legal Medicine
■Medical Asahi
■Q&Aでわかる肥満と糖尿病
■Therapeutic Research
■Vascular Lab
■青森労災病院医誌
■アポロニア
■医学検査
■石川看護雑誌
■医師の目から見た「災害」 ■石川看護雑誌
■痛みと臨床
■医道の日本
■医薬ジャーナル
■医療
■医療安全
■医療福祉建築
■医療放射線防護Newsletter
■インターナショナルナーシングレビュー
■大阪透析研究会会誌
■大阪府医師会報
■オペナーシング
■沖縄県立中部病院雑誌
■海外勤務と健康
■介護支援専門員
■外来精神医療
■学校保健研究
■カレントテラピー
■看護
■看護学雑誌
■看護管理
■看護技術
■看護教育
■看護実践の科学
■看護展望
■感染・炎症・免疫
■感染症
■感染防止
■緩和医療学
■救急医学
■救急医療ジャーナル
■教育と医学
■緊急被ばく医療全国拡大フォーラム講演録集
■緊急被ばく医療ポケットブック ■月刊福祉
■健康管理
■クリニカルスタディ
■群馬県核医学研究会会誌
■群馬パース大学紀要
■検査と技術
■現代医学
■公衆衛生
■高知市医師会医学雑誌
■神戸市看護大学紀要
■公立甲賀病院紀要
■公立豊岡病院紀要
■国際保健医療
■心と社会
■こころの科学
■作業療法ジャーナル
■産業医学ジャーナル
■産業衛生学雑誌
■自衛隊札幌病院研究年報
■歯科医院経営
■歯界展望
■歯学
■静岡県精神保健福祉センター所報
■自治医科大学医学部紀要
■社会医学研究
■障害児の授業研究
■消化器外科Nursing
■市立堺病院医学雑誌
■市立札幌病院医誌
■信州医学雑誌
■新医療
■心身医学
■心的トラウマ研究
■腎不全を生きる
■神緑会学術誌
■生活科学研究誌
■精神医学
■精神科
■精神科看護
■精神神経学雑誌
■精神認知とOT
■聖マリアンナ医学研究誌
■精神保健研究
■聖隷三方原病院雑誌
■綜合看護
■善仁会研究年報
■全国自治体病院協議会雑誌
■仙台赤十字病院医学雑誌
■蘇生
■綜合臨床
■大事故災害への医療対応(小栗顕二ほか・監訳、東京、永井書店、2005) ■大震災が遺したもの、松島悠佐、東京、内外出版 2005
■地域医学
■地域環境保健福祉研究
■地域保健
■中毒研究
■治療
■調剤と情報
■電子情報通信学会技術研究報告
■東京小児科医会報
■東京都歯科医師会雑誌
■東京都病院薬剤師会雑誌
■陶生医報
■透析ケア
■とちぎ精神衛生
■トラウマティック・ストレス
■ナーシング
■ナーシング・トゥデイ
■ナースマネジャー
■長岡赤十字病院医学雑誌
■長野県透析研究会誌
■新潟県医師会報
■新潟県厚生連医誌
■日赤医学
■日赤図書館雑誌
特集・災害被災地におけるプライマリ・ケア
特集・新潟県中越地震における病院薬剤師の活動
Abstract:地震による喘息が悪化する危険性のある患者の特徴を明らかにし,地震後の喘息悪化予測因子を同定する目的で,鳥取県西部地震発生の1年以上前から鳥取大学病院に通院中であった喘息患者156例(18-89歳)を対象に,喘息症状とPEF(最大呼気流量)を記録し,後向きコホート研究分析を行った.17例(11%)が地震後1ヵ月以内に症状の悪化を来たし,これらの地震後1ヵ月の日中の最大呼気流量(PEF)変動を1年前の同時期と比較した.症例記録を基に症状悪化に関連する因子を同定しその寄与率を多変量解析により検討した結果,気流制限(airflow limitation)が地震後の悪化に関連する独立因子であった.急性喘息発作は地震後1週間以内に,日中のPEF変動を伴わずに起こる可能性が高いことが示された.地震後は喘息が悪化しやすいと思われる.
