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震災日記8

震災日記8(2011年7月1日〜31日)

このページは、本ホームページの管理人である室月淳の,東日本大震災後の日々のひとりごとを書かせていただいています.7月になって暑い日が続きます.昨年の猛暑は記憶に新しいですが,今年もそれに勝るとも劣らない暑さです.避難所の生活環境は大丈夫なのでしょうか.

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全国の若手産科医への呼びかけ - 2011年7月1日(金)

被災地の石巻の応援のため,当科医師のひとりが,10-11月の2か月の間休職して,石巻赤十字病院で働くことになりました.その間当科は3人体制となります.

3人がフルに働けば何とかルーティンはこなせるかも知れませんが,胎児鏡手術や子宮内シャント術などといった胎児治療が入ると厳しくなりそうです.

現在,2か月の研修で,胎児心エコーやそのほかの出生前診断,胎児治療の初歩的手技を学ぶというトレーニングプランを作っています.全国の若手産婦人科医に,2か月間の当科での研修を呼びかけます.希望者はわたしまで直接ご連絡ください.

宮城県立こども病院

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新生児蘇生法Aコース講習会の開催 - 2011年7月2日(土)

院内で宮下,室月のインストラクターによるNCPR Aコース講習会を行いました.Consensus 2010に基づいた新しい講習です.

11月には気仙沼市内で一般公募による講習会を開催することを考えています.

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院内テニスサークルの結成 - 2011年7月4日(月)

病院内のテニス部OB,経験者5名が参加してテニスサークルを結成し,第1回の練習会を行いました.突然の土砂降りでしたが,室内コートをとっておいて本当によかったです.

シェルコム仙台の室内コートにて.体型がテニスでない........

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祝発刊「骨系統疾患−出生前診断と周産期管理」 - 2011年7月6日(水)

ようやく発刊まで漕ぎつけました.周産期・新生児医学会にまではぜひとも間に合わせるという至上命令であり,最後は見切り発車の状態だったため,細かな校正ミスなどが気になります.増刷のときに直してしまおうと思っているのですが,そこまで部数が出るかどうか・・・・・・・

新刊です.西村玄・室月淳・澤井英明編「骨系統疾患−出生前診断と周産期管理」メジカルビュー社,9,450円

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PCOT 林健太郎先生来院 - 2011年7月8日(金)

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震災後初めての仙台空港の利用 - 2011年7月9日(土)

空港の2階ロビーのほんの一部のみの使用で,その一角で出発到着を兼用しています.チェックイン,搭乗待合ともにその貧弱さに驚いてしまいました.飲み物すら帰るところがありません.今月末には通常の使用ができるよう,突貫工事が行われている気配です.エアドゥー機に搭乗して千歳へ.

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周産期新生児医学会初日 - 2011年7月10日(日)

一昨年,ちょうど同じ時期に札幌に来たことがありました.蒸し暑い仙台から来た見には,札幌は梅雨がないさわやかな別世界という印象が強かったのです.しかし今日の札幌は一日中雨でした.節電のためか会場内の温度も高く,今年の札幌はなかなかたいへんです.

午前中に発表を少しだけ聞いて,昼からは総会,左合班会議,骨系統疾患小委員会の非公式の打合せ,ロビーでの友人知人との交流,そのまま懇親会に参加して,終了後は新生児蘇生法委員会会議と予定が詰まっていました.

明日で震災からちょうど4か月です.総会では出席者みなで黙祷を捧げました.

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周産期新生児医学会中日 - 2011年7月11日(月)

午前中はシンポジウム「TTTSの適応」,午後からはミニシンポ「骨系統疾患の出生前診断」座長,そのあと口演,ポスター発表を聞いて,夕方からは免疫グロブリン胎児医療研究会出席,そのあとはいちばん楽しみだった平成会の飲み会に参加しました.受付でぷぅちゃんとバッタリ出会って,何と! 懇親会参加費をクリフムマタニティクリニックから出していただくことになりました.ありがとう,ぷぅちゃんにたかっちゃったね.

