Pain Relief痛みと鎮痛の基礎知識
 私たちには痛みがあるので、身体の損傷に気がつくことができる。 
 しかし痛みを放置すると、さらに治療が困難な慢性痛に陥るので、
 痛みを我慢してはいけない!
 多くの患者さんが痛みに苦しんでいるので、
 「鎮痛の研究」は望まれているに違いない。
 痛みからの開放のためには、まず「痛み」を知ることも重要であろう。
増補改訂新版 痛みと鎮痛の基礎知識、技術評論社
[技術評論社 *]

定義-IASP
(WEBの目的)
痛みとは
反応
物質
■構造
伝導系
細胞の
抑制系
研究法
様々な痛み
 ↓↑
鎮痛法
歴史年表
基礎の基礎
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研究者
学生用>*
横田先生

ノート
統計
論文英語

■ IASPのPainの定義 →IASP Terminology ←→ペインクリニック学会用語集

 2020年の定義 1/2/3 (日本疼痛学会 1
    IASPは41年ぶりに、痛みの定義を改訂した。 @terminology@history
    An unpleasant sensory and emotional experience associated with, or resembling that associated with, actual or potential tissue damage.

    Six key notes and etymology:
    • Pain is always a personal experience that is influenced to varying degrees by biological, psychological, and social factors.
    • Pain and nociception are different phenomena. Pain cannot be inferred solely from activity in sensory neurons.
    • Through their life experiences, individuals learn the concept of pain.
    • A person’s report of an experience as pain should be respected.
    • Although pain usually serves an adaptive role, it may have adverse effects on function and social and psychological well-being.
    • Verbal description is only one of several behaviors to express pain; inability to communicate does not negate the possibility that a human or a nonhuman animal experiences pain.
      Definition of Pain Task Force

    実際の組織損傷もしくは組織損傷が起こりうる状態に付随する、あるいはそれに似た、感覚かつ情動の不快な体験

    付記
    • 痛みは常に個人的な経験であり、生物学的、心理的、社会的要因によって様々な程度で影響を受ける。
    • 痛みと侵害受容は異なる現象です。感覚ニューロンの活動だけから痛みの存在を推測することはできない。
    • 個人は人生での経験を通じて、痛みの概念を学ぶ。
    • 痛みを経験しているという人の訴えは重んじられるべきである。
    • 痛みは通常、適応的な役割を果たすが、その一方で、身体機能や社会的および心理的な健康に悪影響を及ぼすこともある。
    • 言葉による表出は、痛みを表すいくつかの行動の1つにすぎない。コミュニケーションが可能でないことは、ヒトあるいはヒト以外の動物が痛みを経験している可能性を否定するものではない。

  • Milton Cohenらの痛みの再定義の提案(2018年) (Cohen M, Quintner J, van Rysewyk S. Reconsidering the IASP definition of pain. PAIN Reports 2018. *
  • Cohenらの主張に対してのRolf-Detlef Treedeの解説と反論 (Rolf-Detlef Treede. The International Association for the Study of Pain definition of pain: as valid in 2018 as in 1979, but in need of regularly updated footnotes. Pain Rep. 2018 Mar; 3(2): e643.*
  • Definition of Pain Task Force: Chair:Srinivasa Raja, USA
     Dan Carr ,USA, Milton Cohen, Australia, Nanna Finnerup, Denmark, Herta Flor, Germany, Stephen Gibson, Australia, Francis Keefe, USA, Jeff Mogil, Canada, Matthias Ringkamp, USA, Kathleen Sluka, USA, Xue Jun Song, China, Bonnie Stevens, Canada, Mark D. Sullivan, USA, Takahiro Ushida, Japan

  • 新しい定義のポイント
    1. 観察しても内省しても、組織損傷と痛みの対応が見出されない。
    2. 健康な人は不快感を伴わない純粋な痛みを経験しない。最初に純粋な感覚があるべきで、その次に、純粋な感覚に不快感のような情動的価値を付与する精神的価値判断が続くとする。