目次: Annual Report of the National Institute of Radiological Science、 aromatopia、 ER Magazine、 INNERVISION、 Japan Journal of Nursing Science、 Medical Technology、Nikkei Medical、Pharma Medica、Pediatrics International、 Psychiatry and Clinical Neurosciences、 アポロニア、 茨城県立病院医学雑誌、 医報とやま、 Industrial Health、 インフルエンザ、 医療、 医薬ジャーナル、 エマージェンシー・ナーシング、 オペナーシング、 鹿児島県環境保健センター所報、看護管理、 看護展望、救急医学、 「緊急被ばく医療」ニュースレター、 救急医療ジャーナル、 教育と医学、 健康管理、 公衆衛生、 呼吸、 心と社会、 心と文化、 こころの科学、 災害看護、 済生、 産科と婦人科、 産業医学ジャーナル、 静岡県環境衛生科学研究所報告、 児童青年精神医学とその近接領域、 社会薬学、 15年戦争と日本の医学医療研究会会誌、 重大事件に学ぶ「危機管理」、 主動の地震応急対策、 小児看護、 ストレス科学、 生活科学研究誌、 精神医学、 精神医療、 精神療法、 聖マリアンナ医学研究誌、 全国自治体病院協議会雑誌、 総合臨床、 地域救急災害医療研究、 地域保健、 チャイルド ヘルス、 調剤と情報、 東京都保健医療学会誌、 富山医科薬科大学医学会誌、 トラウマティック・ストレス、 ナーシング・トゥデイ、 ナーシングケアQ&A、 長崎医学会雑誌、 長野県透析研究会誌、 日本医師会雑誌、 日本医事新報、 日本看護医療学会雑誌、 日本看護歴史学会誌、 日本救急看護学会雑誌、 日本公衆衛生雑誌、 日本災害看護学会誌、 日本獣医師会雑誌、 日本集団災害医会誌 日本精神科看護学会誌、 日本生理人類学会誌、 日本赤十字武蔵野短期大学紀要、 日本創傷・オストミー・失禁ケア研究会誌、 日本航空医療学会雑誌、 日本透析医会雑誌、 日本難病看護学会誌、 日本病院会雑誌、 日本放射線技師会雑誌、 日臨救医誌、 人間の医学、 練馬医学会誌、 働く人の安全と健康、 病院管理、 病院設備、 兵庫県立看護大学附置研究所推進センター研究報告集、 広島医学、 袋井市立袋井市民病院研究誌、 プレホスピタル・ケア、 防衛衛生、 保健師ジャーナル、 保団連、 薬局、 八千代病院紀要、 山梨県立中央病院年報、 薬局、 予防時報、 理療、 臨床心理学、 臨床透析、 臨床外科、 臨床透析、 臨床皮膚科、 臨床病理、 臨床麻酔
■Annual Report of the National Institute of Radiological Science
■aromatopia
■ER Magazine
■Health Sciences
■INNERVISION
■Japan Journal of Nursing Science
■Medical Technology
■Nikkei Medical
■Pharma Medica
■Pediatrics International
■Psychiatry and Clinical Neurosciences
■旭中央病院医報
■アポロニア
■茨城県立病院医学雑誌
■医報とやま
■医薬ジャーナル
■Industrial Health
■インフルエンザ
■医療
■エマージェンシー・ナーシング
■オペナーシング
■鹿児島県環境保健センター所報
■看護管理
■看護展望
■感染防止
■救急医学
■救急医療ジャーナル
■教育と医学
■「緊急被ばく医療」ニュースレター
■健康管理
■公衆衛生
■心と社会
■こころの科学
■災害看護
■済生
■産科と婦人科
■産業医学ジャーナル
■静岡県環境衛生科学研究所報告
■児童青年精神医学とその近接領域
■社会薬学
■15年戦争と日本の医学医療研究会会誌
■重大事件に学ぶ「危機管理」
■主動の地震応急対策
■小児看護
■小児保健研究
■新医療
■ストレス科学
■生活科学研究誌
■精神医学
■精神医療
■精神療法
■聖マリアンナ医学研究誌
■世界災害報告 2004年版
■全国自治体病院協議会雑誌
■総合臨床
■地域救急災害医療研究
■地域保健
■千葉大学看護学部紀要
■チャイルド ヘルス
■調剤と情報
■治療
■治療の声
■天使大学紀要
■東京都保健医療学会誌
■富山医科薬科大学医学会誌
■トラウマティック・ストレス
■ナーシング
■ナーシング・トゥデイ
■ナーシングケアQ&A
■長崎医学会雑誌
■長野県透析研究会誌
■難病と在宅ケア
■日赤医学
■日中医学
■日本医師会雑誌
■日本医事新報
■日本看護医療学会雑誌
■日本看護歴史学会誌
■日本救急看護学会雑誌
■日本公衆衛生雑誌
■日本災害看護学会誌
■日本獣医師会雑誌
■日本小児科学会雑誌
■日救急医会誌
■日本集団災害医学会誌
■日本手術医学会誌
■日本精神科看護学会誌
■日本生理人類学会誌
■日本赤十字看護学会誌
■日本赤十字武蔵野短期大学紀要
■日本創傷・オストミー・失禁ケア研究会誌
■日本航空医療学会雑誌
■日本透析医会雑誌
■日本難病看護学会誌
■日本の眼科
■日本病院会雑誌
■日本放射線技師会雑誌
■日臨救医誌
■人間の医学
■練馬医学会誌
■働く人の安全と健康
■病院管理
■病院設備
■兵庫県立看護大学附置研究所推進センター研究報告集
■広島医学
■袋井市立袋井市民病院研究誌
■福島医学雑誌
■古川市立病院誌
■プレホスピタルケア
■防衛衛生
■保健師ジャーナル
■保団連
■薬局
■八千代病院紀要
■山梨県立中央病院年報
■予防時報
■理療
■臨床看護
■臨床外科
