Case Crossover Design (2)

Case Crossover Design – (2)

Relative Riskの計算の流れ

前回のコードを少し詳しく見てゆきます。

コーヒーの一時的な効果は、飲んでから1時間継続すると仮定します。Vector c には、AMIで救急外来を受診した患者さんから聞き取った、コーヒーを飲んでからAMI発症までの時間(hr)を代入します。

  • t<-c(9,1/3,3,22,6,7,12,5,0.5,24)

1年間に何杯のコーヒーを飲むかという頻度(杯/year)をfrqに代入します。今回のこの値の使い方に基づき、一般化してこのスクリプトを使用する上では、1年あたりのTransient effect time(hr)がfrqという見方の方が良いだろうと思います。

  • frq<-c(730,365,36,1820,2920,24,730,730,3650,365)

Tには、1年間は何時間かという値を入れます。今回は全症例1年を観察期間にしたので定数になっていますが、一般化する上では、評価の対象にした観察期間と理解すると良いだろうと思います。症例ごとに観察期間が違う場合はTもベクターにできると思います。

  • T<-365*24

efftimeには、AMIの発症がコーヒーを飲んで1時間以上経過していたらfalse (0), 1時間未満であればtrue(1)というフラグを代入します。Transient effect timeを1hrにしていますので、判定の条件は t>=1を使用していますが、Transient effect timeが2hrなら判定条件をt>=2にしたらよいでしょう。その際もフラグ(返り値)は 0, 1のままで結構です。

  • efftime<-ifelse(t>=1,0,1)

RRの計算

Mantel-Haenszelの計算式からRR (relative risk) を計算します

としましたので、次の式になります。

  • rr<-sum(efftime*(T-frq))/sum((1-efftime)*frq)

 

分散を求める式では

この部分をコード化すると

  • var.log<-sum(frq*(T-frq))/(sum(efftime*(T-frq))*sum((1-efftime)*frq))

標準誤差は分散の平方根で以下のようになります

  • se.log<-sqrt(var.log)
  • lo.log<-log(rr)-1.96*se.log
  • hi.log<-log(rr)+1.96*se.log
  • lo<-exp(lo.log)
  • hi<-exp(hi.log)

 

ORの計算

オッズ比は次の式で表現されますので

これをコード化すると

  • or<-sum(efftime*(T-frq-(1-efftime)))/sum((1-efftime)*(frq-efftime))

分散は次のように表現されますので(元論文のこの式の「=」の左側、var[ln(RRchm)] は、おそらくvar[ln(ORchm)]の誤植だろうと思っています)

これをコード化すると次のようになります

  • var.log.or<-(sum(efftime*(T-frq-1+efftime)*(efftime+ T-frq-1+efftime))/(2*(sum(efftime*(T-frq-1+efftime)))^2))+(sum(efftime*(T-frq-1+efftime)*(1-efftime+frq-efftime)+(1-efftime)*(frq-efftime)*(efftime+(T-frq-1+efftime)))/(2*sum(efftime*(T-frq-1+efftime))*sum((1-efftime)*(frq-efftime))))+(sum((1-efftime)*(frq-efftime)*(1-efftime+frq-efftime))/(2*(sum((1-efftime)*(frq-efftime)))^2))

標準誤差は分散の平方根で以下のようになります

  • se.log.or<-sqrt(var.log.or)
  • lo.log.or<-log(or)-1.96*se.log.or
  • hi.log.or<-log(or)+1.96*se.log.or
  • lo.or<-exp(lo.log.or)
  • hi.or<-exp(hi.log.or)

 

 

Sequence Symmetry Analysis (SSA)– (3)

問題の糸口が見えてきて

前記事で悩んでいた部分がクリアになってきました。そして、自宅SASのライセンスが切れていたという問題も解決しました。

このSASは無料で使用できてちょっとテストコードを走らせるのにはいいんですが、ビッグデータは扱えないなどの制限があります。OSIM2の巨大データも読み込めません。ただ、元データが大きくても実際の解析対象をデータを抽出して、絞ってデータのサイズを小さくすれば無料SASでも十分データ集計ができます。とりあえず、抽出した後の、_drug  _conditionのデータからスタートです。こんな感じのSASスクリプトを実行しました。

SASの実行結果

これは、基本的に他人様の書いたスクリプトなので、この結果が正解だろうという前提で提示しています。

自作のスクリプトで実行…おやっ?