Abstract:2種類のストレスマネージメントプログラムを施行し,その心身状態に及ぼす効果について検討した.対象者は,海難救助活動従事者で,対象者を2群に分け,A群に「Structured Stress Management Program」を,B群に教育的介入のみを行った.その結果,介入開始前の測定では,対象者の評価得点は,ほとんどのスケールにおいて基準値より得点が悪かった.介入直後の測定では,A群とB群を繰り返しありの分散分析で比較すると,Hospital Anxiety and Management Programの抑うつ尺度がA群において有意に改善し,また,NK細胞活性がA群において有意に上昇した.また,介入前と3ヵ月後の比較では,NK細胞活性がA群において有意に上昇していた.以上,これらの結果は,救助活動従事者の精神的健康度は,良いとはいえないが,「Structured Stress Management Program」は救助活動従事者のストレスを管理し,業務能力を向上させることに効果的であることが示唆された。
Abstract:2003年にオランダで発生した花火工場爆発災害に配置されたボランティア消防士246名と,配置されなかった対照群71名を対象に,質問紙調査を行った.災害3年後の両群における健康感に違いはみられなかった.配置群において爆発後に何らかの身体・精神症状を有する割合は,爆発前に比べ有意に高かったが,関連していた因子は個人的な悲惨な経験のみであった.災害3年後のボランティア消防士の健康がそれ程悪くなかったのは,恐らくアフターケアの利用によるものと思われる.それでも,災害への曝露は,心的外傷後ストレス症候群や心のケア利用の増加と関連していたので,医療従事者は,大事故や災害の場合には本症候群の治療や予防に特に注意すべきである.
特集・元気な歯科医院になるためのリスクマネジメント 脅威(天災)にかかわるリスク分析
Abstract:医療施設の災害に備えた取り組みと災害看護に関する認識を明らかにすることを目的に,石川県の看護管理者を対象にアンケート調査を実施し,85名より回答を得た(回収率76.6%).その結果,石川県の医療施設では,災害の対応経験のある施設は少なく,ほとんどの施設が防災訓練を実施していたが,その内容は火災訓練が中心であった.また,災害教育を行っている施設は少なかったが,自施設が災害に遭ったことを想定した災害対策の検討は行われており,それに対するマニュアルも備わっていた.災害看護に関する認識では,装備されたマニュアルが「生かせる」と回答した者より,「生かせない」または「わからない」と回答した者の方が多く,ほとんどが現任教育における災害看護教育の必要性を認識していた。
白濱龍興:東京、内外出版、2005
Abstract:新潟県中越地震に医療救護班を派遣した国公立病院の看護管理者が行った医療救護班への支援を明らかにすることを目的にアンケート調査を実施し,10名(83%)の看護管理者より回答を得た.その結果,看護管理者が医療救護班に対して行っていた支援は,派遣前には「活動に必要な物品の提供や勤務調整」「救護班参加の看護職員の激励」,派遣中は「活動中の看護職員と直接連絡を取り合う」支援,派遣後は「労をねぎらう」「活動内容をよく聞く」といった支援を行っていたことが分かった.
Abstract:新潟県中越地震に医療救護班として派遣された看護師の活動の実態を明らかにすることを目的に,I県から派遣された看護師を対象にアンケート調査を実施し,27名(うち,女性24名.25〜57歳,平均年齢42.2±8.7歳)より回答を得た(回収率77.1%).その結果,医療救護班として平均3.0±0.6日間,長岡市などの避難所で巡回または外来にて活動を行っており,対応した患者の健康問題は慢性疾患が多く,援助の内容は診療の補助・精神面への援助・状況把握などであった.