Dr.Shinoの撮影.いや,学会場には撮影や録画はご遠慮くださいと書いてあったんだけど(笑)

ぷぅちゃんほか少し危ない面々

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周産期新生児医学会最終日 - 2011年7月12日(火)

最終日午後のシンポジウムに参加.途中で抜けて千歳空港へ.

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U先生へのメール - 2011年7月13日(水)

札幌ではいろいろなお話を聞かせていただきましてありがとうございました.先生の地域ではやはり妊娠と被曝リスクの問題が最重要になっていることに強い印象を受けました.先生方のご負担もさぞ大きいことと推察いたします.

そこで話題に出しました妊娠と放射能の問題に関するパンフレットのPDFファイルを添付させていただきます.実際の印刷物の方はカラー刷りでとても見やすいので,こちらも別便で先生あてに何部かお送りいたします.

これまで学会などに,妊娠中の被曝などに関する妊産婦および産婦人科主治医からの相談の窓口をつくることを提案してきました.「妊娠と被曝」に関するエビデンス,および地域ごとのおおまかな被曝量のデータなどを集積し,妊婦や医師,病院などからの個々の問い合わせに対し,具体的かつ正しいカウンセリングできるような体制をつくることは,社会的に大きな貢献になると思ったからです.

原発事故の妊娠への影響に関しては,いくつかの学会や団体がすでに正式なコメントなどを出しています.しかし被曝リスクの説明に重要なのは,科学的根拠に基づいたデータのほか,「カウンセリングマインド」だと思います.妊婦に対して「カウンセリングマインド」のない説明は,ただの残酷な宣告となりますし,無意味な中絶を増やすだけの結果になりがちです.これはわれわれ自身がぜひとも取り組まなければならない課題だと思っています.

数年前に風疹の流行があって,緊急で立ち上がった厚労省の研究班により「風疹流行および先天性風疹症候群の発生抑制に関する緊急提言」がなされたことがありました.風疹流行時は先天性風疹症候群の出生児が増加するとともに,その数百倍以上の数の人工妊娠中絶が急増することが昔より知られています.上記提言はCRSの発生予防のほかに,無意味な中絶を減らすことを目的としていくつかの提言を行っていました.

その中でわたしがもっとも効果的だと思ったのは,各地区ブロックごとの相談窓口(2次施設)を置いて,その2次施設できちんとしたカウンセリングを行って対応したことです.それがひとつのモデルになるのではと思います.原発による被曝(もちろん医療被曝でも同じですが)に対しても,カウンセリング専門医のいる施設を2次施設として,1次施設からの相談窓口とするのがいいのではないでしょうか.

単純な風評や恐怖心からunreasonableな選択をしてしまう若い女性が多いのですから, 逆にきちんとしたカウンセリングにまで誘導できる道筋をつけてあげるだけで,それだけで安心感を与えることが可能となり,無駄な命の犠牲を減らすことができるだろうと思います.

まだ遅くはありません.こういったシステムづくりを訴えていくと同時に,自らの施設でささやかながらそういった相談に対応できる体制をつくろうとしてるところです.わたしにご協力できることがありましたら何でもお申しつけください.

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われわれはどこから来たのか,どこへ行くのか - 2011年7月15日(金)

もともとは旧約聖書のヨブ記が起源で,ゴーギャンの作品名に使われたことから日本人の口にも膾炙するようになったこの問いに,答えるスタイルにはいくつか存在します.聖書では当然,霊的な問答を想定していますが,今ここにいるわたしたちにとってどのような回答がふさわしいのでしょうか.

震災の被災地である地元の2万人以上の人間が亡くなりました.生き残って今ここにいるわたしたちは,その事実から目をそむけることなく受け入れ,多くの人間の生と死を背負って,これからすべてのことを行っていくでしょう.すなわち今のわたしたちは,3月11日の日から来たといっても過言ではありません.