で、同じデータを自作のスクリプトでも実行。自作スクリプトはSQLで集計して、統計的な集計はRで実行、と言う2段構えにしました。データ集計はSQLが快適で良いのですが、F分布の確率密度関数の扱いがSQLだけでは私が苦手なので、データを出力してRスクリプトを実行しました。初めからRでデータ集計をしたら良いのでは?と思うかもしれませんが、Rは大きなデータをデータフレームに入れようとすると、全部オンラインメモリに読み込もうとするのかメモリを食うわ、何かデータのコピーを繰り返すのかスピードが落ちるわ。しまいにはゲロはいて死んでしまいます。ですので、仕方なしにこんなことしています。で、次が実行結果です。

ASR_UCI, ASR_LCIの値が、SASの出力と微妙に一致しません。今回はすぐ気付いたけど、実は当初悩んでいたのも、この問題だったりして。

この状況は以前にもあった

上手のASRやNSRの出力を見て気づきました。以前と同じ失敗をやらかしてしまったようです。windowsのコントロールパネルの言語設定の追加の設定

の数値タブの小数点以下の桁数を増やします。

気を取り直して再チャレンジ

データを読み込みなおして、気を取り直して実行です。

これなら、SASの正解と一致します。めでたしめでたし。

SSAの理解も深まってきたし、これで集計する道筋がついたぞ。

 

Sequence Symmetry Analysis (SSA) – (1)

はじめに

以前Sequence Symmetry Analysis (SSA) がイマイチうまく算出できないという話を書いて、そのまま放置していましたけど、ここの所American College of Physiciansで新しいプロジェクトを開始するという件が、いよいよ動き出すことになってその準備が佳境に入ってきています。先週は、平日に会社を1日休んで準備にあてていました。勤労感謝の今日もかなりの時間をその準備に使っています。旗振り役の某大学の先生とも電話で打ち合わせしましたが、彼女は勤労感謝の今日も休日出勤で一日中病院にいらしたという事で、それでも、学会のプロジェクトの仕事もされていたようです。そうまでして、こういうプロジェクトをしようと言うバイタリティには脱帽です。わたしも、ACPのプロジェクトが忙しくなってきたので他の事はぼちぼち進めます。

本題の入り口

SSAについて、まずは日本語の資料から少しずつ読み解いてゆこうと思います。粗順序比は難しくないので、元資料でよいとおもいます。悩んでいるのは、無効果順序比の集計の説明パートから。

まず、ここで疑問が発生。ここに至る前段階で「調査期間中に新規にAとBが発生した患者」を選択しているので、この定義だと、必ずN=nになります。Nとnを分けて記述する意味があるのか? あるとして、いったいどういう事だろうか。

次に、aを求めるところで、分母にxについての∑があるので、観察期間人数の情報になると思うのだが、それを人数nの次元で割って確率になるのだろうか? 分母にも観察期間人数の次元のデータを以て来なくていいのだろうか?

この点を原著に戻って確認しないと、コード化できない感じです。つまり、入口の理解でつまずいていることが確認できました。

(つづく)

self-controlled case series (SCCS) – (2)

前回のおはなし

1. SCCSを再び

SCCSを自分なりにもう一度噛み砕いて計算の流れを納得した上で、それが間違っていないことを確認したいというのが目的再び挑戦です。前回使用した他人さまの書いたプログラムを参考に、計算の細かい考え方がわかったところで、もう一度どういう計算が必要かを考えています。始めは写真のような、手書きのスケッチで考え方を整理。

2.R→SQL

他人様の書いたRスクリプトを、SQLで表現しなおして、中間テーブルのデータを比較。結果を出力すると、正しいスクリプトだと38行になるところが、今回作成したスクリプトでは39行に?観察期間外にワクチンが接種された患者さんがいることを考慮した例外処理を含め忘れていました。

そんなこんなで、例外処理をするスクリプトを加えた結果が次の写真です。logの有効桁数が違うけどそれ以外内容は同じになりました。

 

3.  中間テーブルは一致したが…

上の通り、中間テーブルは一致しましたが、オッズ比が一致しません…そんな馬鹿な?しかも、だいたい同じくらいになるんだけど、微妙に不一致。

自分の集計結果:

論文の集計結果:

 

4.桁数が減っている???