Abstract:挫滅症候群は圧迫と解除をきっかけとして筋細胞の傷害が起こり,筋自身の浮腫を介して,ショック,電解質異常による致死的不整脈,急性腎不全などの全身症状を呈する外傷性の全身疾患である.受傷早期にはバイタルサインは一見安定しており元気そうにみえるが,やがて骨格筋細胞内容物の流出と血管透過性の亢進による体液シフト,高カリウム血症,代謝性アシドーシス,ミオグロビン血症,低容量性ショック,急性腎不全,凝固障害などさまざまな病態に陥り集中治療を必要とする.災害時だけでなく昏睡をきたすような疾患でも起こるため日常診療でも遭遇する可能性がある.早期には身体所見に乏しいため,受傷状況や臨床所見,尿所見から本症候群を疑い速やかに集中治療を開始する(著者抄録)
Abstract:昨年暮れに起き,約30万人という史上空前の死者を出したスマトラ沖地震津波の影に,やや隠れた感がある新潟県中越地震ではあるが,直下型の大被害を被災地に及ぼしたことはご記憶のことと思う.今でも住民が避難生活を余儀なくされるというあの地震直後の異常事態の中,地元の医療機関の一員として,病院薬剤師が災害派遣医療チームに関わる過程での数多くの問題に遭遇した.災害対策マニュアルの無力さ,組織より個人による行動の重要性,重厚な支援より迅速な支援の大切さ,地域医療との調和,医薬分業の綻びなど,通常の医療活動では得難い数多くのメッセージを今回の地震は我々に与えてくれた.この事例を十分に吟味することで,今後あるべき医療人としての薬剤師の姿を考える反面教師としたい。
特集・広域災害医療 新潟県中越地震を経験して
特集:自然災害・事故・テロ時の看護 阪神・淡路大震災,地下鉄サリン事件から10年間の日本の蓄積
Abstract:阪神・淡路大震災で透析関連装置の転倒破損を経験し,ライフラインの切断により長期停止を余儀なくされた神戸地区と,被災経験のない南大阪地区の透析施設を対象に,災害や事故に関する内容と,安全対策への取り組みについてアンケート調査を行なった.神戸地区24施設,南大阪地区43施設から回答が得られ,これを分析した結果,神戸地区では被災後,建物の補強,水関連設備・電気関連設備への対策,装置の固定強化等が,多くの施設で行われていた.南大阪地区では災害対策への施行率は低かったが,何らかの原因で装置が停止した際の対策やバックアップ機構は神戸地区と同等に行われていた.防災対策の会議やマニュアル作成,スタッフへの防災教育は内容に差はあったが,ほとんどの施設が実践していた.しかし,防災対策に対するスタッフの不安は大きく,安全に対して37%が不満をもっていた.また,緊急事態ではスタッフの人数ではなく,スタッフの熟練度が安全対策に大きく寄与していると考えられていた.
特集・大規模災害に備えて 阪神・淡路大震災から10年
特集・緊急時におけるケアマネジャーのリスクマネジメント 中越地震に学ぶ
Abstract:災害・救急医療を円滑に運用するためには,4つのTs(通信,輸送,トリアジュ,初期治療)が重要と考えている.この中でも通信に関して医療側との接点,現行システムでの問題点を浮き彫りにし,情報通信技術の災害救急医療への応用の可能性を紹介し,トリアジュ,初期治療に向けた総合的な取り組みを検討した.災害医療では,現場にヘリコプターが着陸できることが不可欠で,住民の情報をメタデータとして含めた3D地図は消防指令台に今後整備されていくべきで,統合的な災害通信システムで医療を支えるべきと考える.災害・救急医療を円滑に運用するためには,4つのTsが重要で,情報通信技術で災害救急医療を統合的,効率的に行うことが肝要である.
Abstract:がん患者のPTSDおよびPTSD症状について,その有病(症)率,疫学的記述研究,生物学的病態研究,治療について概説した.そのなかで,小児がん生存者やその親ではPTSDが比較的多いこと,PTSDの部分症状は相当数存在し,20年近く経過しても持続しうることなどが浮き彫りとなった.しかし一方で,PTSD部分症状の評価には慎重を期する必要があるという指摘や,がん体験を心的外傷という枠組みだけでとらえるべきではないという主張もなされている.PTSDという診断に付随する意味を十分認識したうえで,多くのがん患者にPTSD症状とみなしうる精神症状が出現しうることを知ることが,がん患者の理解を深めるうえで有用であると考えられる(著者抄録)。
(財)原子力安全性研究会、2005
Abstract:新潟中越地震の被災地A市において,巡回訪問活動を行った全ての世帯を対象とし,災害復興期における中山間地域の看護活動と被災者のニーズを明らかにし,支援のあり方を検討した.災害復興期の被災者のニーズは,被災者の受傷や家屋の損壊状況の違いだけでなく,年齢,被災前の健康状態,障害の有無や生活状況によって個別性がより高まった.個人参加の災害看護ボランティアの活動は,移動手段の確保が重要な課題であった.成人の被災者は,地場産業をはじめ生業を尊重し,地域のコミュニティを生かした生活の再建が重要と考えた.被災前に介護保険を利用しなかった後期高齢者,障害をもつ高齢者は,さらに状況が悪化する可能性があった.被災した障害児の対応は,障害の状況に合わせた専門的なケアと,養育者の負担を軽減することが重要であった.
Abstract:家族の存在とその関わりが地震災害で被災した子どもの心に与える影響を明らかにすることを目的に,2003年の宮城県北部地震で被災したN町とY町の中学2年生を対象にアンケート調査を実施し,86名(うち,男児43名.うち,拡大家族(3世代同居)が69.8%)より有効回答(43.9%)を得た.その結果,震災発生時に家族と一緒に居た者のうち,66名(88.8%)が家族と居たことで安心できたと回答しており,母親など他者に地震のことについて話しをしたことが不安の軽減につながっていることが分かった.