■臨床心理学
■臨床透析
■臨床病理
■臨床麻酔
Abstract:1999年のトルコ北西部地震で家屋の80%が破壊されたDuezce市において,仮設住宅や学校で生活する7〜13歳の児童326名(1群)と通常の生活を営む同127名(2群)を対象に,糞便検査およびセロタイプ法を実施し,さらに質問法による地震後の社会経済的状態に関する疫学調査を実施した.1群と2群の蟯虫卵陽性率はそれぞれ13.5%,5.5%,ランブル鞭毛虫の陽性率はそれぞれ10.4%,3.1%で,社会経済的に低レベルの1群は,2群より有意に高率であった.寄生虫感染率は,学校での児童一人当りのトイレ数,児童の社会経済的状況,一人当たりの生活・学習空間面積,学校での手洗い頻度と関連を有した.被災後状況下の急性疾患としてランブル鞭毛虫症を考慮し,また,詰め込みの非健康的生活環境下では蟯虫症が増加することに留意する必要があると思われる.
Abstract:災害は,突然発生するものであり,被害が大きくなれば悲惨な状況を引き起こす.災害医療は非常に重要であるが,薬剤師にとって関与の手法があまり議論されていないのが現状である.しかし,近年薬剤師は,臨床現場でチーム医療の一員として認知されているため,災害現場でも「薬あるところに薬剤師あり」という認識が高まってきている.そこで,著者等の災害医療の体験をもとに薬剤師の関わり方について述べた。
Abstract:トルコでは,労働者にとって作業事故及びそれによる死亡が最も重要な健康問題であり,建設部門において最も高い労働関連死亡率が報告されている.標記について調査した結果,労働災害発生率が4.1%,災害に対する死亡率が1.5%であり,10万人労働者における労働災害死亡が60人であることが示された.死亡率は,会社の規模(半数近くが9人以下の工場)と,労働者の経験年数(半数以上が経験1ヵ月未満)に最も関連していた.事故原因の5割近くが高所からの落下で,次が車両事故,感電であった.正確な死亡原因を知るためには解剖が必要だが,解剖されていたのは1割未満であった.
Abstract:災害時携帯用在院者カードの記入状況を,電子カルテ導入前後で比較した.その結果,電子カルテ導入前のカード記入率は97.42%(233名),電子カルテ導入後は100%(213名)で,有意差(p=0.021)が認められた.また,記入時刻では,電子カルテ導入前が同日勤務時間帯記入が92.07%であったのに対し,電子カルテ導入後は全例同日時間帯の記入であった.一方,記入内容別では,「血液型」や「部屋番号」の記入率が電子カルテ導入後に大きく向上している一方で,「病名」「救護区分」の記入率は逆に低下していることが明らかになった
。
【適応障害】 適応障害と現代 災害時の適応障害
黒田 裕子・酒井明子監修:災害看護、東京、メディカ出版、2004
(酒井明子、p.250-258)
Abstract:「栄養部門における危機管理」を取りあげ,万一の食中毒発生の初期対応や,医療事故対策,非常時の対応など各施設の情報を収集し,現状と問題点を分析した.入院施設のある全国済生会病院78施設の栄養部門を対象に,栄養部門の危機管理について,アンケート方式により調査した.栄養部門の危機管理体制は,病院の中で重要な位置付けにあり,これが十分にできている施設が多かった.医療事故に関する報告書は,その時の状況,患者様の影響度などから部門内で判断している施設が多かった
。
Abstract:愛知県常滑市の保険薬局について意識調査を実施した.個々の薬局の在庫の数量をみれば,それほど多くはないが,3日分の調剤をまかなう程度の在庫は持っていた.薬剤師の人的応援についても半数の施設が協力できると回答した.薬局における災害対策についてほとんど対策がなされていないことが散見されたが,災害活動に対し人的協力・物的協力の意思があることは確認できた。
佐々敦行:文春文庫、東京、2004
佐藤喜久二:東京、内外出版、2004
Abstract:テロリズムがTVメディアを媒体として一般市民に与える精神的影響について文献的考察を行った.PTSD,テロリズム,暴力,TVをキーワードとして日米の文献を調査した.米国ではスリーマイル原発事故を契機にTVメディアの影響が研究され,特にオクラホマシティー爆弾事件,9.11テロなどのテロリズムにおいては,直接被害を受けていない一般市民がTVを通しての曝露によって影響を受けることが確認された.現在,TVメディアの影響は精神的被害の拡大と癒しの両面で注目され研究が続けられている.一方,日本では地下鉄サリン事件を契機に災害やテロリズムの直接被害者についての生理的,精神的被害に関する研究は行われているが,メディアを通しての一般市民への精神的影響について調査した文献はなかった.メディア情報を癒しにつなげるために,精神的影響についての予備知識,各地域の安全性などを報道するシステム作りも必要と考えられた。
国際赤十字・赤新月社連盟
Abstract:一酸化炭素中毒患者2例の治療について報告した.症例1(20歳女).パン焼き作業の代行を行った.すぐにいつもの作業員(症例2)が仕事場に合流した.30分後にガス臭を感じたが異常は認めなかった.それから15分後息苦しくなり,意識も遠のくように感じ,救急車を要請した.症例2(18歳男).意識の低下を認め,動けなくなり同僚の救急要請で駆けつけた救急隊員により救助された.両症例ともに緊急高気圧酸素療法の適応と判断し,意識障害を呈していた症例2を本院で治療し,症例1は他院に紹介した.高気圧酸素療法装置の設置病院は2施設であったが,1施設は通常勤務時間前,もう1施設は装置が老朽化し長期間使用していないことから受け入れを拒否された.民間病院に連絡をとり,無事転院した.2例とも臨床経過は順調で,神経学的異常を残すことなく社会復帰した.
