■構造と機能 | │間脳 Diencephalon│ ←→伝導路 |
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「thalamus」はギリシャ語の「thalamos」に由来し、古代ギリシャ家屋の奥まった部屋(私室、寝室)という言語で、新婚夫婦の床とか花嫁の寝椅子といったなまめかしい意味もあるようだ。(ほ乳類では、脳の最も奥深くにあるが脳室ではない。) | |
AD2C | Claudius Galen (Galenus)(P 131-201、ローマ時代の名医)が「視床 thalami」を命名した。しかし,Galenがギリシャ語でthalami(thalamosの複数形)と名づけたのは視床より後方で、視神経の起始部と考えられた脳室の側方のようだ。彼は「精神の座は脳室にあり、そこに貯えられた精神精気 psychicon pneuma(ギリシャ語)=spiritus animalis(ラテン語)が視神経を通って眼に送られて視覚が生じる」と考えた。 |
1664年 | Thomas Willis(P 1621〜1675, ロンドンの開業医でチャールズ2世の侍医、解剖学者)が、「Anatomy of the brain, with adescription of the nerves and their function」を著し、視床・レンズ核・線条体などを命名した。「thalami」という用語はすでにGalenが使っていたが、視神経が終わる視覚路の重要な部位だとされてきた。Willisは、「Thalamus opticus(=視室)」という用語を使い、その後視床後部の外側膝状体以外は視覚路とは関係がないことがわかり、opticusが外されてthalamusだけになった。 |
1774年 安永3年 | 杉田玄白(P 1733 享保18年年〜1817 文化14年、蘭学者)らが、オランダの医学書「ターヘル・ アナトミア:解体新書」を翻訳した。その中に、視床の記載もあり、「gezigt-zenuw-kamers(=thalamus nervosum opticum)」を「瞳神経室」と訳していた。 |
Wilder Graves Penfieldらがてんかん患者の大脳皮質を電気刺激しても、まれにしか痛みの感覚の訴えがなかったので、「痛覚中枢」の探索がなされた。 | |
1920年 | Henry Head(P 1861〜1940, イギリスの神経学者)は、「痛覚中枢」は視床に存在し、皮質はそれに対して抑制制御を及ぼしていると提唱した。視床症候群は、血管その他の損傷によって引き起こされるものであり、視床ー皮質線維の破壊のために視床へのすべての入力を修飾を受けず、耐えがたい痛みを引き起こすと示唆した。それ以後、神経外科医は痛みを除く目的で、視床の諸核を破壊した。この手術は、当初は成功であるように見えたが、その後失敗であることが明らかになった。大きな破壊を行っても多くの場合痛みが再発し、しばしば以前より悪くなった。しかし今日では、視床の体性感覚に関係する部位や、そこから扇状に広がって内包を介して皮質に投射する線維を電気刺激すると、時には慢性痛を緩和することができる。 |
腹側基底核群 Ventrobasal complex Vb complex =後腹側核 Ventral posterior nucleus :Vp |
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後内側腹側核固有部 Nucleus ventralis posteromedialis parbocellularis :VPM | |
後外側腹側核 Nucleus ventralins posterolateralis :VPL
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posterior portion of the ventral medial nucleus :VMpo | |
尾側腹側核 Nucleus ventral caudal :Vc =Vp complex ←→Vc-DBS |
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Nucleus Ventrointermedius :Vim核 ←→Vim-tomy |
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髄板内核群 Intralaminar nucleus |
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外側中心核 Nucleus centralis lateralis :CL----前方核群
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束傍核 Nucleus parafascicularis :Pf ----後方核群
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内側下核 |
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後腹側下核 Nucleus ventral posterior inferior nucleus (VPI) |
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背内側核の腹側部 (MDvc) |
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視床背内側核 mediodorsal nucleus:MD
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正中核群 midline nculei
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視床網様核 thalamic reticular nucleus
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視床後核群
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視床前核群 Anterior nuclei of thalamus; Anterior thalamic nucleus | |
不確帯 zona incerta | |
フォレル野 campus foreli、不確帯傍野核 nuclei of perzonal fields of subthalamus |
内包 Internal capsule
内包後脚 Posterior limb of internal capsule ←→内包後脚刺激術
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(Ribary U. Dynamics of thalamo-cortical network oscillations and human perception. Prog Brain Res. 2005;150:127-42.) ◯Specific thalamo-cortical circuit
◯Non-Specific thalamo-cortical circuit |
手綱核 habenula
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手綱三角 trigonum habenulae |
視床紐 tenia thalami
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視床髄条 stria medullaris thalami |
反屈束 fasciculus retroflexus
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手綱交連 commissura habenularum ←→交連線維 |
Pain Relief |