Abstract:台風23号による水害の体験を通して,在宅療養者への災害時を含めた緊急時対応策について見直しを行った.今回の体験では,日頃の災害に対する危機意識の低さを認識させられた.事例を通した問題点から,今後の課題として充電器・簡易式吸引器などの準備や日頃の確認点検の重要性が明らかとなった.
Abstract:2003年12月26日イラン南東部バム市で起きた地震災害から8ヵ月経過した現地での保健復興支援活動を報告する.NPO HuMAは,復興が遅れているZone5のヘルスセンターに仮設施設,医療機材を提供するとともに震災8ヵ月後の医療状況を調査した.
Abstract:国際緊急援助活動(IDR)における看護師の役割は、派遣された医療チームの状況により様々であり、過去には準医師的業務を実施したという報告もある。本研究は、従来あいまいであったIDRにおける看護師の役割を明確にし、どの様な業務を看護師の役割として考えるべきかを検討した。過去にIDRに参加した経験のある医療従事者61名を対象に、自記式質問紙調査票を郵送にて配布した。調査期間は2005年9月1日〜12月31日の4ヵ月間である。調査内容は、先行研究等で実際に看護師が実施したと報告された業務内容17項目を抽出し、それぞれの業務が適切であるか、またIDRで求められる看護師の役割についての意識調査を実施した。回収は53名で、有効回答を得た50名(医師24名、看護師17名、医療調整員等9名)を解析対象とした。調査の結果、適切な災害看護に関する教育やトレーニングを受けていれば、「トリアージ」および「創洗浄」はIDRにおける看護師の役割として可能であるが、「縫合」、「デブリードメント」、「切開」、「抜糸」に関しては、IDRにおける看護師の役割として困難であろうと、調査対象者が考えていることが判明した。
Abstract:三宅島雄山噴火による全島民避難から4年5ヵ月が経過し,火山ガス噴出量は低減してきたものの,一部の地域では二酸化硫黄(SO2)濃度が大気環境基準を依然満たしていない.しかし全島民帰島へ向け,滞在型労働者による本格的復興事業が2002年7月から,また島民の一時帰宅型帰島事業が2003年4月から始まった.以前に我々が行った復興事業の労働者検診(2003年1月),一時帰宅型帰島事業参加島民の症状調査(2003年10〜12月)では,SO2濃度と労働者のピークフロー値及び帰島事業参加者の呼吸器症状との間に明らかな相関関係は認められなかった.SO2は以前より呼吸器・循環器系への影響が言われており,東京都現地対策本部と三宅村は島内作業者全員に対しての予防対策として脱硫装置付き建物での生活,脱硫用マスク着用の指導,また入島者全員に対し充分な情報提供を行ってきた.今回,我々は2001年6月27日〜2004年6月30日までの三宅村中央診療所診療記録を検討したが,SO2濃度と直接的に関係している症例はなかった.しかし,島内労働者の気管支喘息発作初発の30歳代男性1件で高度な治療が必要であった.また災害避難命令期間中のため調査方法に大きな制約があり,SO2曝露指標の評価は不充分であるが,島民あるいは島内作業者に対する情報提供として,本調査報告は有用で重要な資料となるであろう.
Abstract:2005年1月23日〜2月26日に,バンダアチェ市バンダラヤ郡ラマラ地区に開設した診療所においてインドネシア国際緊急医療援助隊(本隊)の自衛隊医官が診療した現地患者のうち,診療記録で確認できた延べ3855名に対する本隊の診療活動について分析した.受診患者数は1日あたり平均165名(うち初診126名),そのうち応急医療チームでは平均123名,本隊合流後は平均180名であった.性別は男58%,女42%,平均年齢は34.6歳,受診回数は平均1.3回で,1回と2回で受診患者全体の95%を占めた.津波被害を直接受けた人は,初診患者では24%,再診を含む延べ患者では32%を占めた.居住スタイルは,自宅が47%,親戚の家が36%,キャンプが14%であった.受診患者の居住地域の分布は,ラマラ地区の属するバンダラヤ郡が42%,市外が30%を占め,その他の郡は各々7%以下であった.
