目次: Clinical Engineering、 Industrial Health、 International Journal of Hematology、 International Medical Journal、 Journal of Nara Medical Association、 Medical Practice、 Psychiatry and Clinical Neurosciences、 Quality Nursing、 医学のあゆみ、 医療、 医療情報学、 エマージェンシー・ナーシング、 大阪大学看護学雑誌、 大塚薬報、 香川医科大学看護学雑誌、 看護、 看護教育、 看護研究、 救急医療ジャーナル、 救急救命士標準テキスト、 クリニカルスタディ、 健生病院医報、 共済医報、 胸部外科、 公衆衛生、 神戸市看護大学紀要、 神戸市看護大学短期大学部紀要、 神戸大学医学部保健学科紀要、 呼吸、 作業療法、 作業療法ジャーナル、 産業医学ジャーナル、 産業衛生学雑誌、 ジェロントロジーニューホライズン、 歯界月報、 歯界展望、 小児科診療、 小児神経学の進歩、 諸君、 心身医学、 心身医療、 心理臨床学研究、 ストレス科学、 整形外科と災害外科、 精神医学、 精神科治療学、 精神神経学雑誌、 精神療法、 聖マリアンナ医学研究所医学研究業報、 世界災害報告、 全国自治体病院協議会雑誌、 仙台赤十字病院医学雑誌、 蘇生 、大事故災害の医療支援 、中毒研究、 透析ケア、 東京家政大学研究紀要、 ナースデータ、 名古屋市立病院紀要、 日大医学雑誌、 日本医師会雑誌、 日本医事新報、 日本学校歯科医会会誌、 日本看護科学会誌、 日本看護学会論文集、 日本社会精神医学会雑誌、 日本救急医学会雑誌、 日本救急医学会東海地方会誌、 日本公衆衛生雑誌、 日本災害医学会会誌、 日本集団災害医療研究会誌、 日本赤十字愛知短期大学紀要、 日本透析医会雑誌、 日本透析医学会雑誌、 病院設備、 兵庫県立看護大学紀要、 広島大学原爆放射能医学研究所年報、 プレホスピタル・ケア、 防衛衛生、 保健婦雑誌、 薬事新報、 大和証券ヘルス財団研究業績集、 リウマチ、 理学療法ジャーナル、 臨床と薬物治療、 臨床病理、 老年精神医学雑誌、 労働衛生
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Abstract:有効回答者83人について,PTSD-WHO陽性群(A群)59人と陰性群(B群)24人,GHQ20陽性群(C群)70人と陰性群(D群)13人に分けて検討した.1)被災後の脆弱性因子とされる性差,年齢分布,精神科治療歴については,A,B群間及びC,D群間いずれも有意差がなかった.2)ストレス因子としては,「震災時のストレス」,「震災の半年後から現在迄のストレス」のいずれについても,A,B群間及びC,D群間で有意差が認められた.個別の項目では,A,B群間で「震災時のストレス」のうち「身体的障害や大きな病気が残った」において,有意にA群に該当者が多かった.3)A,B群間で「震災時のストレス」よりも「震災時の半年後から現在迄のストレス」の方が,より「現在」(調査時点)の精神的健康度と関連していることが示された.4)精神的不健康の遷延下に予防的に介入するには,生活再建への物理的・心理的サポートを提供することが不可欠である.
Abstract:雲仙普賢岳の噴火周辺の災害地の住民(52,000人)の1/4が3年以上疎開しなければならない状況にある.QHQ-30疎開者用心理学的制御検討を行った.結果として8以上の高スコアは67%の疎開者にみられ,対照の10%より著しく高かった.地域看護婦によるカウンセリング,精神科医等による危機調整や医療等精神的指示がよい結果をもたらした.
Abstract:ワークフロー記述に利用者の表現や理解の容易なIDEF0モデルを取り上げ,これを拡張したものでトリアージをモデル化し,阪神淡路大震災のデータに基づくシミュレーションを行った.このモデルは,負傷者の待ち数により動的にワークフローを変化させその処理能力の向上を図るものである.このシミュレーションにより,スタッフを4人から6人に増やせば50人の負傷者選別に要する時間を90分以上短縮できることが確認された.