Abstract:北海道内の100床以上の医療施設を対象に,災害時の栄養部門の体制と非常食の実態について調査を行った.その結果,以下のことが明らかとなった.1)リスクメネジメント委員会があり,非常食を備えている施設は208施設中48施設だけであった.2)非常食を1〜3食分用意している施設が最も多かったが,広域災害を考慮すると最低2〜3日分は必要である.3)非常食の更新に新しい製品を安価で取り替えられるリースの仕組みが必要である.4)非常食を用意していない理由に,委託側に任せているが26.9%あった.5)非常食の問題点として,コストが高い,保存期間が短い,味が悪いなどがあげられた.6)日頃から防災訓練や職員教育を徹底し,危機管理体制が十分機能するよう準備しておくことが重要である。
Abstract:災害救援者への心理的影響を検討するため,阪神・淡路大震災で活動した消防隊員4780名を対象として調査した.震災から13ヵ月目のPTSD症状について,IESを用いて評価したところ,震災当時の勤務地が被災地内であった者(被災地内群)は,被災地外から救援に派遣された者に比べて,IES得点が有意に高かった.また,被災地内群のPTSD症状に影響する要因を解明するため,ロジスティック回帰分析を行った結果,個人的な被災状況,悲惨な現場への曝露の強さだけでなく,住民からの苦情や非難などによって喚起された自覚的苦悩が,高オッズ比を示すことがわかった.災害救援者のメンタルヘルス対策には,多次元の要因に注目した総合的な対策が検討されるべきであると思われた
Abstract:空中衝突事故の支援経過を報告し,集団における特異な現象に注目し考察した.危機感で招集された集団内で温度差が生じ,問題解決のためのコミュニケーションは難渋し,集団の基本的機能は低下し,専門的助言さえ無力化した.このような現象下で,有効にコンサルテーションするには,観点を変える必要があった.つまり,現象を「行政システムや個人の問題」としてではなく,トラウマティック・ストレスにより集団が被った特殊な心理的影響として,力動的に再考する観点である.この観点から明らかになったことは以下の通りである.1)トラウマティック・ストレスに曝されて,集団内は没頭と回避に二極化し,交流は歪む.2)二極は共に,心の痛みへの防衛反応であり,否認とsplitの末に出現したと理解できる.3)この理解に基づきコンサルテーションでは,集団力動への介入が,交流の歪みや特殊な心理的影響の自覚を促し,集団の基本的機能の回復に寄与する。
Abstract:従来,透析からの緊急離脱方法として鉗子とハサミを使用する方法を行ってきた.今回,より迅速に容易に離脱できる緊急離脱器(セイフティカット)を導入し,離脱方法の説明・訓練の見直しと同時に,患者への指導および訓練を行った.離脱方法のパンフレット作成し,患者への指導および訓練を行った結果,自力で離脱できる患者とできない患者の把握ができた.離脱訓練を行ったことで,災害に対する意識の向上につながり,患者が興味を持ってくれた.マニュアルを検討しながら,訓練を重ねていく必要がある。
Abstract:透析回路は災害時道具を使用せず離脱できる回路であるが,透析室として離脱訓練を行った事がなかった.そこで患者自身での離脱を可能にすること,スタッフが患者の自力での離脱が可能か否か把握できること,その結果速やかな介助行動につなげることを目的として離脱訓練を行った.その結果から,今後の離脱訓練と災害時のスタッフの役割分担について検討した.66例中,訓練最終回での離脱自立患者は45例であった.訓練が進むにつれ患者の緊急離脱に対する手技及び意識の向上がみられた.透析室内での火災発生時の役割分担とスタッフの意思統一ができた。
Abstract:大規模災害訓練の看護基礎教育における活用を検討することを目的に,災害訓練に女性負傷者役として参加した看護専門学校生5名の体験レポートの分析,及び面接を実施した.その結果,以下の6つのカテゴリーが抽出された.1)訓練に真剣に取り組む中で自覚した生命の尊さ.2)訓練参加によって得られた大事故のイメージと学びの達成感.3)軽症者として救助を後回しにされることに対しての怒りと納得.4)消防士・医療者・病院に対する絶対的信頼感と安心感.5)医師・看護師の言動によってもたらされる患者としての満足感と不快感.6)孤独と恐怖の中で願う救出。
Abstract:全国の都道府県460保健所と3173市町村を対象に,郵送によるアンケート調査を行い,健康危機管理機能への対応状況と実地訓練の主催の有無,人口,管内での過去の健康危機発生の有無,発生の可能性がある施設・自然環境の有無について検討した.アンケート回収率は保健所72.8%,市町村61.7%であった.24時間勤務体制が被害状況に対応して実施できる体制が準備できている保健所は6割であったが,非難住民への保健活動,避難所における衛生活動,住民への情報提供の体制が整っているのは保健所・市町村とも5割以下であった.市町村では過去に危機管理に迫られた経験があるところでは体制が整えられる傾向を認めたが,保健所では認められなかった.保健所・市町村とも健康危機管理機能への対応状況は十分であるとは言えず,保健所は市町村の対応のために支援を行う必要があると考えられた
