先日の記事でBCPNNは、WHOが使用しているシグナル検出方法だ、というようなことを書きましたが実はWHOは少し軸足を別のものに移してきています。その名前はvigiRank。1,2
vigiRankとはどういうものでしょうか。まずは、説明です。3
vigiRank is a data-driven predictive model for emerging safety signals. In addition to disproportionate reporting patterns, it also accounts for the completeness, recency, and geographic spread of individual case reporting, as well as the availability of case narratives. Previous retrospective analysis suggested that vigiRank performed better than disproportionality analysis alone.
曰く、新興安全性シグナルを検出する、データ駆動予測モデル。不均衡な報告パターンに加えて、個別症例報告の以下の点を考慮する。
- 完全性 4(具体的には性別・年齢・被疑薬の使用理由・投与開始日・イベント発現日・narrative・dechallenge rechallenge情報や転帰情報の有無を織り込んだ指標)
- 最新性 (文献では直近3年の報告の件数(割合?)が示されていました)
- 地理的な広がり (文献では複数国からの報告が例示されていました)
- 病歴が入手されているか(定型文や断片的な情報は未入手扱い)
単純なdisproportionality分析より優れたパフォーマンスを示す可能性が示唆されている。
使うパラメータが増えた分利用できる症例数は減りそうです。次の動画の最後の方で紹介されています。この演者は全体にわかりやすいはっきりとした発音なのですが、WHOを「ダブリュエイチオー」ではなく、「フー」と発音しているので聞き落しなく。
PROTECT imi efpia statistical signal detection
<http://www.imi-protect.eu/documents/PROTECTSymposium-Tutorial-Statisticalsignaldetection-UMC.pdf>