いろいろ調べていると、SQL出力をcsvファイルにして、それをRに取り込んだところでデータの桁数(小数点以下)が減っています。元々小数点以下6桁あったはずなのに、2ケタに丸められています。何でこういうことになるのでしょうか? 読み込むRのread.csv関数の設定か? はたまた、読み込んだ後にdata.frameにするところで、宣言しなくてはいけないのか?

5. SQLの集計の出力がおかしい

結局読み取り側の問題ではなく、書き出しに問題ありでした。書き出しの際には、Windowsのコントロールパネルの言語設定のところから桁数を2 -> 6 と大きくすることが必要だということです。

 

6. めでたしめでたし

ちゃんとSQLのデータを吐き出すことに成功し、読み取って計算すると、論文のデータと一致しました。だいぶ理解が深まってきたぞ。

スクリプトはこちら

Letterを書くことについて

Letterを書くメリット

この記事は、以前私がqiitaで公開していた記事とそのコメントをまとめて、このHPに移動したものです。

Letter to the editor, correspondence, short communication等は考えたことを出版するにはよい選択肢である

  • 第一に、通常の論文より出版される機会が高い
  • 第二に、通常、タイトルが付いた学術雑誌の記事として索引されるので、文献検索システムで検索できる

Letters to the editor merit your consideration as a publication option:
– first, because letters and short pieces stand a better chance of being published than longer articles,
– and second, because published letters to the editor generally are titled and indexed, thus making them retrievable as articles in the journal.

Reference: LaVigne P. Letters to the editor. In: Taylor RB, Munning KA, eds. Written communication in family medicine. New York: Springer-Verlag; 1984:50.

Types of Letter

Letter to the Editorにはさまざまな型のものがある。

1. Attaboy (よくやった、でかした)

“I would like to congratulate Dr. Dellinger for anexcellent overview of cardiovascular management of septicshock.” で始まり, “This is a very useful clinicalreview in the management of a condition with a high mortalityrate, and I would certainly use this decision tree in my clinicalpractice”と結ぶようなレターの例がないわけではないが、その領域で名の知れた専門家でない限り、一般の研究者・医師がこの型のレターを投稿しても、紙面を割いてもらえる機会はあまり期待できないだろう。
Rererence
Pravinkumar E. Letter: cardiovascular management of septic shock. Crit Care Med 2004;32(1):315

2. New Idea to Add

記事で述べられた知識をもとに、さらに議論を深めたいと思うことがあるだろう。糖尿病性足潰瘍の治療について述べられた記事に対して、2人の読者が“An effective adjunctive therapy for wound debridement that was not mentioned is maggot therapy”としてレターを投稿した。
糖尿病性足潰瘍に対するうじ虫治療の効果について、私は詳しくないが、6報の文献を参照しその科学的根拠を示していることに加え、その治療法を2名の読者が指摘するという点がその意義を支持している。
Rererence
Summers JB, Kaminski J. Letter: maggot debridement therapy for diabetic necrotic foot. AFP 2003;68(12):2327

3. Disagreement

記事に反対意見を表明する読者もいる。不妊患者のボディマスインデックス(BMI)と妊娠第一期の転帰について議論した記事に対して、2人の読者が“The authors finally concluded that outcome of singleton pregnancies in patients with infertility was not influenced by BMI. We disagree with these results”とレターを投稿した。
この場合も、複数の読者が反対意見を表明しているという点が一般性を支持している。もし、本当におかしな結論を導いている記事があれば、反対意見を表明するのは重要なことである。
Reference
Bellver J, Pellicer A. Letter: impact of obesity on spontaneous abortion. Am J Obstet Gynecol 2004;190:293

