1/29 JICAより連絡
1/30 日本を出発、深夜アーメダバード着
(医師3名、看護婦6名、医療調整員3名、JICAからの業務調整員6名)
外務省から与えられた現地の情報は少なく、インド災害対策室が発表した情報は厳しいものであっ
た。大使館からの提案としてはアーメダバードで五つ星ホテルに泊まって駅前でテントを張って診療
してはどうかと言うものであった。
1/31 グジャラート語を話す日本人と合流
スレンダナガール調査(被害はほとんどなく医療援助の必要性はなし)
全体にブージでの活動の意思確認
2/1 先遣隊ブージ入り
ブージ市は喧騒を極めており、インド軍や各国のレスキュー隊が救出作業を続けていた。まともな建
物はほとんどなく、町の80%以上が破壊もしくは倒壊、発表通りの悲惨さであった。ブージ市周囲の
被災地にはインド軍、NGO、外国隊の医療チームがすでに入っていた。
2/2 西の状況を調査(現地の医師よりの提案)
インド人に医療隊が入ってない村を町で聞いてもらいメモを元に南下
マタプルに拠点発見。拠点候補としてククマ
2/3 マタプル、ククマで医療活動を開始
マタプルは一日130名を越し、ククマも50名以上、ほとんど感染を伴った外傷患者。
2週間のミッションのうち調査に3日間、実質の医療期間は7日間、2次隊を要請するかどうかの決断が 迫られた。増えつづける患者数、その重症度、村の要望などから後1週間の継続が必要である。ただ 200名の自衛隊の医療部隊が来るかもしれないと言う話を考慮する必要があった。結局自衛隊の偵察隊 は被災民の為のテント輸送をすることに決定し、2次隊の派遣要請は時間的余裕が無く断念した。 活動を開始したときから地元の方が協力を申し出てくれた。
壊滅的な状態のブージでは市民は住む場所が無く郊外へ移動した為、町の中心部では患者が減りだ し、逆に郊外にいる我々の方に患者が増え始めていた。手術用テントだけでなく、入院可能なテント まで装備されていても手術をした結果は決して良いものではなかった。術後すぐに路上での避難生活 を強いられた為重大な感染症を併発している人もいた。
阪神淡路大震災のとき日本は医師法、薬事法、動物検疫規定をもとに海外からの援助を断っている。 今回のインド政府も外国からの援助要請に対してなかなか承諾しなかった。だが現地にきて見ると国 レベルの意向とは逆に我々を待ちわびていたかのように思われた。 今回被災者自身が我々の活動にボランティアとして参加してくれ、援助する側とされる側と言う区別 の無い活動が出来、得がたい経験となった。
被災地から遠く離れていると適正な情報はなかなか得られず、被災地の真只中にいると情報がありす ぎてどれが精度の高い情報なのか分からない。災害の規模が大きければ大きいほどこのような現象が 起こる。被災地のニーズは時間の経過と共に刻々と変化し、遠方から援助を考えるとき、この時間の ずれを考慮しないと適正な時期は過ぎ、適正な場所も無い状況下に来ることになってしまう為、適正 な援助にはならない。
広域災害では被災地における活動の限界を把握することも大切である。
短期間の緊急援助の場合は何よりもチームワークが大切で、隊員間のコミュニケーションをきちんと はかっておく必要がある。
イベント開催時の救護設備についての法律を調べてみたが、以下のような救急救護計画とそれに関す る根拠法が見つかった。
区分 | 根拠法等 | 策定主体 | 計画等が対象とする事象 |
都道府県地域防災計画 | 災害対策基本法 | 都道府県防災会議 | 暴風、豪雨、洪水、高潮、地 震、津波、噴火その他の異常な自然現象または大規模な火事もしくは爆発その他、その及ぼす被害の 程度において、これらに類する放射性物質の大量の放出、多数の者の遭難を伴う船舶の沈没その他の 大規模な事故 |
市町村地域防災計画 | 災害対策基本法 | 市町村防災会議(市町村長) | 同上 |
災害救助の基準 | 災害救助法 | 都道府県知事 | 政令で定める程度の災害 |
市町村消防計画 | 消防組織法 | 市町村 | 平常時および非常災害時の消防活動全般 |
救急業務計画 | 救急業務実施基準 | 消防長 | 特異な救急事故(救急隊1隊のみで処理できな い災害に起因するもの) |
以上の今回見つかったものは自治体などの防災であり、今回の抄読会で書かれているようなイベントでの防災を規定したものではなかった。
Q6 ボランティアで災害現場に医師が赴いた場合、何時から求めに応じて治療等の実 施義務を負うか。疲労等を理由に実施を拒否できるか。
A6 医師法19条 応招義務が問題となる。→公法上の義務で直接患者に対して負う義 務ではないとするのが通説であるが医師に正当な理由がない限り、医師に民事上の損 害賠償を認めるのが学説・判例の大勢。
Q7 ボランティアで災害現場に医師が赴いた場合の医師の注意義務の程度について。
Q8 災害救助法における災害時の医師ら医療関係者(医師、歯科医師または薬剤師、 保健師、助産婦または看護師)の救助活動についての規定。
災害救助法31条「厚生労働大臣は、都道府県知事が行う救助につき、他の都道府県 知事に対して、応援をなすべきことを指示することができる。」
Q9 災害救助法第24条で医療従事命令を受けた医療関係者が、その命令を拒否した場 合どうなるか。
A9 災害救助法第24条により、6ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金。
Q10 災害救助法には日本赤十字社に対して特別な規定を置いているか。
A10 災害救助法は、日本赤十字社について下記のような規定を置いている。
第32条 都道府県知事は、救助またはその応援の実施に関して必要な事項を日本赤十 字社に委託することができる。
Q11 トリアージを行うことは、個々の負傷者についてみると直ちに救護をしない場合 もあるわけですが、これについて法的責任は生じないのか。
刑法第218条「老年者、幼年者、身体障害者または病者を保護する責任のあるもの がこれらのものを遺棄し、またはその生存に必要な保護をしなかったときには、3ヶ 月以上5年以下の懲役に処する。」
刑法第219条「前2条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、障害の罪と比較し て、重い刑により処断する。」
しかし、トリアージは、医療資源の観点から、少ない医師でできるだけ多くの負傷者 の命を助ける手段であるため、社会的に相当な行為と評価され、違法性が阻却され る。
Q12 医師が、ボランティアあるいは災害救助法の従事命令で災害現場に赴いた場 合、負傷者からの要請があるにもかかわらず、治療行為をせずにトリアージに専念す ることはできるのか。
東海村臨界事故は、原子力安全文化論を根底から覆す事故であった。この事故を契 機に、原子力防災体制の見直しと、緊急被爆の医療体制の抜本的な見直しが行われた。
1980年原子力発電所など周辺の防災対策についてがまとめられる
このワーキンググループは被爆医療の専門家、東海村臨界事故の高線量被爆患者の 治療に携わった臨床医、救急医などを中心に設置され医療体制の整備が進められた。
今後の緊急被爆医療の方向性を定めたもので、被爆医療の特徴、理念を述べてい る。
まだこの機関が実際に運営したことがないので経験というものがなく、また月日も経ていないので実際に活動ができるのかという問題もある。