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骨系統疾患−出生前診断と周産期管理

骨系統疾患−出生前診断と周産期管理」 2011年7月刊

西村玄・室月淳・澤井英明編,メジカルビュー社,9,450円

目次

A.胎児骨系統疾患とは何か

1.はじめに …蟲舛班囘戞´胎児診断の意義(室月淳):

2.骨系統疾患の国際分類と最近の動向(西村玄)

3.胎児・新生児骨X線診断の基礎(西村玄)

4.胎児CTの基礎(宮崎治)

5.骨格異常の理解に必要な分子遺伝学遺伝子(池川志郎)

6.超音波による胎児骨の観察(室月淳) …恐伺箸瞭胆 超音波とX線画像との違い D拘氷の観察と計測 せ融萃拘氷のノルモグラムの意味(篠塚憲男) イ修谿奮阿旅の観察 δ拘氷の異常所見 Э巴妊▲襯乾螢坤

7.妊娠初期から中期の胎児骨疾患スキャン(夫律子)

8.妊娠中の胎児スクリーニング(篠塚憲男)

9.長管骨短縮を認めたとき何を考えるか(FGRや染色体異常との鑑別)(室月)

10.骨系統疾患の胎児診断のストラタジー(澤井英明)

B.骨系統疾患各論

11.疾患各論

Thanatophorc dysplasia(致死性骨異形成症) (澤井英明)

Osteogenesis imperfecta type II+III (骨形成不全症II+III型)(室月淳)

Osteogenesis imperfecta type I+IV (骨形成不全症I+IV型)(室月淳)

Achondro-/Hypochondroplasia(軟骨無/低形成症) (澤井英明)

Hypophosphatasia(低ホスファターゼ症) (室月淳)

Asphyxiating thoracic dysplasia(窒息性胸郭異形成症)(室月淳)

Chondrodysplasia punctata(点状軟骨異形成症) (室月淳)

Spondyloepiphyseal dysplasia(脊椎骨端異形成症)(室月淳)

Campomelic dysplasia(彎曲性骨異形成症) (室月淳)

Achondrogenesis(軟骨無発生症)(室月淳)

Short rib polydactyly syndrome(短肋骨多指症候群)(室月淳)

C.骨系統疾患の周産期管理

10.胎児骨系統疾患の告知とカウンセリング(室月淳)

11.胎児骨系統疾患の妊娠分娩管理(佐藤秀平)

12.実際の症例

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症例5()

13.出生時の対応と新生児ケア(沼部博直)

14.骨系統疾患児のフォローと支援−小児科から(藤原幾磨)

15.骨系統疾患児のフォローと支援−整形外科から(鬼頭浩史)

16.骨系統疾患キャリーオーバー妊婦の妊娠分娩管理(佐藤秀平)

序文より

「骨系統疾患」は,骨・軟骨といった骨格形成にかかわる組織の障害による骨格異常の疾患の総称です.この疾患の診療に携わる人間は,胎児期に遭遇する産婦人科に始まり,出生直後からの管理を担当する新生児科,乳幼児期から成人に至るまでフォローする小児(内分泌)科,主に外科的な面で関わる整形外科,さらには個々の症状に対応する耳鼻科,眼科,口腔外科,形成外科,リハビリ科などと多科にまたがります.もちろん診断やカウンセリングといった面からの放射線科や遺伝科の役割も大きいものです.

ところが各診療科からみた病気の「イメージ」,「姿」が骨系統疾患ほど異なるものはありません.小児科医や整形外科医などは,多くのハンディにもかかわらず健気にがんばる子どもたちのために最大限のケアをしてあげようと願うでしょう.ところが産婦人科医は骨系統疾患の少なからぬ部分が胎児期や出生直後に死亡するのを目撃しています.臨床の中でそういった例に遭遇すると毎回といっていいほどに妊婦家族とともに困惑して右往左往することになり,「できれば避けたい」かも知れない疾患です.新生児科医からみれば,出生直後の厳しい呼吸不全を苦労してようやく乗りこえても,長期入院児としてNICUのベッドを占拠する「やっかいな」病気であるかも知れません.

この本は,希少な存在で診断が難しく,治療方法が未確立である骨系統疾患に対し,これまでいつも混乱し苦闘してきた産婦人科医や新生児科医のために書かれました.過去に放射線科,整形外科,小児科各領域ですぐれた専門書がいくつかありましたが,胎児診断,妊娠分娩管理,新生児管理といった周産期医療の視点からまとめられた本は皆無でした.

残念なことに現状では骨系統疾患に対する根本的な治療法は存在しません.そのため特に胎児期において骨系統疾患を診断することに何の意味があるのかという批判を受けることがあります.確かに,正確に診断することがその子の治療や予後改善に直接つながるわけではもちろんありません.しかしその子のこれからの経過と予後を予測し,ご両親にきちんとお話できる,妊娠と出産,そしてその後の児の管理に備えられるということは大きな意味を持つのではないかと思います.特に骨系統疾患に多く合併する整形外科的,眼科的,耳鼻科的な合併症を早期に予想し,適切に対処できることは,その子のその後の生活の質を維持するために重要です.そして何よりも大切なのは,ご両親が原因不明の難病と考えるよりは,その疾患の医学的意味を正確に知ることによって,子ども自身とその病気の受容がよりスムーズにいく場合が多いことです.

この本にまとめられた内容は「胎児骨系統疾患フォーラム」での議論をもとにできあがったものです.「胎児骨系統疾患フォーラム」は,メーリングリスト上で胎児骨系統疾患の診断や周産期管理を議論する場として2007年6月につくられました.それぞれの施設で経験した一例一例から得られた貴重な知見をみなで共有し議論を重ね,その成果を各施設へフィードバックすることを目標とし,これまで百数十例の胎児骨系統疾患症例をディスカッションしてきました.この場をお借りしてフォーラムに参加している先生がたにお礼を申し上げます.とりわけ池川志郎先生(理化学研究所・ゲノム医科学研究センター)にはいつも真摯なお力添えをいただきました.改めて深く感謝申し上げます.

(編集代表) 室月 淳

東北大学大学院医学系研究科先進成育医学講座胎児医学分野,宮城県立こども病院産科

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