■侵害受容反応 | │炎症 inflammation│ |
炎症 ←「炎」という字が含まれる。
| ||||||||||||||||||
炎症性疾患の多くにはギリシャ語系の-itisという語尾がつけられている。 arthritis(関節炎)、ankylosing spondylitis(強直性脊椎炎)、retimtis(網膜炎)、tympanitis(中耳炎)、tonsillitis(扁桃腺炎)、bronchitis(気管支炎)、pleuritis(肋膜炎)、appendicitis(虫垂炎)、pancreatitis(膵炎)、colitis(大腸炎)、ulcerative colitis(潰瘍性大腸炎)、peritonitis(腹膜炎)など |
急性痛 侵害刺激や組織損傷により、急性痛、神経性炎症、発痛物質の産生が起こる。 ↓ 炎症による(亜)急性痛 ↓ 侵害受容器の過敏化や中枢ニューロンの反応性の過敏化による痛覚過敏およびアロディニアが加わる。 |
┏◇神経性炎症 ┣◇BKが関与した炎症 ┗◇白血球が関与した炎症 |
炎症の5主徴
|
BC1700年頃 | 古代エジプトの古文 Edwin Smith Medical Papyrusの中で、傷に対する身体の反応は「shrmemet」と呼ばれていた。shermemetの後には必ず、「火」を示す象形文字が続き、急性の炎症の特徴である赤みと熱を表している。 |
BC5C | Hippocrates(P ヒポクラテス BC460〜BC377、「古代ギリシアの医聖」、エ−ゲ海コス島生まれ)は、は炎症のことを「phelegmone」と呼んだが、これはおおざっぱに「燃えるもの」と訳されている。 |
AD30年 | Aulus Cornelius Celsus(P BC25頃〜AD 50頃, 古代ローマの貴族で、著述家、医師)が編纂した「De Medicina」の第3巻で、炎症の臨床的特徴として、 "Notae vero inflammationis sunt quattuor, rubor et tumor, cum calore et dolore." という表現を用いた。これは「ケルススの4主徴 Celsus' quadrilateral, four cardinal signs」呼ばれていた。 |
AD2C | Claudius Galen(P 131〜201, ローマ時代の名医)が「機能喪失」を加え、5主徴となった。 →参考1 |
1867年 | Julius Friedrich Cohnheim(ユリウス・フリードリッヒ・コーンハイム P 1839〜1884, ドイツの病理学者)は生きたカエルの舌に焼灼性の物質をのせ、その結果生じる炎症の変化を顕微鏡で調べた。カエルの舌は薄く透明なので、小さい動脈の漏出や拡張が進行していく様子とともに、その後毒素によって白血球が血管外へ遊走することを観察した。 |
1924年 | Sir Thomas Lewis(P 1881〜1945, University College Hospital in London)が3重反応を発表した。 |
第1期: |
|
血管透過性の亢進は2相性である。 ┏第1相(即時型) 神経性炎症と生体アミン類などのケミカルメディエーターが主体となる。 ┗第2相(遅延型) 皮膚や皮下組織が傷害されてコラーゲンが露出すると、 BKなどの発痛物質、PGE2やロイコトリエン、補体などが関与する。 |
第2期: |
|
ロイコトリエンや補体などの白血球走化性因子の作用により血管外に遊走した多形核白血球、リンパ球、マクロファージなどは、局所に浸潤し、それらの貪食作用やリソゾーム酵素によって酵素によって異物は処理される。またこの時期には、免疫担当細胞の出現によって免疫反応が起こり、防御反応を果たす。 |
第3期: |
|
線維芽細胞の増殖が盛んに起こり、毛細血管が新生し、肉芽組織が形成される。肉芽組織はやがて実質組織に置き換えられて、炎症組織の再生修復は完了する。 |
発赤 Rubor: 血管拡張によって損傷部位が赤くなる。 |
←plasma kininやPGによる反応。 |
小さな腫れ Wheal: 発赤を中心とした2-3mmの範囲に浮腫を伴った腫れ。 | |
フレア Flare: 腫れの周辺数cmの範囲にも血管拡張による紅潮。 | ←軸索反射による |
|
病原体関連分子パターン(pathogen-associated molecular patterns):PAMPs |
傷害関連分子パターン(damage-associated molecular patterns):DAMPs
|
インフラマソーム:inflammasome
|
家族性地中海熱 familial Mediterranean fever:FMF pyrin-associated auto-inflammatory diseases パイリン関連自己炎症疾患:PAADs
|
クリオピリン関連周期性症候群 cryopyrin associated periodic syndrome:CAPS
|
Pain Relief |