特集・歯科界の潮流 災害時の歯科医療
Abstract:三宅島にある雄山が2000年6月から噴火が始まり,それ以来全住民が避難となった.2002年には噴火は消退しているが,火山ガス(ほとんどSO2)排出は当分続くであろう.2003年4月から3日間滞在型帰島プロジェクトが始まり,我々は2003年10〜12月にこのプロジェクトに参加した住民にアンケートを行った.アンケートには呼吸器症状(咳嗽,喀痰,喘鳴,息切れ)出現とそれらの症状を元々持っていたかどうかを含めた.さらに我々は島内6箇所の大気中SO2濃度を知り,濃度により2つのグループに分けた.我々はSO2大気汚染と呼吸器症状との関係を調査した.我々はまた最終的に性別,年齢,元々存在した呼吸器症状のような交絡因子を排除するため,それぞれの呼吸器症状を独立変数として類推評価した.結論として,大気中SO2濃度がより高いときは70歳以上の高齢者では息切れの悪化に注意を払った方がよいのだろう.しかし,SO2大気汚染は息切れ以外の呼吸器症状悪化に影響を与えていないのかも知れない。
特集・特別支援教育と学校安全管理マニュアル
特集・新潟中越地震に学ぶ地震対策
Abstract:茨城県東海村で発生したJCO社による放射能臨界事故は,一般社会のみならず心身の健康に敏感な住民にも大きな衝撃をもたらした.事故災害やその健康被害などについての報告も多い中,本事故についての現場からの調査報告,とりわけ児童の心身への影響に関する学術報告は皆無に近かった.そこで,本邦で初めて住民を巻き込んだ放射能洩れ事故が,近隣の学校生徒の心身に与えた影響,特に心的外傷後症状の実態や内容などを調べる目的で調査を行った.屋内退避対象地域になったJCOから半径10km圏内の7市町村に所在する15校の小学生・中学生・高校生計479名を分析対象に,事故直後(想起)および事故1年後に心的外傷後症状の感情状態や変化(現在)に関し,無記名かつ自記式の質問紙調査を実施した.男女別また校種別でも,両期とも精神的症状項目で女子が有意に高かった.事故直後の身体症状や睡眠障害・興奮などの心身症状は性差なく,比較的少数であったが存在はした.このように事故1年後でも思春期女子の感情不安定性が目立ち,健康診断や精神的フォローアップの必要性が示唆された.
Abstract:震災後10年を経過した兵庫県における災害時の救急医療体制の整備状況と課題について報告し,かつ,兵庫県下の各地域における救急医療対応能力を消防機関の救急搬送能力と各医療機関の治療能力を救急基本データ等に基づいて評価した.兵庫県においては防災監や災害医療コーディネーターの設置,災害医療ボランティアや医療救護班等への災害医療研修会,災害時の医療活動の拠点となる兵庫県災害医療センターの新設,地域災害医療マニュアルの作成,兵庫県こころのケアセ'ンターの新設など被災経験に基づいた災害対応への新しい制度の導入が図られてきている.兵庫県全体としそのレベル1が37病院,レベル2が31病院で,重症患者の受け入れ可能推定数は105例となった.各々の地域の初期救急患者受け入れ可能人数は,各地域の受け入れ医療機関の治療能力に依存することが判明した.
Abstract:脳損傷者当事者団体の会員213名を対象とし,自記式質問票を用いた横断的調査法を行った.「脳損傷」という外傷体験により引き起こされるPTSD様症状が,脳損傷者家族の聞にどのような広がりを見せているのかを明らかにした.有効回収率は56.8%であった.PTSD様症状の出現率を示すIES-R(改訂出来事インパクト尺度)がPTSDが疑われるカットオフ値25点を上回った回答者は66.4%であった.また,IES-R得点は家族の精神科受診歴と関連がみられたが,本人の基礎属性,障害特性とは関連がみられなかった.脳損傷家族支援にあたっては,他の犯罪・災害被害者同様,支援ネットワークに精神科治療チームが加える等,そのストレス症状に充分配慮したアプローチを行うのと共に,家族の社会関係にも焦点をあてたサポートを行うことが必要であることが示唆された.