Abstract:感染症に対する認知と認知に影響を及す因子,リスク・コントロールの方向性を究明するため,Teigenのリスク・イメージ尺度により感染症リスク認知を調査した.対象は集団感染症の看護を実践した看護師42名(A群),同集団感染の被害者43名(B群),医学知識がある看護師46名(C群),若干の医学知識のある看護大学生46名(D群),接触も医学知識もない大学生・社会人77名(E群)とした.その結果,「恐ろしさ」と「未知性」の2因子からなるリスク認知は,未知性の平均得点が全般的に低かった.感染症の知識量は,全感染症リスクの未知性因子得点とやや逆相関し,医学知識のある方が2因子のリスク得点が低かった.直接接触の看護はリスク認知を低め,直接接触の被害は逆に高めていた.「恐ろしさ」と「未知性」の2因子空間における第4象限が,感染症リスクの安定した方向の可能性として示唆された。
Abstract:イラン・バム大地震後の中期における被災地を現地視察調査した.その結果,以下のような提案をまとめた.1)被災看護師に対する生活支援を中心とした援助活動が必要.2)援助を実現するためのカウンターパートとして,被災看護師の理解者であり,調整役を担っている人物を推奨する.3)緊急の募金活動をする.4)募金活動の実現化に向かって日本看護協会に担当者をおき,情報交換や連絡調整を行う。
Abstract:ピナツボ噴火災害9年後の保健調査を行い,調査から被災した村民が現在暮らす定住地域を迅速評価し,復興期における地域の衛生や個人の健康状態を把握した.その結果,第一に栄養状態を改善・維持していくための生計の源の確保と健康教育が重要である.個人や家庭内の衛生状態の維持・管理に関して,認識レベルにとどまらず実際の方法まで周知させることが重要で,そのため,住民一人ひとりの保健衛生教育をきめ細かに行う必要があり,具体的に指導のできるBHMを含めた教育を行う必要があるということが示唆された.復興期の地域保健活動は地域で信頼される者が核となり進めていくことが望ましく,住民の知識や意識の向上を課題とする一方で,地域の自助努力を促すきっかけとなる指導者への教育が災害支援にとって大きな課題である。
Abstract: 合同防災訓練における医療の関
わりを検討することを目
的として,訓練に参加した医師・看護師・事務職員44名(救護者群),看護学生200名(傷病者群)にアン
ケート調査を行った.災害
医療への興味があるものの訓練に不満をもったと答えた者が救護者群の23.8%,傷病者群の45.9%にあ
り,多くがより充実した内
容の訓練を期待していることが明らかとなった.救出・救助の段階から医療チームを投入するシナリオ
での訓練,災害医療や訓
練に関する事前勉強会の開催,災害拠点病院など公的病院スタッフの訓練参加などの工夫が必要である
と考えられた。
Abstract:1999年以降に財団法人日本医療機能評価機構(JCQHC)の病院機能評価(Ver.3.1)を受審した503施設を対象として,病院医療という観点からの災害医療への評価を試みた.対象を中小規模一般病院(A群;160施設)・大規模一般病院(B群;249施設)・中規模精神病院(PA群;44施設)・大規模精神病院(PB群;12施設)および長期療養病院(L群;38施設)に分けて検討した.その結果,自院での災害発生時のマニュアル完備率はA群78%・B群93%・PA群77%・PB群75%・L群79%であり,地域での大規模災害発生時のマニュアル完備率はそれぞれ36%・67%・34%・67%(L群は設問なし)であった.また食糧の備蓄率はA群62%・B群73%・PA群68%・PB群92%・L群66%であった.以上より今回対象となった病院は自主的にJCQHC審査を受け,組織的な病院医療の実践に意欲的な施設であったが,防災対策は不十分であることが判明した。
Abstract:Mass gatheringは「共通した目的で1000人以上の人員が同一時間,同一地域に集合するもの」と定義される.日本集団災害医学会の「2002年サッカーワールドカップ開催に向けた集団災害医療体制の全国的ネットワーク確立の提案」を機に,厚生労働省厚生科学研究「Mass gatheringにおける集団災害ガイドライン作成とその評価」研究班が発足した.以後大会開催中,集団災害医療・救急医療ネットワーク確立に向けてガイドライン・モデルプラン作成,セミナー開催による問題意識の共有化など多くの活動が実施された.今回,メーリングリストによる大会開催中傷病者データモニタリングについて検討した結果,108回のメーリングリストの交信結果と各地域自治体集計結果では,大会開催中の傷病者総数は1661人で,1試合あたりの傷病者発生数は観客1000人あたり1.2人であった.本システムにより各地域が傷病者や体制に関する情報をほぼリアルタイムに把握しながら対応することができた。