決して気負っているわけではないのです.この感覚はわれながら不思議ですが,一方で今の自分たちにとってはまったく自然な気がします.(つづく)

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現在募集しているのは - 2011年7月19日(火)

現在,みなに声をかけて募集しているのは,(1)気仙沼市立病院への平日3-4日のボランティア支援,(2)10-11月の2か月間の当院の研修を兼ねた手伝い,(3)来年度4月からの当講座の大学院生募集,の3つです.

(1)の気仙沼支援について.

常勤医2人でがんばっていて,大学からの応援も限られている気仙沼市立病院にボランティアとして応援するプロジェクトです.「「気仙沼手伝いと少しだけ見学」プロジェクトと勝手に名づけていますが,希望された産婦人科医が平日3-4日くらいずつ入ってお手伝いするものです.ついでに被災地の状況(これがなかなか変わらず悲惨な状況が続いています)をよく見ていただいて,帰ってみなに伝えていただくということも目的のひとつです.

気仙沼市立病院に対する日本産科婦人科学会の支援が打ち切られた4月なかば以降より,全国から多くの産婦人科の先生に来ていただきました.本当に心からお礼を申し上げます.今のところ9月くらいまでの予定は決まっているのですが,10月以降の希望者を募っています.

(2)の2か月間の当科での研修および手伝いについて.

石巻赤十字病院への日本産科婦人科学会の支援は9月いっぱいで終了します.また石巻日赤の常勤医の何人かも退職することになりました.10月から新体制で再スタートすることになりましたが,医師数も減少しますし,なによりメンバーが大きく変わるために,最初はかなりたいへんになると予想されます.

そこで当科スタッフのひとりが休職して,10-11月の2か月間,石巻日赤に支援に行くことになりました.その間,当科はひとり減となりますので,2か月間,周産期研修も兼ねて当科のお手伝いをしていただけませんか,というお願いです.

当科は胎児疾患に関しては宮城県のほぼ全例と,岩手,山形,福島各県の一部症例の紹介を受けています.超音波はもちろんMRI, CTなどの画像診断と,羊水,絨毛,胎児血などによる侵襲的な診断を得意としています.また胎児鏡下レーザー手術や子宮内シャント術などの胎児治療にも積極的に取り組んでいます.

当院は地域周産期医療センターであり,母体搬送も年間100例程度引き受けています.ただし,こども病院という特性上,母体合併症についてはあまり多く扱ってはいません.すなわち2か月間で胎児症例をひととおり経験して,心エコーなどもおおよそできるようになることを目指します.

(3)の来年度4月からの当講座の大学院生募集について.

当科には,「東北大学大学院医学系研究科先進成育医学講座胎児医学分野」という大学院講座が併設されています.「連携大学院」という東北大学の新しい制度であり,診療科部長と大学院教授を兼任し,診療と並行して研究と教育にも携わり,大学院生をも受け入れるものです.

現在,来年4月からの社会人大学院生を募集しています.産婦人科医として通常の臨床に携わりながら,社会人大学院生として大学院に4年間所属し学位を取得することが可能です.東北大学産婦人科教室とは連携しながら活動していますが,いわゆる「入局」して大学に所属する必要はまったくありません.

現在取り組んでいる研究テーマは,胎児手術法の開発と臨床応用,超音波位相差トラッキング法を用いた胎児循環動態の新しい評価,胎児骨系統疾患の病態生理と出生前診断,エピジェネティクスからみたDOHaD理論の解析などです.http://www.ob-gy.med.tohoku.ac.jp/laboratory/j-murotsuki.html

以上,ご興味のある方は,室月までどうぞご連絡ください.アドレスはmurotsukiにyahoo.co.jpをつけたものです.

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「ハッピーバースデイ 3.11」 - 2011年7月21日(木)

日本ユニセフ協会の東日本大震災における子どもたちの支援活動のひとつとして,3月11日に生まれた赤ちゃんの「写真」と「物語」を記録しようというプロジェクトがあります.多くの命が失われたその日に,被災地で生まれた新しい命もありました.そのひとりひとりが大きなドラマをもっています.