Abstract:愛する人との死別後に病的な悲嘆反応がみられた症例(60歳代後半女性)を報告し,病的悲嘆がDSM-IVのPTSDの症状基準を十分に満たすことを示した.さらにPTSD診断に必要不可欠である基準Aが将来的に見直され,消滅する可能性があることから,病的悲嘆がPTSDと診断され得るとの見通しを延べた.病的悲嘆は確立された疾患概念にまでは至っておらず,PTSDのように一般に知られた概念とは言い難く,本症例のように病的悲嘆であるにもかかわらず専門家の援助を求める機会を逸し,悲嘆の回復過程を遷延させてしまう症例も少なくない.したがって,病的悲嘆もPTSDといえるほどの深刻な外傷性の精神障害であるとの理解に立つことは,遺された人にとってはもちろん援助者にとっても,臨床的な意義がある。
Abstract:新潟県中越地震における東京都こころのケア医療チームの活動を,震災被災地での初期精神保健活動をめぐって,阪神・淡路大震災での支援活動と比較して報告した.阪神・淡路大震災では「都市型」の震災時の心のケア対策の手法について多くが論じられてきたが,今回のような「農村型」の震災に対しての具体的な支援のあり方に関する知見は乏しく,今回の震災から「農村型」の援助手法についての蓄積が今後望まれる.最終的には,本チームの援助に頼らない,通常の地域精神保健活動の枠組みの中で被災者のメンタルヘルスマネジメントがなされることを目標に活動し,地域の保険師に助言しスーパーバイズすることで一定の成果は挙げられたと考えている.
Abstract:川崎市消防局員を対象に,消防職員が日常業務の中で経験する職務上の衝撃的な出来事や,それらがメンタルヘルスに及ぼす影響の実態把握を目的に調査を行い,523名の有効回答を得た.出来事チェックリストでは,遭遇したことのある体験について複数回答を求めた結果,「交通事故」「殺人,自殺,災害,事故などで人が死んだり,ひどいけがをした現場」「家事や爆発現場」の3項目については70%以上が体験しており,「救助活動で人を助けられなかった体験」という悔悟や自責の念に駆られるような体験を46%がしていた.IES-Rの結果では,ハイリスク群は9.4%で,下位尺度の平均では「再体験症状」2.77±4.08,「回避症状」3.27±4.83,「覚醒亢進症状」1.63±2.99であった.職務別のIES-R得点では,ハイリスク群の比率は「救急」群が13.0%で最も高く,「日勤」群,「消防」群も10%を越えていた。
当院における災害救護偶練の現状
Abstract:効果的な災害救護訓練のあり方を明確化する目的で,地震火災複合訓練を通し,トリアージ,災害対策本部機能,他職種間の連携を中心に評価検討した.訓練に参加した職員は,消防救急隊員3名を含め総勢435名で,全体の63%を看護婦,15%前後を医療技術・事務が占め,医師は6%であった.訓練の評価は,訓練観察者,訓練後の記録物の確認,および自己評価からおこなった.また,訓練参加者には,対象別に記述式のアンケートを行い集計した.この結果,当院の災害救護訓練における具体的課題として,第1にトリアージエリアのレイアウトを周知徹底すること,第2に机上訓練を導入し,トリアージ技術,トリアージタッグへの記載漏れに対する定期的かつ継続した教育を実施すること,第3に病棟訓練に模擬患者搬送を盛り込み,患者の動向についての把握を促進すること,第4に院外機関との協力体制を拡大すること,が挙げられた.
Abstract:患者の災害に対する意識と職員の災害時対処法の理解度を調査し,今後の訓練内容について検討した.災害に対する意識調査を患者40例を対象に,避難訓練前後で行った.災害時に患者は,言われた通りに動くだけと主体性に欠けた.災害時に職員が的確に行動し,患者を避難誘導するためには,職員の確かな知識が要求されていた.さらに,職員に対して防災に関するアンケートを実施し,防災対策に関する知識を調査した.前回の避難訓練での各職種の役割分担などは理解していたが,セイフティカットの使用方法を理解していなかった.また,クリニックがビル23階にあり対策が必要であることなどが明らかとなった.
Abstract:新人看護師の災害看護に対する認識調査を行った.対象は平成16年度採用の新人看護師37名で,災害看護に対する認識傾向について自記式選択式質問紙法によるアンケート調査を行った.回答数は32名(平均年齢21.8歳)で,回収率86.5%であった.1)学生時代に災害看護研修の体験有りは15名(46.8%)であった.災害看護に関する研修について「必要」は32名(100%)で,「興味がある」や「受けたい」がともに26名(81.3%),「災害救護活動に参加したい」が25名(78.1%),「災害対策マニュアルを読んだことがある」が11名(34.4%)であった.2)日常的心構えでは「体調を整えている」が25名(78.1%),「ニュース・新聞を読んでいる」が19名(59.4%),「避難経路の確認」が14名(43.8%),「緊急連絡網の確認」が13名(40.6%)であった.3)いずれも学生時代の研修体験の有無により認識に差はなく,研修の必要性や参加意欲は高いが,知識や日常的準備は不十分であった.