Abstract:実践的かつ効果的な大量傷病者治療収容事態発生に対する病院の災害対処能力の検証・強化を図る目的で,傷病原因・傷病者数・傷病者の到着時刻など訓練シナリオを事前に知らせない「原因不明多数傷病者発生」事案想定の訓練を行った.評価は各部署に評価者を配置する一方,各患者にも評価者をつけて訓練参加者の行動を評価チャートによって行った.その結果,訓練の概要を職員に知らせないことにより指揮命令と情報伝達が円滑に行われているか評価することができ,各部門は示された状況に速やかに対応し,指揮命令は良好であったが,各部門間での情報共有化に課題が残された.大量傷病者受け入れチームは効率的に災害患者の治療を行うことができたが,ゾーニングが不十分であり,除染要領には技術的課題が残った.以上より訓練シナリオを事前に知らせない「原因不明多数傷病者発生」事案訓練は病院の災害対処訓練に有用であると考えられた。
Abstract:国際緊急援助隊は,設立以来20年の歴史を持ち,医療チームの派遣も30回を超えた.中級研修は,登録者の意識,知識のレベルを維持,発展させるのに重要な役割を担うが,従来はその折々に問題となったトピックスについて紹介することが主であり,具体的な目的,成果が設定されていなかった.そこで,その意義を鑑み,長期的な戦略,緊急援助隊の活動のあり方の中で,有効な研修のあり方について検討し,実施した.中級研修の目的を登録者の生涯教育,コアメンバーの形成とし,世界標準の災害医学・医療の知識,技術の取得を目的に作成した.8分野,56コマの講義を4年間で最低2回は回るよう設定した.受講生の生涯教育の実施,コアメンバーの構築については,成果があがっていると評価できた.中級研修のカリキュラム策定,実施の課程で,活動の長期的展望にたった研修の重要性を再確認した。
Abstract:患者の緊急度・重症度に見合った医師・看護師の適材適所で適正な人数の配置は患者の転帰に直接反映されるため,特に指揮命令部門にとってこれらの位置情報は最重要である.平成15年9月に行われた院内定期訓練において,これらの位置情報を電波式ICタグ内蔵バッジから発信される情報をもとにリアルタイムで把握することを試みた.訓練を統括する対策本部をはじめとする主要部署において患者,職員の配置状況をリアルタイムで把握することができ,全体を見通した上での遠隔からの職員の再配置,患者の搬送指示が可能であった.また,得られた経時的データを事後に分析することにより,訓練時間全体を通しての各部署への職員配置,患者の緊急度別搬送状況を分析することが可能であり,訓練全体の反省に有用であった。
Abstract:地震発生直後は建物の下敷きになる,落下物に当たる,骨折,火事による熱傷などで負傷者が大量に発生する.初期段階に救助にあたる警察,自衛隊の人数には限りがあるため,人命救助は主に地域住民が自ら行うことになり,負傷者の搬送状況は複雑なものになると予想される.また,地域によって被害,人口,病院数や病床数が異なるため,各地域がもつ特徴を把握し,その地域の役割をはっきりさせておく必要がある.そこで,社会調査の分析手法のひとつであるソシオメトリーを用いて,流動の状況を単純化したモデルで予測した.被災地から被害の小さい地域へ大きな負傷者の流れがあり,その他に比較的被害が小さい地域でも医療機関能力が低ければ他地域へ負傷者が流れ出すこと,大規模な病院がある地域へ負傷者が集中するといった現象が起こる可能性があることが判明した。
Abstract:病院での基本的な医療活動,すなわち,「患者の来院-治療窓口への到着-患者の治療と,必要に応じた他の病院への搬送-治療済み」という治療のプロセスを,単純化した一つのシステムと考え,このシステムをモデル化し,このモデルに基づいて医療活動支援システムを開発した.このシステムを,地震災害時の患者来院分布を想定して,個々の病院の医療活動と同時に,ネットワークとしての医療活動をシミュレーションにより検証した.阪神・淡路大震災で問題となった諸問題の解決に有効である事が示唆された。
Abstract:広域搬送は飛行機と医療チームがあればできるのではなく,患者情報,病院情報,航空機運用情報等の管理・調整機能が必要であるが,日本にはこれを支援するシステムが存在していない.そこで,コンピュータを利用して,自動的に航空機搬送に適応した患者を選定し,登録された医療機関から最適搬送先医療機関および搬送手段を選定する重症患者航空搬送支援システムの試作版の開発を行った.IT技術,ネットワーク技術を利用していることから,大規模災害に伴う大量の重症患者発生に対して全国の高度医療機関に広域搬送を行う際の支援ツールの一翼を担えるものと考えられるが,災害医療に対する社会システムがまだ流動的かつ発展途上であること,広域搬送についての構想が政府・各自治体ともに具体的に固まっていないことから,広域搬送体制の整備・改善がまだまだ必要であると思われた。