4. Statement of Concern

家庭の銃器と殺人・自殺のリスクを調査した疫学調査(ケースコントロールスタディ)の記事に対して、1人の読者が著者の主張(と編集者)に対して疑問を投げかけた。“I doubt the Annals’ editorial board would have published without commentary an article by a pro-gun organization purporting to defend gun ownership. The author’s affiliations with anti-gun ‘research’ groups are no less compelling an argument for bias”このレターと同じページに「銃所持反対」の著者によって書かれたという申し立てとともに掲載された。
今であればconflict of interestで明記すべき内容かもしれないが、銃所持支持団体が銃のリスクを論じる文献を投稿したのであれば、バイアス懸念されるのは当然のこと。ただ、COIに明記されているのであれば、あえて懸念があると指摘することはほとんど意味がないだろう。
Reference
Fritz DA. Letter: lies, damned lies, and statistics. Ann Emerg Med 2004;43(1):141

5. Sounding Off(主張)

特に記事を引用することなく、主張を述べる、一種の論説。”Medicine is not exact, and bad outcomes happen. The notion that physicians can follow a formula and avoid successful litigation is false”
確かに、医療は完全ではないので、悪い結果が出ることはあるもので、マニュアルに従っていれば訴訟を避けられるというのは嘘だろう。依頼されていない”Sounding Off” レターはタイムリー的を得た内容で、うまく叙述されていなければ掲載されないだろう。特に著者が無名の場合には。
References
Grant DC. Letter: I don’t want to hear about the “standard of care.” Ann Emerg Med 2004;43(1):139

6. Gotcha(捕まえた)

元記事に重要な事実の誤認~特に患者の治療方針にかかわるような誤認~があった場合に、指摘されれば掲載される見込みが高いだろう。痛風に対する低用量コルヒチンについての記事に対して、薬剤師が次のような指摘がなされた。“discussed the use of low dose colchicine in gout. The treatment dose of colchicine, which has remained at 1 mg initially, followed by 500 mcg every 2-3 hours for many years, should be reviewed. However, they are incorrect to say that the current BNF (British National Formulary) recommends a regimen for colchicine that is unchanged since the 1966 edition. In September 1999 the BNF reduced the total dose of a course of colchicine from 10 to 6 mg. Before 1981 the BNF did not even state the higher limit of 10mg” ガイドラインの記述を元記事の著者がちゃんと押さえていなかったのは、元記事の著者らの確認不足です。きちんと指摘してあげましょう。ごっちゃんです!
ちなみに、この”Gotcha”、英語版でpokemon goをプレイしている人にはポケモンを捕まえた時に出る言葉としておなじみだろう? 論文で重要な事実の誤認に気づくことは「ポケモンゲットだぜ!」みたいな、感覚で指摘して見ると良いだろう。
References
Cox AR. Letter: colchicine in acute gout. BMJ 2004;328:288

7. Transformed Research or Case Report

Letterの項に症例報告や原著に値する内容が掲載されることがある。おそらく原著として作成された原稿がいくつかのピアレビュージャーナルでrejectされ、そのうち編集者が短いレターにまとめるなら掲載できるかもしれないと持ちかけたのではないか。迷いとともに原著の情報の多くは無慈悲にもカットされ、Letterになるのであった。最近では”research letter”というページを提供しているジャーナルもあり、”research letter”のページでは、語数が少ないだけで、原著と同様のピアレビューをする事が謳われているジャーナルが少なくない。

Letterを書くということ

Letter to the Editorを成功に導くのは、努力というよりはインスピレーションです。雑誌の記事を読んでいて手紙を書きたいという衝動にかられる事でしょう。たとえば、「私はこの話題について何かを知っている」とか「私が共有したい意見を持っています。」とか。もちろん、上で述べたとおり、一部のLetterは出版された記事に対してコメントするものではありません。

Letter to the Editorは、論説と雑誌のレビューを短く組み合わせた物と考えてください。論点は一つに絞るようにしてください。2つ以上のアイデアを一つの短い手紙に詰め込もうとしないでください。書く際には、ほとんどの雑誌が求める厳しい語数の制限内に収まるように、一つ一つの単語を慎重に選択する必要があります。直観的な衝動に従って書き始めたとしても、出版される記事としてacceptされるには、職人のように細心の注意を払って、Letter をしたためなければなりません。

