575年 | コーヒー起源ーキリスト教説:エチオピアの羊飼いKaldi(Khaledi)は、羊の群れが夜中に野生の赤い木の実を食べて、興奮して跳ね回っているのを見た。不思議に思ったKaldiは、その赤い木の実を口にした。するとすぐに気分が爽快になり、全身に活力がみなぎる効果が得られたことから、仲間にも急激に広がったという説がある。 |
1258年 | コーヒー起源ーイスラム教説:イスラムの僧Sheik Omarは、イエメンのMokaで王女を祈祷によって病気から救ったが、王女に恋したことから王の怒りを買ってアラビアのOusabへ追放になってしまった。食べるものもなく、あてもなく山中を歩いていると美しい小鳥たちが赤い実をついばんでいるのに気がついた。その赤い木の実をとって、煮出してそれを飲んでみると、疲れや飢えが一気に取り除かれた。その後、その汁を病人に配り、何人もの病人を救ったことから、聖人となった。 |
AD10C頃 | Avicenna(P 980〜1037年, 「アラビアの医学の最高峰」、アラビアのガレン)はコーヒーの具体的な飲用法を書き残してた。 |
1100年 | イスラムの導師たちの間で、コーヒーが眠気覚ましとして使われていたらしい。彼らはこの不思議な木の実及びその煮汁に「Qahwa’カフワ)」と呼び、それが「コーヒー」となったとも言われる。カフワとはアラビア語で「欲望を払うもの」「昂奮させるもの」を意味する言葉であり、本来は食欲・睡魔などの欲望を抑えるものすべてを差す。コーヒーが「カフワ」の名を独占する前は、主に白ワインが「Qahwa」の名で呼ばれていた。 |
1454年 | 聖職者の秘薬だったコーヒーが、聖者ゲマルディンによって一般公開された。 |
1517年 | オスマントルコのセリム1世がエジプトを征服し、コーヒーをイスタンブールに伝える。 |
1530年 | 史上初のコーヒーショップがダマスカスに開店した。 |
1554年 | コーヒーハウス「カーネス」がイスタンブールに開店をした。 |
1609年 天正14年 | 平戸に和蘭商館が開設され、コーヒーが伝えられたと言われている。 |
1640年 寛永18年 | 和蘭商館が平戸から出島に移され、オランダ人によりコーヒーが出島に持ち込まれることになる。 |
1583年 | Leonhard Rauwolf(ドイツ人医師で植物学者)がエジプトを旅行し、コーヒーの話を印刷物でヨーロッパに紹介した。 |
1640年 寛永18年 | 和蘭商館が平戸から出島に移された。以後に、オランダ人によりコーヒーが出島に持ち込まれることになる。 |
1672年 | Thomas Willis↑(P 1621〜1675, ロンドンの開業医でチャールズ2世の侍医、解剖学者)は臨床神経学の最初の教科書を書いた。片頭痛の治療法としてナツシロギクやコーヒー(17世紀の中ごろにオックスフォードに伝えられる)を紹介している。 |
1778- 1780年 | Samuel Auguste André David Tissot(1728〜1797, スイスの内科医、神経科医)は3巻からなる神経学の教科書「Traité des nerfs et de leurs maladies (Treatise on the nerves and nervous disorders」を書いていて、片頭痛に関する章は83ページにも及ぶ。コーヒーやカラメル、薄い紅茶を片頭痛の治療薬として薦めている。参考1 |
1819年 | Friedrich Ferdinand Runge(P 1795/2/8〜1867/3/25, ドイツの分析化学者、コーヒー好き)がコーヒーから有効成分を抽出し、「kaffein」と命名した。(Johann Wolfgang von GoetheがRungeにArabian mochaをプレゼントし、コーヒーの薬理活性成分の分離を勧めたと伝えられている。) |
1821年 | Pierre Jean Robiquet(P 1780〜1840, フランスの薬学者)が、カフェインの化学構造を決定した。(Robiquetは外にasparagine (1806)、cantharidin (1810)、narcotine (1817)、alizarin and purpurin (1826)、Orcin (1829)、amygdalin (1830), codeine (1832) なども単離している。) |
1827年 | Oudry(ウードン スイス)が茶葉からカフェイン(theine:C8H10N4O2+H2O)を抽出した。 |
1826年 文政9年 | Philipp Franz Balthasar von Siebold(シーボルト P 1796/2/17〜1866/10/18, 出島に来たドイツの医師・博物学者)は、コーヒーは長寿をもたらす良薬であると「薬品応手録」でコーヒーをすすめた。 |
1859年 | Bouchardatがカフェイン<を利尿薬として使った。 |
1864年 | Koschlakoffがカフェインの利尿作用を報告し、利尿薬としてカフェインが用いられた。→キサンチン系利尿剤 |
1899年 | Hermann Emil Fischer(1852/10/9〜1919/7/15, ドイツの有機化学者、ノーベル化学賞受賞者)がカフェインの全合成を行った |
1889年 | Sir William Richard Gowers↑(P 1845〜1915, イギリスの神経学者)が書いた教科書の中で片頭痛↑の治療に強いお茶やコーヒーやエルゴタミン↑が有効であると書いている。 |
1886年 | John Stith Pemberton(1831〜1888, 南北戦争で南軍に参戦し、敗北し負傷した薬剤師)は、1884年「French Wine Cola(フレンチ・ワイン・アンド・コカ)」を販売していたが、アトランタでアルコール販売が禁止されたのをきっかけに、ノンアルコールのコカ・トニックを開発し、Jacob's Pharmacyから頭痛のためのPharmacy Drinkとして、1杯5セントで売り出した。ワインの変わりに、コラナッツ kola nutsの抽出物(Cola:西アフリカ原産のアオギリ科の常緑木、薬用成分:コラニン、テオブロミン、カフェイン)等を配合したので、Pembertonの友人のFrank RobinsonがCoca Cola命名した。 ⇒詳細 |
1901年 | シカゴ在住の日本人科学者、加藤サトリ博士によって発表されたソリュブル(可溶性)コーヒーが、インスタントコーヒーのはじまり。1903年にアメリカで特許が与えられた。 |
1948年 | 頭痛薬のエルゴタミンの経口投与は注射に比し薬効が充分に得られなかったが、カフェインを配合することにより、エルゴタミン注射に匹敵する効果が得られたので、カフェルゴットが開発された。カフェルゴットは日本では1964年に発売された。 |
(オランダでは、コーヒーを飲む店はカフェ、コーヒーショップは