角層 角質層 stratum corneum |
- 皮膚の一番表面にあり、バリア↓となっている。
- セラミドなどの細胞間脂質は、角層の水分保持機能として、水分蒸発を抑制し、角層中の水分含有量を維持する。通常15%〜29%の水分を含んでいる。
- 皮膚の部位によって角層の厚さが異なる。手掌足底では角層がきわめて厚く、200層位ある。それ以外の角層は5〜7層。
- 角層は、角質細胞 cornified cellが、硬く薄いパイのような板状重なっている。
- 角質細胞は、表皮の基底細胞がターンオーバーによって上に押し上げられ、有棘細胞、顆粒細胞に変わり、角質層でケラチンからできた角質細胞へと変わった。
- 角質細胞は扁平で、細胞内小器官はすべて消失し、ケラチン線維で満たされている。
- 髪の毛や爪は角層の特別な形で、毛や爪の主成分は、ケラチンである。
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表皮 epidermis |
- 表皮はさらに3層に分かれ、角層の下から、顆粒細胞層、有棘層、基底層がある。
- 角化細胞 keratinocyteは、基底層で分裂し、角化という分化をしながら上行し、ついには表層から脱落していく。
- 通常はターンオーバー(表皮が新しく入れ替わるまでの期間)は2〜4週間。皮膚炎や発熱では、ターンオーバー早くなり、正常な角層が作れない状態。
顆粒細胞層 granular cell | - 顆粒細胞層の細胞質内にケラトヒアリン顆粒 keratohyalin granule を持つ。
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有棘細胞層 spinous cell | - 有棘細胞層 spinous cellの細胞間同士は細胞間橋 intercellular bridge で連なっているように見え、細胞内にはオドランド小体(層板顆粒)Odland body(keratinosome) が出現する。
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基底細胞層 basal cell | - 真皮と表皮の接合部の境界となっている基底層に基底細胞 が1層に並んでいて、基底細胞が分裂して有棘層、顆粒層、角層に順々に置き変わる。
- 基底細胞 basal cellは、隣接する基底細胞とはデスモゾーム desmosome で結合し、真皮とはヘミデスモゾーム hemidesmosome で接着する。
- P2Y2受容体およびP2Y1受容体が多い。
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- 表皮には血管はないので、基底層を透過できないような大きな分子は、組織に入り込めず、基底層は水の移動までも阻止している。
- 基底層は特殊化したコラーゲン、複数の接着点を持つ糖タンパク質およびやプロテオグリカンから成っている。
- 基底層にあるメラノ細胞で作られるメラニンは有棘細胞に移動する。
- 細径神経線維は表皮内で自由終末として終わる。
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真皮 dermis |
- 表皮の直下に存在し、表皮を形成する母地となる。
- 真皮は、乳頭層、乳頭下層、網状層の3つの層に分けられるが、その境界ははっきりしていない。
乳頭層 papillary dermis | - 毛細血管と感覚神経終末に富む。
- リンパ管の終末も分布し、間質液の圧を調節するとともに、表皮で抗原を取り込んだラングハンス細胞を2次リンパ組織に輸送する役割を担う。
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乳頭下層 | |
網状層 reticular dermis | - 線維成分に富み、下方は皮下脂肪組織に接する。
- 脂腺、立毛筋、汗腺がある。
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- 免疫細胞(リンパ球・好中球・好酸球・マクロファージ・肥満細胞など)も真皮にある。
- 線維芽細胞は真皮にあり、創傷時に細胞外マトリックス成分としてコラーゲンやプロテオグリカンなどのグリコサミノグリカン類を産生する。
- 真皮の間をコラ−ゲン・弾力繊維・血管などが埋めている。一日の皮膚から水分の蒸発量は、大人で約500〜700ml
- Aβ神経線維は表皮最深部もしくは真皮に分布する。
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脂肪層 Panniculus adiposus ←→皮下脂肪 |
- 脂肪層は、エネルギーの貯蔵層
- 太い血管やリンパ管や神経が通っている。
- ここに、障害や炎症が起こると広範囲で重症になりがちです。結節性紅斑、バザン硬結節性紅斑、脂肪織炎などは、この層が中心に傷害されて起こる。
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