Abstract:2002年FIFAワールドカップにおける集団災害医療体制についてアンケート調査を大会開催前,大会終了後に実施することにより,ガイドライン,マニュアルをもとに行った集団災害医療体制構築へ向けた活動についての評価,および大会における集団災害医療体制の状況調査を行った.ガイドライン・マニュアルによる指針により,開催10地域が共通の考え方で2002年FIFAワールドカップにおいて救急医を中心とした集団災害医療体制が構築できた.しかし,日常的なmass gatheringにおいて集団災害発生の可能性は常に存在している.2002年FIFAワールドカップにおける集団災害医療体制の構築は単に出発地点と考え,日常的なmass gatheringでの集団災害に対応できる体制構築の必要性が示唆された。
Abstract:エマルゴ・トレーニングシステムを用いて,与えられたスタッフ・物資・搬送手段のみを使用して実際に即した時間を厳守する訓練を,災害看護学会のワークショップにおいて,募集に応じた参加者を対象に行った.エマルゴとはスウェーデンで開発された大事故・災害対応シミュレーションキットで,災害を想定し,医療従事者および被災者にみたてたマグネット人形を用い,白板上で災害現場・初療室・手術室・ICU・病室などを展開し,訓練を行うシステムである.病院対応における様々な課題が浮き彫りとなった.これらの課題を個々の参加者が自施設に持ち帰り,検討,解決することによって,災害医療対応レベルの向上を図ることが可能となり,より多くの被災者の救命や社会復帰に結びつくものと考えられた。
Abstract:平成15年7月26日宮城県北部に発生した内陸直下型連続地震は局地的に大きな被害をもたらした.地震災害の概要および発災後の現地医療機関の活動と診療連携について,内閣府,地震研究機関,被災地近傍の災害拠点病院および圏域の消防機関,宮城県医師会がそれぞれ調査を行い,救急医療研究会,医師会報などに発表した.それらの調査結果をまとめた.負傷者は震度の大きい地域で多く,発災後早期に,独力で被災地域内の医療機関を受診した.地震により建物に甚大な損壊を生じ診療継続不能となった医療機関で,患者の避難,病院外への移動が適切に行われた.さらに救命救急センターを併設する災害拠点病院より医療支援が行われ,救急医療および医療連携に実績のある地域医師会の協力により,複数の病院に円滑な患者転送が行われた
。
Abstract:滅菌室での火災発生および停電を想定した訓練を行った.訓練時,手術室内では開腹手術(胃切除術),開胸手術(右肺葉切除術),脊椎手術(腰椎後方除圧術)の3件の全身麻酔手術が行われていた.胃切除術での反省点として,術野を懐中電灯で照らしながらの閉創は針刺し事故の危険性が大きい,エアーマットを引きずっての移動は不潔,低い位置での呼吸管理は難しく危険,などが挙げられた.右肺葉切除術では針刺し事故防止のため暗い中での閉創は行わなかった.平行移動の避難にはストレッチャー移動が安全であると思われた.反省点として,応援者の人数が把握できず非難状況が報告できなかった,移動用モニターの台数が少ない,などが挙げられた.腰椎後方除圧術では,分離手術台を手動で操作し移動するのは時間がかかり,狭い廊下での移動が困難であった
。
Abstract:手動タイプ2機種(マンシェットタイプ,引き金タイプ)と足踏みタイプ1機種について,吸引量,吸引圧,吸引安定性,大きさ,重量,容量,操作性,持続性の比較を行った.手動タイプはいずれも使用時に両手を必要とし,長時間の継続使用は困難であった.手動引き金タイプと足踏みタイプは微調整が困難で,また急激に高い吸引圧がかかるため術野組織への悪影響が危惧された.それぞれ欠点はあるものの,電力が不要な点で地震対策用に常備すべき医療器材であると考えられた
。
Abstract:阪神・淡路大震災での典型的死亡形態である胸部圧迫死の実態把握を目的として,死亡に至らしめる荷重の検討とともに,胸部有限要素モデルを用いたコンピュータシミュレーションによって,加圧による胸郭の変形を検証した.群集事故の報告および動物実験のデータを分析し,胸部を体重の数倍以上の荷重に圧迫された場合,比較的短時間に死亡に至る可能性が高いことが分かった.胸部有限要素ダミーを用いた載荷シミュレーションにより,加圧による胸郭の変形を,荷重を変化させながら検証し,胸郭前後径の変化量は荷重ともに増加していくが,荷重一変形関係は非線形特性を有することが判明した。
