■反応 | │睡眠 sleep│ |
1924年 | Hans Berger(P 1873〜1941, イエナ大学精神科教授)がヒトに頭皮上から脳波の記録に成功した。 |
1937年 | Alfred Loomis, E. Newton Harvey, and Garret Hobartらがヒトの覚醒から睡眠までの脳波を記載した。---ステージI〜V |
1953年 | Nathaniel KleitmanとEugene Aserinsky(シカゴ大学)がヒトのレム睡眠↓を発見した。以後睡眠研究は飛躍的な発展を遂げ、1958年にDement(シカゴ大学)、1959年に Jouvet(フランス)、1960年に島薗らのイヌやネコでのレム睡眠の発見へと続いた。 |
覚醒期 | ステージW | α波と低振幅速波 →覚醒 | 脱同期化 | |||
ノン レム 睡眠 |
ステージI | 入眠期 | 4〜8Hz α波〜θ波 | 低振幅、種々の周波数の波が混在、α波は50%以下、後半期には瘤波の混入を見ることがある。遅い眼球運動、筋緊張やや低下。 | 同期化 | |
ステージII | 軽睡眠期 | 8〜15Hz θ波, 瘤波,紡錘波 k-complexes | 瘤波、紡錘波、K-複合出現、低振幅不規則のθ波〜δ波、高振幅徐波は存在しない。 | |||
ステージIII | 中等度 睡眠期 | 徐 波 睡 眠 | 2〜4Hz θ波〜δ波 | 低周波のδ波が増える。2Hz以下75μV以上の徐波20〜50% 、紡錘波は周波数が遅くなり、より広範囲に出現する。 | ||
ステージIV | 深睡眠時 | 0.5〜2Hz θ波〜δ波 | δ波が50%以上。2Hz以下75μV以上の徐波50%以上、紡錘波 | |||
レム 睡眠 | ステージV | > 12Hz β波 | 高周波・低振幅の脳波。急速眼球運動と明らかな筋緊張低下。 | 脱同期化 |
脳波の同期化 synchronization |
脳波の脱同期化 desynchronization =賦活化 activation←→β波の賦活 |
レム睡眠 REM sleep ↑/↓/中枢/レム睡眠行動障害
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ノンレム睡眠 non-REM sleep :NREM ↑/↓/中枢/メモリーリプレイ
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身体の眠り:レム睡眠↑/中枢
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脳の眠り:ノンレム睡眠↑/中枢
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1925年 | Constantin Alexander von Economo(P 1876〜1931, ウィーン大学の神経科医)が嗜眠性脳炎患者の脳を剖検した。視床下部の後部から中脳にかけて病変が広がっていることが明らかになった。 ←→視床下部-結節乳頭核:TM |
1932年 | Walter Rudolf Hess(P 1881〜1973, スイスの生理学者、1949年にノーベル賞受賞)らがネコの視床下部の電気刺激によって睡眠を誘発することに成功した。←→sham rage |
1939年 | Stephen Walter Ranson(P 1880〜1942, アメリカの解剖学者)は、視床下部を交流で刺激すると動物は目ざめ、破壊すると眠ることを確認し、視床下部には、覚醒と睡眠の中枢があると考えた。 |
1946年 | Walle J. H. Nauta(P 1916〜1994/3/24, アメリカの神経解剖学者)は破壊実験によって、視床下部の後部に覚醒中枢があり、視床下部の前部に睡眠中枢があって、相互に影響し合あうという仮説を唱えた。 |
1949年 | Giuseppe Moruzzi(P 1910〜1986)とHorace Winchell Magoun(P 1907〜1991)が覚醒の神経機構である上行性網様体賦活系を提唱した。覚醒の維持には、脳幹網様体の興奮が視床を介して大脳全体を興奮させることが必須であると考えた。 |
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状態依存的活性の神経活動 state-dependent excitability | ||||
Sニューロン | Ps-on ニューロン | W/P ニューロン | Wニューロン =Ps-offニューロン |
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ノンレム睡眠↓ (徐波睡眠) | 持続発火 | 発火減少 | 発火減少 | 発火減少 |
レム睡眠↓ paradoxical sleep | 発火減少 | 最も高い発火 | 発火上昇 | 発火停止 |
覚醒→ | 発火減少 | 活動停止 | 発火上昇 | 持続発火 |
橋 | PPT(Ach) LDT(Ach) | 青斑核(Na) | ||
中脳 | 背側縫線核(5HT) | |||
視床下部 | 前部ー視索前野 (GABA) | 後部ーTM核(HA) | ||
外側部ーLHA(Orx) | ||||
前脳基底部 | マイネルト基底核(ACh) | |||
W:waking, Ps:paradoxical sleep, S:sleep or slow |
レム睡眠↑/
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ノンレム睡眠↑ |
松果体 |
1907年 | Legendre and Pieron(フランス)が断眠イヌsleep-deprived dogsの血清から睡眠毒素を抽出し、「hypnotoxin」と名づけた。1913年にPieronは「Le Probleme Physiologique du Sommeil」を出版した。 ←→hypnotoxin |
1909年 | Kuniomi Ishimori(石森国臣、愛知県立医学専門学校、現・名古屋大学の教授)が睡眠物質の存在を報告した。Pieronらの報告は1913年であるので、睡眠物質の最初の報告である。長時間断眠させたイヌの脳脊髄液を別のイヌの脳内に投与すると、投与されたイヌが眠ることを発見し、断眠中に脳内に蓄積する睡眠物質の存在を予言した。(Ishimori, K., 1909. True cause of sleep: a hypnogenic substance as evidenced in the brain of sleep-deprived animals. Tokyo Igakkai Zasshi 23, pp. 429–459.)* |
1982年 | 早石修らがプロスタグランジンD2について自然な眠りを調節する「睡眠ホルモン」として働いていることをラットの実験で確かめた。 |
1983年 | 井上昌次郎らが断眠させたネズミの脳幹から抽出した物質のウリジンや酸化型グルタチオンを睡眠物質として同定した。 |
成長ホルモン放出ホルモン GHRH
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ウリジン/酸化型グルタチオン