編集者への手紙のほとんどは、出版された記事に対するコメントです。それらの例では、次のような一般的な構造があります。

  • Letterを各論文に狙いを定めます。最初の文章では、あなたのコメントの対象となる論文を引用してください。これは「参考文献1になります。
  • あなたがLetter to the Editorを書いている理由を述べる。あなたの同意、意見の不一致、懸念、またはその他の理由を書いてください。
  • あなたの記載した内容に対する、根拠を述べてください。根拠は、文献である場合や個人的な経験である場合があります。もちろん、学術論文に基づく証拠がベターです。
  • 要約を述べてください。上記をすべて結びつけることで結論してください。
  • 文献を引用してください。多くの場合、Letter to the Editorには参考文献の引用がいくつかありますが、それほど多くはありません。

執筆を開始する前に、まず各紙のinstructions to authorsを読んでください。通常instructionにはLetter to the Editorを投稿する際に満たすべき要件が記載されています。例えば、米国医師会雑誌(JAMA)では、「最近のJAMAの記事を議論するLetter to the Editorは、記事の発表から4週間以内に投稿すること、文章は400語以内で、参考文献は5報を超えてはならないとあります。ケース・シリーズや症例報告を含むオリジナルの研究を報告する研究論文もまた歓迎されています。その際には、文章は600語以内で、参考文献は6報を超えてはならず、表または図を1点まで含めることができます。

JAMAは、Letter to the Editorを電子的に提出することを希望しています。Annals of Emergency Medicineは書簡によるLetter to the Editorの提出の受け付けを終了しています。

Letter to the Editorは、レビュー論文と同じように提出する必要があります。つまり、タイトルで始める必要があり、レターヘッドのない、普通の白紙に、二重の間隔で原稿を作成する必要があります。Letter to the Editorの原稿は、あなたが単に編集者宛に連絡しているのではないことを示すために、カバーレターと共に送付する必要があります。あなたはその話題について、何かを述べるだけの背景があることを示すような属性について述べる必要があります。また、潜在的な利益相反についても明らかにする必要があります。

最後に:手紙で議論する記事の著者と個人的に知り合っている場合は、書くべきではないかもしれません。あなたが研究を賞賛するなら、友情があることであなたのLetterは信用を損なうかもしれません。もっと悪いことは、研究を批判すると、あなたのコメントは個人的な攻撃として解釈される可能性があります。

Reference
Journal of the American Medical Association. Instructions for Authors. Available at: http://jama.ama-assn.org/inora_current/dtl.

/谷本先生から戴いたコメント/

臨床試験に関する書簡では、実際に臨床応用する場合の限界に着目し議論を進めると、採択の可能性を高めることができるでしょう。例えば、臨床試験の多くは合併症のない若年者が選択される場合がほとんどですが、実臨床では高齢者や臓器障害を有する患者に多く遭遇します。そのため、臨床試験から得られた知見をそのままの形で用いると問題が生じ得ます。編集者、さらには読者の内在的論理を的確に捉えた上で、彼らにとって、ひいては患者にとって有益な議論を構築して行くことが推奨されます。

/* 参考資料1 */

/* 参考資料2 */

 

self-controlled case series (SCCS)

はじめに

ここの所注力してきた仕事が一段落して、この週末は良い具合に一息つけます。

さかのぼること数か月、今後使うかもしれない、自分にとって新しい手法を試しておこうと、 Sequence Symmetry Analysis (SSA)をやってみたんだけど、これがイマイチ。何がイマイチって、製薬工業協会のホームページにSASのプログラムが公開されていて、それを見ながらやっているんだけど細かい数字が合わない。結果はだいたい近いところまでは行くんだけど、何か織り込むべきアイディアが足りないのか。ちなみに、作成にかかわったタスクフォースの方々の名誉のためにもう少し書いておきますと、この公開されているプログラムがおかしいというのではなく、まず、他人の書いたプログラムから、何がなされているのかというのを読み解くのはとても難しい作業で、このプログラムを参考にして、何がされているのかを読み取って、そのうえで自分にとってわかりやすいように書き換えるので、おかしなことが起きているのです。おそらくNull effect sequence ratio, NSRの計算のところがキモなのではないかと思いつつ、しばらくこちらは放置して頭を冷やすことにしていました。。

Self-controlled case series (SCCS)

SCCSとは?