Abstract:広島原爆被爆時に赤十字病院で看護活動に携わった看護婦及び看護婦生徒が受けた赤十字教育を34件の文献を対象に検討した.その結果,教育内容の特徴として「精神訓育の普及徹底」「実務技能の練達」「軍事教育の徹底」の3つが抽出された.このうち最も強調されていたのは「精神訓育の普及徹底」で,戦時救護活動に必要な行動様式を,教授課程と日常の起居全般を通じて徹底的に教育されていた.また,戦時救護活動に直接関わる実務技能を,科目と実務の両面から徹底的に教育されていた.これらが,被爆時の看護活動を支えていたと考えられる。
Abstract:広島原爆被爆時の医療・看護に関する29件の文献を対象に,当時の広島陸軍病院赤十字病院における看護活動を検討した.救援看護婦,甲種救護看護婦生徒2年生・1年生といった当時の地位別に,活動内容・活動方法等を分析した.その結果,以下のことが分かった.1)看護婦や看護婦生徒は,自らの負傷も顧みず,不眠不休で活動し,その迅速で的確な活動が病院の救護体制を支えていた.2)看護婦は全体の統制を図り,管理・教育的役割を果たしていた.3)看護婦生徒は,指示を受けながら懸命に働き,2年生は主として被爆者の創傷処置等の役割を,1年生は救護のための環境を整える役割を果たしていた.4)彼らの看護活動を支えた原動力として,使命感や連帯感が考えられた。
Abstract:赤十字看護専門学校の学生36名を対象に,人道,中立,公平の赤十字原則の適用が可能な状況設定を取り入れた災害救護活動実践演習を実施し,演習前後にアンケートを行い,演習の教育効果を検討した(回答者:事前アンケート29名,終了時30名).演習は,基本設定をもとにした紙上シミュレーション(150分)と災害救護活動実践演習(75分)により構成された.アンケートの結果,「あらゆる人々の苦痛を軽減する(人道の原則)を自らの倫理基準としている」の演習前後の平均値は,演習後有意に高くなった.このことから,災害発生の緊急時においても相手を思いやり手を差し伸べる〈人道の原則〉の適用の学習に,演習が効果的であったことが示唆された。
Abstract:愛知県下の病院でストーマ手術を受けた患者が中心となり設立されたKオストミークラブの会員302名に無記名自記式のアンケートを行い,大震災に対する準備状況を調査した.なんらかの準備をしている人の割合は71.1%であった.準備の内容別では,「ストーマ装具と物品」52.1%,「装具商品名のメモ」39.8%,「緊急連絡先・病院・身体障害者手帳番号のメモ」33.6%で,これら全てを準備しているのは20.4%であった.自由記載の内容を分析したところ以下の4カテゴリーに分類することができた.1)非常用持ち出し袋の準備,2)2週間以上の装具の備蓄,3)分散保管,4)寝室に保管。
Abstract:平成15年十勝沖地震によって,浦河赤十字病院は推定5億円に上る被害を受けた.しかし,病院職員の迅速かつ献身的な復旧活動と浦河町水道課・自衛隊などの協力で透析室はまたたくまに復旧し,わずかな予定の変更のみで維持透析を継続するに至った.病院機能も一気に復旧し,遅滞なく業務の完全再開を果たした.当初は連絡一つしないのに短時間で自主的に出動した大多数の職員の使命感の高さと,あまりに見事な活動に驚くばかりであった.しかし,事後に状況を文献的に考察・分析する過程で「浦河」という土地が常習的に地震に見舞われている中から,地震災害に対して高度な経験と対応力を持つに至り,現在では「災害下位文化」が熟成した地域として都市災害学の分野で高く評価されている。
Abstract:神奈川県放射線管理士部会と東京都放射線管理士部会は,横須賀市医師会が主催した放射線災害訓練を企画の段階から組織的に参画し共催し,放射線災害時における避難所・救護所での活動を,マニュアルを参考により現実的な訓練を想定して行った.それらの過程の中で得られた知見と訓練参加者にアンケートを実施した.放射線災害時の避難所・救護所活動は,指揮系統や派遣された各機関の連携等が明確になっていない等の問題が多かった。
Abstract:合同防災訓練における医療の関わりを検討することを目的として,訓練に参加した医師・看護師・事務職員44名(救護者群),看護学生200名(傷病者群)にアンケート調査を行った.災害医療への興味があるものの訓練に不満をもったと答えた者が救護者群の23.8%,傷病者群の45.9%にあり,多くがより充実した内容の訓練を期待していることが明らかとなった.救出・救助の段階から医療チームを投入するシナリオでの訓練,災害医療や訓練に関する事前勉強会の開催,災害拠点病院など公的病院スタッフの訓練参加などの工夫が必要であると考えられた。
Abstract:1キロトン核兵器の地上爆発による放射線被曝と防護を検討した.方法は,旧ソ連実験場跡(グランドゼロ)での実測値と米国の情報からそのときの被曝線量を推定して被害予測を行った.1ktの核爆発は,プルトニウムの核分裂連鎖反応で瞬時に径70m・数百万度の火球となり,放射線や爆風,熱線を発生し,核分裂生成物や中性子誘導放射線物質,非分裂プルトニウムを含むきのこ雲が風下に移動しながら地表に降ってくる.風速毎時24kmとし,被曝開始後に1時間の地上移動で危険区域から脱出した場合の被曝レベルは,致死線量(4Sv以上)区域は爆心地から2km,急性障害(1Sv以上)区域は4km,後障害・胎児影響(0.1Sv以上)区域は12kmに及んだ.防護方法はコンクリート建造物内か地下室に1時間以上退避し,屋外ではハンカチで鼻口を,眼鏡やゴーグルで眼を守り,皮膚露出を避け,どちらも地下鉄で郊外に脱出することが有効と考えられた。
