吸引反射 Sucking reflex
- 前頭葉または、両側大脳の広範な障害
- 口を軽く開かせ、上唇から口角のあたりを軽くこすり、口がとがれば陽性
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下顎反射 Jaw jerk reflex
- 反射中枢は橋
- 口を軽く開かせて検者の手指を下顎にあて、この手指の上をハンマーで叩くと、下顎が動き口を閉じる。明らかに認められれば亢進である。
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口とがらし反射 Snout reflex
- 両側錐体路障害
- 前頭葉損傷だけでなく、錐体外路系の損傷でも認められる。
- 上唇の中央を指先などで軽く叩く
- 唇が突出し、唇にしわができ、とがり口となれば陽性
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クボステーク徴候 Chvostek's sign
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ホフマン反射 Hoffmann's reflex, Hoffmann's sign ←→H波
=手指屈曲反射 finger flexor reflex
- 反射中枢はC8〜T1
- Johann Hoffmann(1857/3/28〜1919/11/1, ドイツハイデルベルクの神経科医)は1911年にホフマン反射を発見し、1922年にはH波を発見した。
- 手関節を軽く背屈位とし、検者は患者の中指末節をはさみ、母指で患者の爪の部分を鋭く掌側にはじくと、母指の内転運動が起こる。
- 最も弱い刺激によって惹起される指の屈曲反射のことであり、これによって指の屈曲が現出する場合は、反射は非常に増強しており、病的であると判断される。
- ホフマン反射が陽性であっても錐体路障害とは断定できない。
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ワルテンベルク反射 Wartenberg's reflex
=手指屈曲反射 finger flexor reflex
- 反射中枢はC6〜T1である。
- Robert Wartenberg(1887〜1956, ドイツ→アメリカに亡命)が1953年に著作 "Diagnostic tests in Neurology"(佐野圭司訳「神経学的診察法」医歯薬出版)の中で指の腹部をたたく屈曲反射誘発法を記載した。
- 前腕回外位として手指を軽く屈曲位とし、検者の示指と中指を患者の4本の手指の上に横におき、その上を叩くと母指の屈曲運動がおこる。
- 正常では欠如ないし極めて軽度である。
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トレムナー反射 Tromner's reflex
- 反射中枢はC6〜T1である。
- 手関節を軽く背屈位、手指を軽く屈曲位とし、検者の中指末節の掌側を検者の中指で強くはじくと、母指の内転運動がおこる。
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バビンスキー反射、ババンスキー反射 Babinski's reflex
- 反射中枢はL4〜S1
- Joseph Jules François Félix Babinski(1857〜1932、フランスの医師、シャルコーの弟子)が発見した脊髄反射の1つ
- 2歳未満の幼児には普通にみられる反射であるが、成人では正常時には現れない病的反射である。
- バビンスキー反射は異常な足底反射なので、「バビンスキー反射陽性」の場合「バビンスキー現象、バビンスキー徴候」とも言う。
- バビンスキー反射が現れうるような刺激を与えたときの反応を総称して、足底反射(plantar reflex)と言う。
- バビンスキー反射の手技:足裏の外側を踵から足指先にむけて針のようなものでゆっくりと強くこすり上げる。
- 正常者では、バビンスキー反射の手技により足底反射が起こり、母趾は足底内側に屈曲する。
- バビンスキー反射の陽性では、母趾が背屈する。足の親指が足の甲(足背)の方にゆっくり曲がり(拇指現象)、親指以外の四指は扇状に開くこともある(開扇現象)。
これは母趾現象または伸展性足底反応と呼ばれるものである。
- 典型的なバビンスキー反射の場合は、母趾は強直性に、しかも緩徐に伸展する。
- 2歳未満の幼児には普通にみられる反射であり、新生児の神経系異常を発見する検査としてこの反射の確認が幅広く行われている。
- 年齢を重ねるにつれ足の指が足の裏側(足底)に曲がる(屈曲)反応になる、もしくは現れなくなるが、成長後もバビンスキー反射がみられると錐体路障害が疑われる。
- 錐体路障害(錐体路徴候)を示唆するものとして信頼度が高いため、脳と脊髄を結ぶ神経伝導路である錐体路の障害が疑われる患者に対して行う。
- 自身の意志で随意的に足指を反らせない者に対しても反射が起こり得るため、錐体路障害を示唆するものとして信頼度が高い。
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チャドック反射 Chaddock's reflex
- 反射中枢はL4〜S1
- バビンスキー反射の変法
- Charles Gilbert Chaddock(1861〜1936, 米国の医師、1897〜1899年にパリのバビンスキーのラボに留学)が1911年に報告した反射
- 外果の下をこする
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