同じself-controlledデザインのSCCSを試してみます。原理はこのスライド2ページ目。当時PMDAで東大epistatの竹内 由則さんが学会発表したスライドからです。

 

データ

データが公開されているので、手法を試すのにちょうどよいということで、試してみるのは、この文献Whitaker HJ, Farrington CP and Musonda P. Tutorial in Biostatistics: The self-controlled case series method. Statistics in Medicine 2006, 25(10): 1768-1797.に出てくるMMRワクチン後の髄膜炎。Table 2にOxford dataとして提示されています。

indiv eventday start end exday
1 398 365 730 458
2 413 365 730 392
3 449 365 730 429
4 455 365 730 433
5 472 365 730 432
6 474 365 730 395
7 485 365 730 470
8 524 365 730 496
9 700 365 730 428
10 399 365 730 716

データは10例ですべて。観察したのは、全員生後366日から730日。データのカラムstart, endは観察期間の開始を生後の日数で示しています。 exdayがワクチン接種の日、eventdayが髄膜炎と診断された日、で、これも生後の日数で示しています。
元論文では、at risk 期間をmumps virusのreplicationにかかる期間に基づいて、shotから15 – 35日後と設定しました。(元文献のTable 2では、ワクチン接種日は「pre-riskから14を引いた日」になります。ワクチン接種から14日目までがpre-risk, 15日目からがat-riskという考え方だと思います)ダウンロードしたデータにはワクチン接種日がexdayとして入力されていますので次のようにpre-risk(ex1), risk end (ex2)を計算します。設定したat riskの期間によってはスクリプトを触るべき個所がココということになります。

ex1 <- dat$exday + 14
ex2 <- dat$exday + 35

観察期間中のすべての日を、at riskの期間かどうか正確に分類したいので、ワクチン接種が331 – 715日のワクチン接種歴を要求した(原文)ということです。case #10は、716日にワクチンを摂取していますが、潜伏期間が観察期間終了後まで継続しますので、結果として観察期間中にat riskの期間がありません。

データをグラフィカルに提示している図があったので、引用。灰色の期間がat riskの期間。そして、547で線が引いてあるのは、ここで年齢層を分けて調整因子として使用しているので、それを示すつもりで線を入れたのでしょう。(例示として示した図の中には、年齢層をまたぐリスク期間を有している症例が出てこなかったので、何を説明したくて547日で線を入れたのかわかりにくくなっていますが。)366 – 547 を1層、548 – 730を2層にしています。観察期間中にイベントが発生したら、それ以降は観察期間にしないというような操作を通常行いますが、この集計では、そうではありません。全体の観察期間を集計して、イベントがどの期間に発生したかというような思想で集計するようです。

年齢層をプログラムしているのはここです。

age <- c(547)

#age groups
agegr <- cut(cutp, breaks = c(min(dat$start), age, max(dat$end)), labels = FALSE)
agegr <- as.factor(agegr)

 

 

論文の結果

論文の結果が次の通りで、

自分でも計算

自分で実行した結果が次。めでたく、結果が一致していました。めでたしめでたし。

おわりに

実行したRのスクリプトがこちら。実行に当たっては私の環境に合うようにOpen Universityのホームページのスクリプトを一部改編しました。実行結果が論文で提示されていたものと一致するので、悪くはないだろうと思います。これでまた、新たな手法を用いたいろいろな評価ができる道筋が付きました。(つづく

Play Visual Recognition of IBM Watson

こちらのページで、IBM Watsonで誰かが学習させた画像認識をとりあえず試してみました。

<https://visual-recognition-demo.ng.bluemix.net/>

  1.  牛。まずは、こちら。自信を以て正解を出しています。
  2. 次は、お台場の自由の女神。これも何が写っているのか正確に答えています。
  3. つぎはこちら。食事をする場所だという事、それぞれのヒトの性別や年齢もおおむね妥当。(私は少し年上にみられていましたが)でも、一人認識されていませんね。
  1. ちょっと、意地悪してこちら。場所のロッカールームはおまけで正解。写っているのは「執事」ですか?