Abstract:原爆被災,チェルノブイリ被災者を主とする災害被災者の症例と方法論的検討を行った.原爆被災では近距離2km以内の被災家族や家財の喪失と身体障害の過重の場合(4例提示)の共通問題は,他の災害被災と異なり長期間の災害と貧困の関連があり,そのケアでは特に精神心理社会的分野で地域中心のプレベンション(予防ケア),ポストベンション(被災後ケア)及び渦中における多くの準備を重ねるべきである.したがって,チェルノブイリ被災者については被災後の社会,経済変動が大きく,身体的影響とともに生活上のストレスが加重しているものが多くみられ,上記ケアを含む支援を考えることが重要だと思われた。
Abstract:外来透析患者52名(男28名:平均67.1歳,女24名:平均64.6歳)を対象に自己止血指導を行った.その結果,指導前に自己止血できる患者は31%であったが,指導後は92%となった.患者背景別に指導前自己止血できていた割合を調べたところ,透析歴では1年未満患者が,年齢では60歳未満が,シャント種類では人工血管が,各々1年以上,60歳以上,自己血管に比較して高率であった
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特集【災害・被害を受けた住民への支援 暮らしとコミュニティの再建をめざして】
Abstract:著者らの施設におけるICU看護師13名を対象に,災害看護に対する不安について半構成的面接を行い,検討した.その結果,ICUにおける災害に対する不安の構成要素として,1)予測不能な事態,2)ME器機の対応,3)避難方法,4)救急医療の対応,5)設備・構造の認識不足,6)マンパワー不足の,以上6点が明らかとなった。
Abstract:長期透析患者24名と導入期患者10名を対象に,災害時に対する意識調査を行った.透析に関する基本的知識(ドライウエイト,抗凝固剤,離脱訓練,透析施設への連絡・移動など)は導入期群に比べて長期透析群の理解度が高かった.水分,食事,内服薬管理の必要性は両群間に意識の差はなく,管理意識は高かった.非常食の準備については両群とも不十分であった
Abstract:阪神・淡路大震災から9年が経過した.神戸の街は一瞬にして破壊され,当然のごとくライフライン(水,電気,ガス)も停止した.さらに,大渋滞により交通網も麻痺し完全に生活の機能は失われた.このような状況下においても透析は欠かすことのできない治療であるため,透析施設は常日頃から災害時に組織的に行動できるように訓練しておく必要がある.もし,このような災害時においても水や電気の確保が可能であれば自施設で透析を行うことも可能となるが,あえて危険な被災地で透析を行うよりも被害の少ない地へ避難し,その地の透析施設で透析を受け入れてもらうことのほうが安全である.このような状況も想定して職員や患者への緊急連絡方法や他施設への患者搬送手段などの方法を確立しておくことにより,災害発生時の混乱を少しでも回避できるものと考えられる。
Abstract:・透析室では体外循環治療,基礎疾患に伴う治療中の緊急症発症の危険がある.・救急医療の3大処置(気道確保,呼吸管理,循環管理)のほか,糖尿病および中枢神経合併症への対処を要する.・緊急用医療器具,薬品を完備し,電源用コンセントが付属した緊急用ワゴンが便利である.・心電計,心拍モニター,輸液ポンプ,検査機器も整備を要する.・大規模災害時に用いる緊急用離脱セットをベッドサイドに配備する。
Abstract:透析室のスタッフ動線から感染対策を考慮した施設設備を解説する.血液透析療法の特殊性は,体外循環を用いる観血的医療行為を外来診療で行い,一般の診療所に比べ電気・上下水道の容量が多く,緊急時や災害時のバックアップ対策などである.また,使用済み医療材料の廃棄保管や医療器材の洗浄・消毒を目的とする設備が付帯する.動線は27床の透析クリニックを対象に調査した.看護師の7割,臨床工学技士の6割は臨床業務での作業場所はベッドサイドである.その間の移動場所としては手洗いとステーションが多い.ベッド間隔調査から一般透析室では80cm以上の間隔が必要である.手洗いはスタッフの使いやすい位置で5床/1ヶ所,シンクは手洗い水がシンク外へ飛散しない形状とする.現状では,既存のテナントビルを透析施設とする場合が多く,感染対策やスタッフ動線を優先に設計することは難しい.感染対策を考えるとベッド間隔を十分にとることが近道かもしれない。
検査の新分野 救急・災害医療領域の臨床検査救急診療の古くて新しい武器