Abstract:クラッシュ症候群(挫滅症候群)は地震などの大災害の際に落下物によって上下肢を長時間圧迫された症例に,救出後に生じる病態である.救出時は元気であった人が,救出後急速に全身状態が悪化して死亡する"rescue death"の原因として注意が喚起されてきた.古くは第一次世界大戦中にこのような病態が生じたことが報告されているが,クラッシュ症候群という名称は第二次世界大戦の空襲などの際に倒壊した建造物の下敷きとなり,救出された後に急性腎不全を発症し,全身状態が悪化して死亡するという病態に対して名づけられたものである.本邦では阪神・淡路大震災の際に有名となったが,今年JR福知山線の脱線事故の後に再びマスコミで報じられることとなった.本症候群はその発症の可能性が念頭に置かれていない場合,しばしば生命を脅かす事態に至る深刻な疾患であり,本稿において病態と治療方針を述べたい.クラッシュ症候群は「外傷性または外傷に伴う横紋筋融解症」と定義される.その名前から外圧による筋肉の挫滅によって発生すると考えられがちであるが,むしろ圧迫解除後の虚血肢再灌流が病態上重要である.
特集・高潮被害と公衆衛生
Abstract:平成16年8月の台風16号の高潮による高松市街地の浸水被害の,日常生活への影響などを報告した.床上浸水3810戸,床下浸水11751戸の甚大な被害に見舞われたが,災害への備えは十分ではなかった.被災地区には相当数の高齢者や障害者が在住していたが,市保健センターや民生委員,自治会組織により高潮発生時に把握されていたのは一部に過ぎず,救助活動も難航した.また,冠水被害から派生した住民生活の著しい制約は,学業や職業生活への影響,さらに生活破綻からくる疲労やストレスなどの健康問題を発生させた.
Abstract:平成16年8月に高松市を襲った高潮災害による精神的健康面への影響と対策を検討した.被災住民は,被災直後からかなりの長期間にわたり少なからず精神面で影響を受けていると考えられ,緊急時の正確な実態把握と対策,ハイリスク者の把握,その後のフォローアップ,ストレス対策など,心の危機管理の充実の必要性が示唆された.
Abstract:平成16年8月に高松市を襲った台風による高潮災害における,肉体的健康面での影響を明らかにすることを目的に,高潮災害を受けた地域の自治会長,日本赤十字社香川支部,高松消防署などを対象に,聞き取り調査を実施した.その結果,短期的のみならず長期的にも少なからぬ身体的な影響が認められ,浸水災害時の健康管理の重要性や,災害弱者といわれる人々に対するフォローアップの必要性が示唆された.
Abstract:平成16年8月に発生した高松市高潮災害における,自治会,NPO・NGO,行政の活動状況を明らかにすることを目的に,被災地区の自治会長複数名,NPO・NGO(社会福祉協議会,香川県ボランティア協会,日本赤十字社香川支部など),行政(高松市担当者,保健所)を対象にインタビュー,および資料収集を行った.その結果,公助に当たるNPO・NGOといったフォーマルな組織による活動は,被災後速やかに連携による展開が図られ,その後の対応も順次整備されつつあったのに対し,共助に当たる近隣,コミュニティの自治会等の自主組織は,被災時にほとんど機能していなかったことが分かった.
特集・化学災害発生時の対応・処置について
Abstract:2004年は中越大震災やインド洋大津波などの大規模な自然災害に見舞われた年であった.ただ新潟県においては6400名の死者を出した1966年の阪神淡路大震災の教訓を生かせたために,地震の二次被害も少なく,死者が46名に止まったことは不幸中の幸いであった.しかし筆者の避難所救護活動の経験からも,ライフラインの廃絶した孤立都市での医療安全に関しては,ハード・ソフトともにこの10年ほとんど改善が見られなかったと言わざるを得ない.本研究では大災害時における病院・診療所・避難所などにおける医療活動が必要最低限確保できるための医療安全システムに要求されるスペックを考察するとともに,抗堪性の高い医療機器を作り上げるための基礎研究を行うとともに,バイタルサイン計測装置・避難所救急医療電子カルテ装置・診療情報伝送システムなどを開発することを目的とした.本研究はさらには最低限の供給が望まれるessential drugとその常備方法などのハード面および,緊急時医療福祉通信システムや災害時の高齢者福祉システム・医療従事者リクルーティングシステムや緊急時食料・備品の配布システムなどのソフト面に到るまで総合的な大災害時医療安全システムについての調査検討と行政と市民に対する提案に繋がるものである.