われわれも多いに賛同いたしました.何人かのご両親にお声がけをしようと思います.

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M先生の半日見学 - 2011年7月25日(月)

M先生がお昼より来仙,「見学」といいながら,実は忙しかったのでいろいろと仕事を手伝ってもらいました.これにこりずにまた来てください.

JM先生.あっ,わたしとイニシャルが同じ.........

とりあんにて

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北里大U教授の当院訪問 - 2011年7月27日(水)

日本産科婦人科学会の第1回震災対策・復興委員会が,震災地の仙台で本日開催されます.北里大学産婦人科のU教授が,会議の行われる前に当院に訪ねてこられました.お見舞いというか,視察というか,遊びにというか........

U教授とわたしが知り合ったのは90年代の留学時代であり,留学先が比較的近いところにあり,また専門も近かったので,北米での学会などでよく一緒になりました.海外での研究生活や人間関係などのわたしの愚痴のいつも聞き役でした.ああそういえば,今日もそうだったかも知れない・・・・・・・・・・

U教授(写真右)と当院のH院長です

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PCOT・I先生へのメール - 2011年7月28日(木)

先日いただいたPCAT活動報告書を,昨夜読ませていただきました.正直言って非常に感動いたしました.

わたし自身も些細ですがいくつかの経験をへて,現在,自分自身でできる範囲内で少しでも被災地の復興のために尽くそうと心を決めていました.先生方のご活動を読んで,志はもちろんですが,実際の現場を経験し,既存の災害医療の方法論とみなの議論の積み重ねをうまく組み合わせて支援を考えていくその過程がとても印象深かったです.

大学病院や市中病院で働いていますと,どうしても発想は,被災した病院をいかに援助,支援していくかに片寄ってしまいます.わたし自身もそうだったと思います.しかし病院にいてできることは病院に来る患者を治療することのみであり,病院に来れない人間,あるいは退院してしまった人間をみてくことはできないことに今さらながら気がつきました.当たり前のことですが........

先生の文章の中で,南三陸の医師の話として「様々な救急医療チームが訪れているが産婦人科の医師はだれもいなかった.・・・・・」というところです.われわれ産婦人科医は,これまでDMATなどは自分たちの仕事とは無縁のものとして考えていましたし,実際に震災後は危機にある拠点病院をいかに支えるかに意識が集中し,こういった多くの被災者に手を伸ばすという発想がまったくなかったと思います.

実際今回の活動は,先生を初めとして産婦人科医といっても少し違った立場に立つ方や,家庭医として産婦人科のプライマリケアのトレーニングを受けた先生などに支えられた形となっていました.

現在でも産婦人科畑ではこれは盲点だろうと思います.今回の震災を教訓として,これからいろいろな形でみなで話し合いをもちながら,今後に提言を行っていく必要がありそうです.たとえばこういった被災地に産婦人科チームを送り,避難所の妊産褥婦を見つけケアしていくといった活動を,産婦人科医として考えていく必要はありそうですね? これからどのようなことを提案していったらいいか,ゆっくりと考えてみたいと思います.

PCAT活動報告書

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こども病院夏祭り - 2011年7月29日(金)

今日はこどもたちのための夏祭りです.

人間モグラたたき 

クリニクラウン 

すずめ踊りサークルの踊りです 

祭りの最後を締めくくる花火(お祭りの写真はすべて歯科・御代田先生撮影) 

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今月2回目のNCPR Aコース講習会 - 2011年7月30日(土)

今回のAコース講習会はセミオープンで募集しましたので,受講者の半数近くは院外からであり,中には青森県や東京から来られた方もいらっしゃいました.

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院内のロビーはすでに七夕です - 2011年7月31日(日)

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カウンタ 3277 (2011年8月1日より)