Sequence Symmetry Analysis (SSA) – (2)

どこでつまずいていたのか

前記事の続きです。入り口でつまずいていると言うことでした。仮想の症例集団を作って何を悩んでいるかを書いてみます。

上の図の例では、調査期間中に薬剤Aを新規に使用した患者数 n = 3 です。ここは、問題ありません。とりあえず、この点の解釈に関係のないイベントは表示しません。Aの文字があって灰色の四角が伸びているところが薬剤Aの使用を示します。

悩みどころの元資料の文言です。

ここで、誤解したのが、日本語の資料に記載された「調査開始x日目における薬剤Aの新規に使用した患者数 nx」です。私はじっくり何回読んでも、日本語として落ち着かない感じがします。この言葉を私なりに普通に解釈すると”調査開始x日目に薬剤Aが新規に使用された患者数、つまり nx = 3”になります。調査期間中に薬剤Aが新規に使用された患者のうち、x日目に使用されていた患者数、と読み替えてしまいます。この解釈が誤りであるのは原著1を読むと一目瞭然です。

(原著では薬剤AではなくAD( antidepressant; 抗うつ薬)、x日目ではなくindex dayで説明されています) number of persons presenting their first antidepressant prescription on index day  日本語にするのであれば「調査開始x日目に薬剤Aが初めて処方された人数」つまり図の例ではnx=1です。

ライティングの問題?

「使用する」というと、患者が服用していることも「使用する」だし、医師の立場からすると処方する行為も意味するかもしれません。「処方する」という具体的な診療行為を、「使用する」といういろいろな意味に解釈されかねない言葉に置き換えてしまったこともさることながら、「における」という、思考停止キーワードを用いてしまったことも指摘しましょう。(「におけるしす」も参考にしてください。「白衣を脱いだらみな奇人」―平盛 勝彦

(つづく)

References:

1.
Hallas J. Evidence of depression provoked by cardiovascular medication: a prescription sequence symmetry analysis. Epidemiology. 1996;7(5):478-484. [PubMed]

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