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まとめ

9. まとめ

胎児骨系統疾患は数多くの種類が存在する一方で,個々の疾患の頻度はきわめて低く,われわれ産科医が一生で一度遭遇するかしないかという疾患もめずらしくはない.胎児の長管骨短縮例に遭遇し,その診断と管理に苦慮された経験は産科医であれば必ず心当たりがあるだろう.毎回毎回診断と告知に迷い,妊娠分娩管理に苦労し,さらには予後評価を誤ったために苦い思いをすることも珍しくない.本人,夫のみならずわれわれ医療者も経験する困難を解決するにあたり,本ガイドブックがわずかにでも助けになれば幸いである.

今後はそれぞれの施設で経験した一例一例から得られた貴重な知見をみなで共有し合い,系統的な診断と予後評価のアルゴリズムをつくり上げ,そしてその成果を各施設へフィードバックして生かすことを願っている.そのために現在,有志による診断ネットワーク「胎児骨系統疾患フォーラム」を結成し,さまざまな情報交換とディスカッションを行っている.そこで得られた貴重な経験を今後は外にも発信していきたいと考えている.

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本ガイドブックの発刊に当たっては日本イアンドナルド超音波講座事務総長の夫先生の手を煩わせました.文責は室月淳にありますが,内容は「胎児骨系統疾患フォーラム」のメンバーの先生方から供覧いただいた症例や,それに関するディスカッションから明らかになった新しい知見,そして専門の立場からのさまざまなご教示によって生まれたものです.特に池川志郎先生や澤井英明先生,宮崎治先生からは直接,多くのことを教えていただきました.実際の臨床の場では,放射線科の山田隆之先生はいやな顔ひとつせずに3D-CT画像を何度もつくっていただきましたし,藤原幾磨先生には生まれてきた児のケアといういちばんたいへんな仕事をおかけしております.ここに記して改めて感謝いたします.

最後に「お師匠」西村玄先生には,口に尽くせぬほどのご厚恩に対してこの場をお借りして改めて厚くお礼を申し上げます.

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カウンタ 9279 (2013年5月7日より)