観察研究は臨床研究法の対象外

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臨床研究法

臨床研究法関連で気になる話題を書いてみました。

観察研究は臨床研究法の対象外

このホームページのobservation islandの名前の通り「観察研究」が興味の対象です。私個人は、自分自身でデータを生成できるようなフィールドを持っていないので、他の方々が生成したデータを二次利用する観察研究しか考えていません。ですので、観察研究がどう縛られるかが私の興味の対象です。という訳で、適応除外になっていることが確認できましたので十分です。これまで通りで、法に基づいた新たな手順は発生しませぬ。あとは、気の向くまま認(したた)めました…

 


当初記事を書いた「臨床研究法の概要」の部分はリンク切れになってしまいました。いたちごっこのようにどんどん変わるので上でリンク切れの場合は,代わりのリンクで-

臨床研究法適応除外.PNG

現場の先生方は困っている

職責上知ったことを具体的に書くのは難しいのですが、上記の適用除外範囲があることを知った先生方が、何とか除外範囲に持ってこれないかという観点で模索しているようです。それも様々なアプローチがあって、明らかに脱法的なアプローチであって、その本当のねらいも研究とは別のところにあるのではないのか?というようなものもあります。一方、普通に診療していて、診療上は必ずしも必須ではないけど採血程度の軽微な侵襲の検査してみたい、というような検査項目を追加するような場合にIRB通すための手続きや同意取得が煩雑になるというのを恐れているような向きもあります。(後者は観察研究的に扱うような判断ができるようですが、個別の判断は必要でしょう)

・ A薬を使用した患者のデータを収集する観察研究と、同じくB薬を使用した観察研究を並行して実施する。この2薬の治療対象疾患は同一で、患者をA薬あるいはB薬どちらで治療するかは、院内の決め事として(研究の外で)コインを投げて表か裏かで決める。

→ 合わせて評価するのなら、ランダム化比較試験(法規制の対象)になるような

・ 上のスライド2番目の囲みの、「治験」の次の項、いわゆるGPSPの枠組みで実施する。

→ GPSPだと事前に役人が見ることになるので、いい加減な提案は時間の無駄なんですけど

役所へも問い合わせが絶えないのでしょうか、Q&Aが多く発出されています。


  • 次の明らかにダメなやつを聞くようなQとか臨床研究に関わる基礎的な一般知識が明らかに不足している人がQを出しています。臨床研究をしたい側の関係者であれば、厚生労働省の役人にそんなこと聞かずに、自分で教科書でも読んでお勉強していただきたいやつです。答えもそっけないです。
問2-7 患者のために最も適切な医療を提供した後にその治療法を比較するのではなく、 あらかじめ研究のために医薬品の投与等の有無、頻度又は用量などを割り付けし て治療法を比較する研究は、いわゆる「観察研究」に該当するか。

(答) 該当しない(法の対象となる臨床研究に該当する。)。


  • 次のヤツとかは、聞いている観点が微妙ですね。工学部教授の医師だとして診療にかかるのか。

問53 工学部で開発した未認証の医療機器を用いて法に規定する臨床研究を実施する場 合、例えば、当該工学部の教授が研究責任医師となることができるか。

(答)法における臨床研究は、医行為を伴うことを前提としており、また、対象者の安全 性の確保の観点から、通常の診療の基盤の上に成立するものである。このため、臨床 研究に係る業務を統括する医師又は歯科医師を「研究責任医師」として配置すること とし、規則等により、その責務や業務内容等を明確化したところである。このような 経緯等を踏まえると、法の対象となる臨床研究においては、医師又は歯科医師を研究 責任医師として配置し、一定の責務等を担っていただく必要がある。

他方で、研究責任医師以外に臨床研究を総括する者を配置することは制限されるも のではないため、そのような総括する者を配置する場合には、実施計画の様式(規則 様式第一)の1(3)「研究代表医師・研究責任医師以外の研究を総括する者」の項目 に当該者の情報を記載し、総括する者として明確化されたい。


  • 私としては、次が一番面白かったです。

 

 

3件のコメント

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