Abstract:阪神大震災で被災した乳児の心理的ケアニーズを明らかにするため,救援活動を行った看護職を対象に質問紙を作成し回答を得た.この内子供に関わりのあった370人の回答を発達段階別及び,震災後の各時期における症状の特徴をみた. 1)関わりのあった乳児・幼児の30.2%に何らかの精神的症状がみられた. 2)精神的症状は,乳児と幼児で比較すると乳児の方が有意に多かった. 3)精神的症状は,「震災直後」から30〜40%程度認められ,「混乱期」「脱混乱期」「復興期」を通してその数に変化はみられなかった. 4)乳児・幼児共に,「混乱期」「脱混乱期」「復興期」に比べ,「震災直後」の精神的ケアの効果は有意に低かった. 5)乳児・幼児に対するケアは,母親を通してのものが多く,「母親の訴えをよく聴く」ケアは他のケアに比べ有意に効果があった.それに加え,幼児へは「一緒に遊ぶ」ケアが効果的であった.
特集【災害時の看護を考えてみよう】 災害看護の実際 その時看護婦はどうしたか】
Abstract:1)対象248名のポートアイランド第1,2仮設住宅の住民の多くは65歳以上,半数以上は一人暮らし.現在,約8割の人に治療中の病気や気になる症状があり,関節痛や腰痛が最も多く,また慢性疾患が多くみられた. 2)4割弱の者に震災後新たに病気や気になる症状が生じたり,震災前からの病気や症状以外に新たに病気や気になる症状が生じておる. 3)男は女より交友関係を築きにくいことから,特に男は孤立化する傾向が強い.
Abstract:1)対象の高齢者のリソースの喪失は17RQの3因子17項目の全てにわたり得点が低く,2時点とも全体として震災前の状態と比較して変化が少なかった. 2)対象の高齢者の喪失の得点は「体の調子」「自分の生活を思うようにできる感じ」「何かをやろうとする気持ち」「家財道具」「友人とのつながり」の順に高かった. 3)震災後6ヵ月と15ヵ月の2時点においてリソースの喪失得点に有意差はなく,全体として2時点間のリソースの喪失の状況に変化はなかった. 4)震災後6ヵ月のリソースの喪失得点と15ヵ月後の得点の間には有意な正の相関がみられ,6ヵ月後のリソースの喪失状況は15ヵ月も持続していた.
Abstract:対象者宅を直接訪問し,日常生活活動能力(Barthel Index)と社会的機能(ESCROW Profile)を調査した.対象者を一人暮らしの独居群と家族と同居する同居群に分けて比較したところ,独居群は常に同居群より高い日常生活活動能力を示し,同居群は常に高い社会的機能を有していた.しかし,ESCROW Profileを補正(家族構成の項目を除外)した場合は,独居群と同居群の高低が逆転した.これらのことから,独居群は高い潜在能力を有していることが暗示され,両群の特徴を知る必要性と今後の災害時における医療従事者の留意すべき点が示唆された.
Abstract:製造業,病院,地方公務員,交通・港湾関連の勤労者3,015名から回収した質問票を分析した結果,ストレス関連諸症状の訴えは家屋被害が大きい群ほど高く,それら諸症状の訴えは時間経過に伴い減少するが,家屋被害の大きい群では1年半後にも高い訴えを示した.例えば心的外傷後ストレス障害様の症状を示す者の比率を男性勤労者についてみると,「家屋被害なし,或いは軽微であった群」では,震災直後21.8%,3ヵ月後12.9%,1年半後3.7%であり,「家屋被害が大きく元の家に住むことができなかった群」では,直後48.0%,3ヵ月後34.2%,1年半後12.6%であった.持病の再発・悪化を訴える者の比率は震災直後頃よりも3ヵ月後頃に高く,1年半後でも殆ど減少せずそのまま残った.職業上の問題としては,失業不安,震災後の繁忙と過労,無理な出勤,通勤の不便,危険を感じながらの作業,収入減,勤務地の変更・出向が訴えられた.
