FDAはCOVID-19流行下でのガイダンスを公開
対象
治験依頼者・治験責任医師・IRB
公開日時
2020年3月18日
背景
新型コロナウイルスCOVID-19による感染症が蔓延しつつある。
コロナウイルスに試験施設の人員の感染や被験者の感染などが発生した場合、試験施設の閉鎖、移動制限、治験薬のためのサプライチェーンの障害などが生じうる。このような場合には、プロトコールの変更は避けられない。
COVID-19による影響は、試験中の疾患の特徴、試験デザイン、試験が実施されている地域など多数の要因によって起こりうる。
推奨事項
- GCP順守を維持し、臨床試験の完全性を損なうリスクを最小化しながら試験参加者の安全性を確保すること
実施中の試験
代替プロセスの実施は可能な限りプロトコールと一致しているべきであり、治験依頼者及び治験責任医師は、実施した不測の措置の理由を文書化すべきである。治験依頼者及び治験責任医師は、COVID-19に関連した制限が、どのように試験実施の変更とその変更の期間につながったのかを文書化し、どの試験参加者が影響を受けたのか、どのように影響を受けたのかを示すべきである。
試験の評価については、電話連絡やバーチャルな訪問などで代替できる方法により実施、また、もはや治験薬や試験サイトにアクセスする必要のない参加者には追加の安全性モニタリングを実施すること
試験の受診スケジュールの変更、欠席、または患者の中止は、情報の欠落につながる可能性がある(例えば、プロトコールで指定された手技の場合)。症例報告書には、欠落したプロトコール指定情報(例えば、COVID-19による試験受診の欠席や試験中止など)のCOVID-19との関係を含め、欠落したデータの根拠を説明する具体的な情報を記載することが重要であろう。臨床試験報告書にまとめられたこの情報は、治験依頼者及びFDAにとって有用である。
臨床現場での予定された診察に大きな影響が出る場合、通常、自己投与で配布されているような特定の治験薬は、代替の安全な投与方法を利用することが可能であるかもしれない。通常、医療環境で投与される他の治験薬については、代替投与(例えば、訓練を受けているが研究者以外 の職員による訪問看護や代替施設など)の計画についてFDAの審査部門に相談することが推奨される。いずれの場合も、治験薬の説明責任を維持するための既存の規制要件は依然として残っており、これに対処し、文書化すべきである。
有効性評価については、可能であれば、バーチャル評価の利用、評価の遅延、研究特異的検体の代替採取等、有効性評価のプロト コルの変更について、適切な審査部門との協議を行うことを推奨する。有効性評価項目が収集されなかった個別の事例については、有効性評価を取得できなかった理由を文書化する(例:COVID-19 によ る具体的な制限事項を明らかにし、プロトコールで指定された評価を実施できなかった理由を明らかにする)。
開始前の試験
治験依頼者、治験責任医師、及び IRB は、試験実施施設における COVID-19 対照措置の結果として試験が中断される可能性がある場合に、試験参加者を保護し、 試験の実施を管理するために使用するアプローチを記述するための方針と手順の確立と実施、又は既存の方針と 手順の改訂を検討すべきである。方針と手順の変更は、インフォームド・コンセントのプロセス、試験の訪問と手順、データ収集、試験のモニ タリング、有害事象の報告、及び渡航制限、検疫措置、または COVID-19 疾病そのものに起因する治験責任医師、治験実施施設のスタッフ、及び/またはモニターの変更への影響に 対処しうるが、これらに限定されるものではない。方針と手順は、COVID-19の管理と管理のために適用される(地域または国の)方針に準拠しているべきである。上記の変更の性質に応じて、適用される規則の下でプロトコルの修正が要求されることがあります。
以上は一部抜粋の情報です。詳細はオリジナルをご参照ください。
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各施設での対応状況(5月14日付)