 

Formatting for the Lancet

Formatting for the Lancet

物は試しというレベルですが、リサーチの結果をthe Lancetに投稿しようとして原稿をフォーマットし直しています。(この作業、たとえば初回のスクリーニング時点では自由フォーマットにするとか、あるいは、各誌で打ち合わせた基本フォーマットを定めてどこの雑誌も同じフォーマットで受け付けるとか、なんか簡素化できないものかとも思いますが)

え?小数点を中ぽちに?

次がformatting guidelineの一部です。<http://www.thelancet.com/pb/assets/raw/Lancet/authors/tln-information-for-authors.pdf>

なかなか厄介なリクエストです。大変多くの数字(ほとんどは小数点を含む)が本文に出てきます。ところが、いわゆる小数点は文末のピリオドと同じ記号を使用していますので、単純にピリオドを中ぽちへ全部置換すると今度は文末のピリオドも中ぽちになってしまいます。

ワイルドに行こう

こういう時はワイルドカードを使用した置換なのですが意外に苦労しました。ワードのワイルドカードを使用した特殊文字への置換と言う技を普段使用していないので要領が解りません。ですので、どうやったかを記録します。

「・」が出てこないじゃないか

the Lancetのformatting guidelineに記載のあるAlt+0183では「・」が出てきません。wordの置換の説明を見ますと、置換後に特殊文字にする場合は「^183」のような記載をするらしいのですが、これだとなぜか置換後は半角カタカナの「キ」になります。仕方ないので、まずは記号を特殊文字のパネルから探してクリップボードにコピーです。

ワイルドカード

で、いろいろ工夫すると次のようになりました。まず、検索・置換画面のオプションで「ワイルドカードを使用する」にチェックを入れます。検索対象を()でくくることで、それを置換後に使用する際に、\1とか\2とかで(その塊)はそのままという扱いができるようです。数字は何個目の塊かを示します。一応これで数字に囲まれたピリオドを、中ぽちに置換することができます。今回はR version 3.3.3とかいうのも中ぽちになりましたが、そこは許しましょう。

Voting Best Solist

NHK交響楽団の定期公演での演奏を対象にしたファン投票をやっています。今年の心に残ったソリストには、海外とかから召集されたアーティストではなく、1月の定期公演で情緒豊かなソロを聴かせてくださった、イングリッシュホルンの池田昭子さんを選びました。

<http://www.nhkso.or.jp/news/19095/>

改めてどんな方かyahoo!で調べてみましたところ、ネットには多くのファンが存在している模様です。経歴もご立派ですし、のだめで黒木君の演奏の吹き替えをされていたと。ダブルリードのヒトに対する私の一般的なイメージで、いつもリードを削っているような印象を持っていますが、この方のインタビューもリードの話題が占める割合が多いです。(10年以上前の記事なのでお若いころの写真が載っています :-)

<https://www.nhkso.or.jp/library/interview/639/>

 

Dutoit

NHK交響楽団定期演奏会 Charles Dutoit指揮NHK交響楽団で、ストラヴィンスキー作曲「スケルツォ」、サンサーンス作曲ピアノ協奏曲「エジプト風」、ストラヴィンスキー作曲「火の鳥」全曲。

Annals of Internal Medicine

本日2017年12月5日発行のAnnals of Internal Medicine誌に、投稿した記事が掲載されました。インパクトファクターの高いジャーナルですので、なかなか得難い名誉なことです。
<http://annals.org/aim/fullarticle/2664837/comparative-effectiveness-routine-invasive-coronary-angiography-managing-unstable-angina>

Self-Controlled Case Series – additional info

知り合いの方から、Self Controlled Case Seriesのグーグル検索でObservation Islandのサイト<https://plaza.umin.ac.jp/~OIO/blog/2017/09/28/self-controlled-case-series-sccs-2/>がかなり上位に表示されている、スゴイ、という話を伺いました。このキーワードで検索される1000万件以上のサイトのうちの1ページ目に表示されるという事で、名誉なことらしいです。検索してみると、確かに1ページ目に表示されました。(self controlled case seriesについて書いている人が少ないだけではないかという気もしないでもないですが)