Abstract:大阪府堺市で発生した病原性大腸菌O157:H7集団食中毒では,続発して100名を超える患者が溶血性尿毒症症候群に罹患した.当科に搬送された患者の両親に対しアンケート調査を,看護婦に対し聞き取り調査を実施し,入院中の治療環境に対する認知を検討した. 1)病院転送時に,患者側に病院を選択する余裕はなく,家族は自宅より病院まで遠くても仕方がないと考えていた. 2)同一疾患患者を一大部屋に収容したことは,患者間及び保護者間共に連帯感が生じ,心理的サポートが得られた. 3)他疾患で入院している患者及び家族からの感染に対する不安は少なかった.
Abstract:被災者681名に,質問票を用いて調査した.質問票は「外傷体験」,「再体験」,「回避行動」,「過度覚醒状態」,「不適応」の5項目で構成され,「再体験」で1つ以上,「回避行動」で3つ以上,「過度覚醒状態」で2つ以上該当回答があった場合をPTSDとした.PTSD発症率は49例7.2%で,性差はなかった.60歳以上の高齢者層の発症率は31例15.3%と有意に高く,震災から90〜180日の期間に高い発症率がみられた.単・重回帰分析では「回避行動」項目とPTSD発症との間に高い相関が認められた.オッズ比の検討でも「回避行動」項目で該当回答した群のPTSD発症率は高く,PTSDの中核症状は「回避行動」であると推察された.
Abstract:1996年6月13日福岡空港にて発生した航空機の離陸失敗,炎上事故における負傷者の受傷機転及び損傷の程度について報告した. 1)救急搬送された21名中6例に骨折を認めた. 2)航空機事故のみならず災害時の医療体制の整備が必要と思われた.
Abstract:精神病圏や痴呆などを除く疎通性良好な対象患者186名中,DSM-IV診断基準に適合したPTSDは6例であった.PTSDの4症例に関してはうつ病とのcomorbidityを認めたが,これらにおいてはPTSDがうつ病経過上の部分症状を構成しているものとも解釈された.PTSD症例は診断基準に適合してもその疾患単位性は必ずしも保証されない可能性と,我が国におけるPTSD概念の詳細な検討の必要性を指摘した.
Abstract:50歳女,本症例には地震の再体験,過覚醒等の症状が認められ,これにかかわる認知モデルを作成した.その中で「大きな地震が来るのでは」という否定的自動思考を生む"破局視"に焦点を当て,その修正を試みた.また地震翌日に偶然生じた夫の突発性難聴に関して「治らなかったのは自分の責任」という強い罪責感が認められ,これがPTSD症状遷延化の原因となった.この罪責感には"自己関係づけ"や"すべし表現"といった認知の歪みを伴ったため,「誰の責任かのとらえ直し」という再帰属法を行い改善に至った.
特集【わが国におけるPTSD研究の動向】 わが国の災害PTSD
Abstract:General Health Questionnaire(GHQ)30によって追跡調査した.避難生活開始6ヵ月後,12ヵ月後,24ヵ月後に調査が実施された.GHQ高得点者率とGHQ平均得点は,第3回調査時点においてさえも,57%,11.2点と尚,高かった.「不安・緊張・不眠」因子は高得点者率と同じ経過をたどって改善していた.「無能力・社会機能障害」因子には性差を認め,男性は改善を認めなかった.「抑うつ」因子は全経過を通じて改善をみせず,「快感消失」因子はやや変則的な改善にとどまった.「対人関係障害」因子は,避難生活の長期化と共に有意に悪化した.精神症状は被災後の早い時期から改善を始めるものの,その後はゆるやかに変化していくことが確認された.
