12時10分に緊急車両にて赤色灯点灯、サイレンをならしながら病院を出発。13時00分、発生後3時間40分後に現場に到着。13時56分、救助隊よりドクターの要請をうけ、14時25分に車両ごと地下駐車場に落下した39歳男性を救出。左下肢を圧挫傷しており、輸液確保の上救出した。次に両下腿圧挫傷の20代妊婦をエコーによる胎児管理を行いながら第二車両から救出した。その後もCSMを続けながら、長時間に及ぶ治療展開が必要と判断し、チーム編成による治療戦略をとるために兵庫県医療センターと千里救命センターの3施設のDMAT(Disaster Medicine assistance Team)に召集をかけた。16時21分、第一車両内に入り4名の生存者に対する医療管理を開始。医師による死亡確認を次々に行うことにより救助の迅速化を図った。その後、兵庫県災害医療センターチームと大阪府立千里救命救急センターチームが到着し、3施設の医療チームでの交代制を確立し、長時間に耐えうる医療展開を行った。
今回の列車事故では、現場救助隊との円滑な連携下に多施設の緊急医療班が協同してCSMを行ったことが特徴的であった。訓練を受けた医師が狭い空間(confined space)に入ることによって 1)死亡宣告による遺体搬出の迅速化と生存者への早期接触、2)生存者に対する輸液・酸素投与・精神的援助等の医療管理、3)傷病者のみならず消防職員の健康にも配慮、4)現場における救出直後の突然死の回避などに貢献できたと考えられる。
今回、済生会滋賀県病院では、テレビ報道等の情報から身伊豆からの判断で緊急医療班の派遣を決め医療救護活動を実施し、救助隊の要請で偶然にも他施設と協同して4名の患者にたいしてCSMを実施し、4名全員を救助、救命した。
今後CSMは、訓練された医療チームと消防救助隊との連携により災害現場で多く実施されていくと思われるが、その有用性と効果的な実施への提言を以下に挙げる。
などが挙げられると考えられる。
2004年10月23日(土)、午後5時56分、新潟県中越地方にマグニチュード(M)6.8の大地震が発生した。新潟県中越地震は、地方の山間部に起きた直下型大地震で、頻回の大きな余震、多数の崖崩れ、道路や河川の被害が多いことが特徴である。地震当時、中越地方には14の透析施設があり、約1300人の透析患者が治療を受けていた。地震当日、筆者の診療所では透析施設に大きな被害はなかったため、透析が不能となった周辺施設への応援要請があった。今回筆者は支援の実際について述べている。
10月24日(日)午前、小千谷総合病院の透析担当医と電話連絡ができ、被害状況や透析患者数の確認ができた。また、附属十日町診療所の状況も明らかになった。この時点で、3施設の約340人の透析治療を他施設で行う必要があると判明した。筆者の施設が中心になり患者の搬送先を決定することになった。
10月24日(日)14時頃、患者の割り振りが決定し、各施設へ連絡した。
今回のような地方山間部の地震と都市型地震では被害の種類や程度が違うと考えられるが、中越地震の経験が全国の透析施設の防災対策に役立つことを期待する。
以下、各団体を@会員数、A参加資格、B災害に関する主な活動内容、でまとめる。
(2)参加資格:保健師、助産師、看護師、準看護師
(3)活動内容
(2)参加資格:災害看護に関心のある個人
(3)活動内容
(2)参加資格:防災ボランティアとして個人登録した上で、平時から訓練や研修に参加して災害救護活動におけるノウハウを習得した者
(3)活動内容
(2)参加資格:ボランティアベースによる事前登録制度
(3)活動内容:海外の地域、特に開発途上地域における大規模な災害に対して、被災国または国際機関の要請に応じて国際緊急援助を実施する。国際緊急援助は人的援助、物的援助、資金援助の3つから成り、このうちJICAは人的援助と物的援助を担当している。人的援助は救助チーム・医療チーム・専門家チームから成り、災害の種類、被災国の要請に応じてチームを派遣する。物的援助は被災者の当面の生活を確保するためのテント、毛布、発電機などの緊急援助物質を給与する。
(2)参加資格:看護職や医師、一般人
(3)活動内容:アジア、アフリカ、中南米14カ国で、災害などにより社会から取り残されている人々への医療救護と生活状態改善のための支援を実施している。
(2)参加資格:A医師で、国内での書類選考、面接終了後にフランス、ベルギー、オランダ、スイス、スペインの5カ国の国境なき医師団に推薦され、登録・派遣される。
(3)活動内容
(2)参加資格:資格なし
(3)活動内容
(2)参加資格:なし
(3)活動内容:
トリア−ジ
(高野博子.EMERGENCY CARE 2007新春増刊 Page 152-157)【トリアージの概念】
【災害時のトリアージ】
優先度 分類 色別(区分) 疾病状況および病態 第1順位 緊急治療群 赤(I) 生命・四肢の危機的状態で直ちに処置が必要。
窒息、多量の出血、ショックの危険性が高い。第2順位 準緊急治療群
(待機的治療群)黄(II)
2〜3時間処置を遅らせても悪化しない程度。
入院治療が必要だが、生命に危険性がなく、
バイタルサインが安定している状態。第3順位 軽症群
(保留群)緑(III) 軽度の外傷、通院治療が可能な程度。
専門治療を必要としない傷害者。第4順位 死亡・重篤群 黒(IV) 生命の兆候がない。
START式トリアージの概要は以下の通りである。
気道確保すれば呼吸が確認できる→緊急治療群(赤)
10回/min以上、29回/min以下で橈骨動脈脈拍触知可能、命令反応あり→準緊急治療群(黄)【再トリアージの必要性】
2004年新潟県中越地震―(3)2004年新潟県中越地震
(鈴木正司.臨床透析 22:1499-1504, 2006)I.被害の概要
U.長岡と地区での支援活動
V.支援施設への割り振り
W.十日町地区での支援活動
V.新潟地区での支援活動
VI.各施設での対応
VII.行政の対応
IX.まとめ
災害看護・医療に関する団体の活動
(菊池志津子ほか.インターナショナルナーシングレビュー 28: 107-112, 2005)<社団法人 日本看護協会>
<日本災害看護協会>
<日本赤十字社>
また、これと同時に、全国の赤十字病院では傷病者の受け入れ態勢を整える。<国際緊急援助隊(JDR),または独立行政法人国際協力機構(JICA)>
<特定非営利活動法人 アムダ(AMDA)>
<特定非営利活動法人 国境なき医師団日本(MSF日本)>
<特定非営利活動法人 災害人道医療支援会>
<特定非営利活動法人 日本災害医療支援機構(JVMAT)>