Abstract:海上保安官1053名を対象に惨事ストレスの現状と対策を検討するため質問し調査を実施し,80.0%から有効回答を得た.過去10年間に強いストレスを感じる事件事故に遭遇した者は45.6%あり,そのうち惨事体験があった者は70.3%,早期のストレス症状があった者は70.1%であった.早期ストレス症状のあった者のうち,IES-R得点25点以上の心的外傷性ストレス症状高危険者の事例率は13.0%であった.これは強いストレスとなった事件事故遭遇者全体の9.1%,惨事体験者の9.6%に相当した.IES-R得点を最もよく予測しうる早期ストレス症状項目も組み合わせを求め,9項目から構成される簡便な「惨事ストレスチェックリスト」を作成し,要注意者,要ケア者を早期にスクリーニングするためのカットオフを設定した。
Abstract:生物・化学兵器を用いたテロリズムは,多数の人々に著しい恐怖をもたらす.生物・化学兵器は強力な殺傷能力を持ち,特に生物兵器は,無臭で潜伏期がある上に,他者に感染しうる.そのため,例え実際に兵器が使用されなくとも,「使われたかも」という恐怖だけで心理的・行動的反応を引き起こしうる.したがって,生物・化学テロリズム発生時には,大衆に向けて正確・迅速な情報を伝えることが求められる.適切なリスク伝達は各自の不安緩和に有用であり,混乱や流言など,集団レベルでの心理反応をも予防しうる。
Abstract:小児期単回性外傷についてのPynoosやTerrの研究は有名であるが,本邦では犯罪事件や災害などを含めても年少児における単回性外傷の発達的研究は多いとはいえない.今回,小児科の一般外来を訪れた年少児の心的外傷事例を参照しながら,外傷性記憶や解離症状の発達的基盤を考察した.Schoreの理論的モデルにしたがうと,小児期解離は感情調節機能の逸脱を背景に起きる症状であると解釈できた.また乳幼児例に見られたstillingについてPutnamの離散的行動状態モデルとSchoreのモデルの両方から検討した.
Abstract:地震被災時に透析スタッフがスムーズに対応できるようにするためのマニュアルを作成した.内容は「状況判断」,「返血順序」,「避難時の役割」,「避難経路」の4章で構成した.「状況判断」では,状況に応じて「何も行わない」,「返血を行い待機」,「返血を行い避難」,「緊急離脱して避難」の中から一つ選択するようにした.「返血順序」では介助・誘導に人手のかからない患者から返血を行うこととした.「避難時の役割」では,各勤務帯によってスタッフの数が違うため「午前」・「午後」・「夜間」に分けて作成した.このマニュアルをスタッフ18名に熟読してもらい,理解できたかアンケート調査したところ,どの章についても7割以上の人が「理解できた」と回答した.
Abstract:震災で介護保険の居宅サービスを受けている人が避難所や施設への入所を余儀なくされ,施設が被災したことで入所者を他の施設等から受入れることが必要になった例も少なくなかった.介護保険施設及び居宅介護支援事業者に対してアンケート調査を行った.被災直後はライフライン寸断に加え,余震への不安を抱えての避難所生活は情報収集困難やネットワークシステム未整備などから利用者の安否確認にも様々な支障があった.避難所では要援護高齢者の置かれた状況の問題点や緊急入所を必要とした人の施設探し・定員超過の問題・諸サービスの計画変更などで関係者の努力による解決法と問題点が報告された.
Abstract:地震被災事業所従業員における精神的疲労の程度をフリッカーを用いて測定した.対象は13名の男女で,ヒロボー社製メピカによる点滅光源の識別周波数により分析,その際,疲労度の判定は,業者作成の疲労判定表に基づいた.結果は,疲労の5段階評価上,3.3±0.2で,健康エリアと判定された.本分析は,被災地に居住する従業員の精神的疲労を客観的に判定でき,作業管理と健康管理上,有意義であったと考えられた.
Abstract:災害看護教育計画の基礎資料とするため,災害看護に対する看護師の認識傾向を把握することを目的として,卒後1〜3年目の看護師91名を対象に,2004年6月10日〜14日の間に標記の認識調査を行った.回答数は82(回収率89.1%)であった.その結果,以下のことが判明した.1)卒後1〜3年目看護師における災害看護への認識に,経験年数による差は見られなかった.2)対象者全員が,「災害看護研修は必要である」と回答したが,日常的な心掛けや準備は,殆どが実施していなかった.3)災害看護のイメージトレーニングと同時に,危機意識を高め,災害看護への動機を促す研修プログラムを検討する必要があることが示唆された.