Abstract:これ迄のPTSDに関連する知見をまとめると, 1)事件後早期の精神症状はサリン中毒による器質的要素を除外できないため検討が困難である 2)事件から6ヵ月後の時点ではPTSDの診断基準を満たす或いはPTSD評価尺度で高得点であった者が7.8〜26%と比較的高率であった 3)2年後の時点でPTSDの診断基準を満たす者2.1%,何らかのPTSD症状を呈していた者1割以上 4)PTSD症状関連の精神症状は遷延化する傾向もみられるといった点が挙げられる.
Abstract:被災地に勤務し,震災後の救援活動に従ことした消防職員36名に震災後20〜22ヵ月の時点で精神医学的面接を施行したところ,8名が心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断された.そのうちの1例についてやや詳細に検討し,災害救援者の精神保健について考察した.今回の対象者の多くは,自身が被災しながら救援活動に従ことした者たちであり,狭義の心的外傷(トラウマ)ばかりでなく,困難な状況の中でこうむった様々なストレスがPTSD発症に促進的に働いたと考えられた.また,大災害後の職業的救援者の精神健康の維持のために,職業的プライドの尊重とインフォーマル・デイブリーフィングが重要であることなどを指摘した.
Abstract:被災者に対して,こと故後6ヵ月後と1年後の2回精神保健に関する経時的な調査を行った.きわだって高い発現率を示したのは飛行機や乗り物に関する恐怖症状であった.こうした恐怖症状やフラッシュ・バック症状については,こと故後1年を経て若干の改善を示しているものの,離人感や集中困難等の解離関連症状はかえって悪化しており,GHQ総点でも改善は認められなかった.このような症状遷延化の理由については,被災者を取り巻く第三者の無理解等による外傷や初期介入の失敗などが考えられる.後者については,今後精神医学の専門家からなる救急出動可能なメンタルヘルス・サービス・チームを作るなど,危機介入体制が必要であると考えられる.
Abstract:阪神・淡路大震災での被災を契機に入院に至った精神科患者の3事例に風景構成法(LMT)を実施した.施行は入院した直後の初回検査と,それから約1年後の外来通院中に成された再検査の2回であり,各事例について2つのLMTを比較検討し,混乱から回復への変化をLMTに見た.尚,3事例は被災前はそれぞれの在り方で適応的な生活をしていたものの,精神分裂病や非定型精神病という原疾患を持っていたため,LMTにもその特徴は反映されたが,それに加えて被災による心的外傷はLMTに大きく投影された.
Abstract:震災後の受診者中,痴呆・せん妄,気分障害,不安障害(PTSD・ASDを含む),身体表現性障害,睡眠障害が多くみられた.今回の調査の特徴としては,地震の年には,被災地中心部では身体表現性障害が多く,PTSD,急性ストレス障害といったストレス関連障害が少なかったのに対し,周辺部では逆に身体表現性障害が少なく,ストレス関連障害が多く統計的に有意な地域差がみられたこと,更に有意差はみられなかったが被災地中心部で前年に比べて痴呆・せん妄の比率が高かったことや,地震の1年後にも数例ではあるが震災による発症と考えられる受診者がみられたことがあげられる.
―イギリスにおける実践より学ぶ―
(小栗顕二・監訳、大事故災害の医療支援、東京、へるす出版、1998年)
Abstract:激震からは免れ火災や倒壊などによる被害が比較的少なかったA市の保健所が行う乳児健康診査・3歳児健康診査に来所した68名の母親を対象とし,半統制型の面接調査を行った.震災後の母子を取り巻く環境の変化に伴い,心身の健康状態には通常とは異なる様々な変化が生じていた.それらの状態の変化は殆どの場合,時間の経過と共に消失していたが,中には震災後1年が経過した時点まで持続していたケースも見られた.以上をふまえて,災害時の母子支援システムとして以下の4点を提言した. 1)知識の普及, 2)ニードに合わせた専門的窓口の設置, 3)ネットワーク作り, 4)今後のフォローアップの必要性.