ウリジン uridine
酸化型グルタチオン Glutathione disulfide:GSSG ←→グルタチオン |
ムラミルペプチド muramyl peptide
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プロスタグランジンD2←→PG 参考1
アデノシン ←→アデノシン/アデノシン受容体 |
デルタ睡眠誘発ペプチド delta sleep inducing peptide:DSIP
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その他の睡眠と関連のある物質
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入眠障害 difficulty falling asleep |
中途覚醒 difficulty staying asleep, arousal during sleep |
早朝覚醒 waking up too early in the morning, early-morning awakening
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熟眠障害 un-refreshing sleep, a sense of deep sleep
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睡眠時随伴症 パラソムニア parasomnia
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ナルコレプシー narcolepsy---オレキシン欠乏症候群
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・睡眠時無呼吸症 Sleep Apnea Syndrome:SAS 参考1/2
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レストレスレッグス症候群、下肢静止不能症候群、むずむず足症候群 Restless Legs Syndrome:RLS ←→アカシジア 参考1/2/3
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脳波 | 脳波電極で記録される電気活動は、大脳神経細胞の集合電位の総和であり、客観的に睡眠の深さを判定する。 |
眼球の動き | 夢を見ているレム睡眠を判定するために必要。 |
筋電図 | 身体の全体的な筋肉の緊張度を見たり、睡眠中に足が勝手に動いて睡眠が妨げられる病気ではないかを調べる。 |
呼吸運動 | 無呼吸や呼吸の乱れが起こっていないかを調べる。 |
心電図 | 不整脈について調べる。 |
経皮的動脈血酸素飽和度 | 無呼吸の結果起こる酸素不足の程度を調べる。 |
□薬物療法 | │睡眠導入薬 sleep-inducing drug, hypnotic、催眠鎮静薬 sedative-hypnotic drug│ |
超短時間作用型↓ | A ultrashort-acting ---半減期6時間以内。入眠困難による不眠症が適応。 |
短時間作用型↓ | A short-acting ---半減期6〜12時間以内。 |
短-中時間作用型↓ | A short-intermediate acting |
中時間作用型↓ | A intermediate acting ---半減期12〜24時間以内。 |
長時間作用型↓ | A long-acting ---半減期24時間以上のものをいう。持ち越し効果が出やすいが、昼間にも抗不安作用が続いているので昼間の不安症状が強い患者に適している。 |
ベンゾジアゼピン系 | バルビツール酸系 | チエノジアゼピン系 | その他 | |
超短時間作用型↑ |
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ベンゾジアゼピンω1受容体アゴニスト | ||
短時間作用型↑ |
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短 - 中時間作用型↑ |
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中時間作用型↑ |
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長時間作用型↑ |
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その他 |
トリアゾラム triazolam(ハルシオン Halcion®、アサシオン®)
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フルニトラゼパム flunitrazepam(サイレース®、ロヒプノール®など)
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ニトラゼパム nitrazepam:NZP(ベンザリン benzarin®、ネルボン®、alodorm®、mogadon®、nitredon®、nilandron® など)
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塩酸リルマザホン rilmazafone(リスミー®など)
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酒石酸ゾルピデム zolpidem(マイスリー®) (マイスリー MYSLEEの名称の由来:「MY SLEEP (私の眠り)」から命名された。)
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ゾピクロン zopiclone(アモバン®)
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ラメルテオン ramelteon(Rozerem) ←→メラトニン 参考1/2
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スボレキサント suvorexant(ベルソムラ®) |
デエビゴ(レンボレキサント®)
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ガンマヒドロキシ酪酸(γ-アミノ酪酸) Gamma-hydroxybutyric acid:GHB 参考1
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□様々な痛み | │慢性疲労症候群 Chronic Fatigue Syndrome:CFS│ |
大クライテリア(大基準)
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小クライテリア(小基準)
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Pain Relief |