Abstract:1991年に雲仙普賢岳の噴火で被災した児童64名(小学校2〜4年生)が噴火の1年半後に執筆した記述表現(作文)を対象とした.記述を繰り返し読み,児童のオリジナルな表現を損なわない範囲で表現を文章のブロック,更には名詞へと解体することを試みた.記述表現から211個の「形式・形態的文章のまとまり」が見いだされ,それらは14の環境・生活変化に関連した「状況」に分類できた.各「状況」の構成名詞(2938個)の分析から6項目の「注目」が見出された.児童は噴火活動そのものより身近な生活変化に多く注目していたことが示唆される.児童の環境認識に関連して高い個別性と具体性が観察された.
Abstract:避難生活開始6ヵ月後に第1回調査,12ヵ月後に第2回調査,24ヵ月後に第3回調査が実施された.GHQ高得点者率とGHQ平均得点は第1回調査から第2回調査,及び第1回調査から第3回調査へと有意な改善を認めたが,第3回調査時点においてさえも高得点者率は57.3%,平均得点は11.21点と高かった.年齢層との関係をみると,若年齢層に比べ中高年齢層はストレスから解放され難く,その特性は男よりも女に強く現れていた.女の場合,日常生活要因が次第にリスク化し,更にリスク要因は加重されていく可能性も示唆された.つまり,災害の精神医学的影響は女に大きく作用し,中高年者のリスクを高めていた.
Abstract:阪神・淡路大震災において家屋の倒壊などで下敷きとなった59症例の血液検査を調査した. 1)腎機能障害が出現した群ではしなかった群と比較して高齢であり,白血球数,カリウム,LDH,GOTの高値,総蛋白,カルシウム,base excess,HCO3-の低値が認められ,カルシウムは様々な条件においての比較でも有意差が認められた. 3)初期のカリウム値と経過中のクレアチニンの最高値とは正の相関を初期のカルシウム値とは負の相関を認めた. 4)挫滅症候群が予想される場合には早期に血液検査及び血液ガス分析を行い,白血球数,カリウム,LDH,GOTの高値及び総蛋白,カルシウム,base excess,HCO3-の低値が認められる場合には理学所見を含めて総合的な診断が重要である.
Abstract:医療救護体制及び施設を現地調査し検討を行った.本大会の有料入場者数は860万人で救護所の総受診者数は9269名であった.疾患別では外傷が42.2%,呼吸器疾患が12.6%,消化器疾患が10.1%等であった.高温による熱中症は会期中の天候不順により予想を下回り,917名に留まった.オリンピックにおける医療救護は,mass gathering医学の観点から分析すると開催地の環境因子の影響が大きい.アトランタ大会の特徴として,全ての医療救護施設にAdvanced Life Support(ALS)の概念を明確に導入し機器配置,要員研修に取り入れていた.災害医療計画を通常のオリンピック医療救護の中の独立した項目として取り上げ,災害のトリアージ体制とこれに基づく広範な支援体制が構築されていた.
クラッシュ症候群のカルシウム動態について
Abstract:1996年7月第2週に大阪府堺市で学校給食が原因と思われる小学生を中心とした患者総数約1万名以上迄達するVTEC O157(verotoxin-producing Escherichia coli O157)集団食中毒が発生した.喫食調査,発生状況及びEHEC(腸管出血性大腸菌)の潜伏期間より7月8・9日の学校給食が疑われ,有症者が摂取した共通の非加熱食材であり,有症者から検出されたO157のDNAパターンが一致したこと等より大阪府内の特定の生産施設の貝割れ大根が原因である可能性が否定できないと報告された.1996年7月13日より31日迄の間にのべ2,109名の出血性大腸炎外来患者及び14名の入院患者(うち溶血性尿毒症症候群11例)を加療した.
災害管理演習(HELP'97より)
Abstract:調査は兵庫県南部地域に在住するRA患者285人を対象に,震災より1年10ヵ月後に質問紙調査より行われた.対象者の平均年齢は58.8歳,RA罹患年数は12.8年で,自宅損壊の被害を受けた者は83.1%いた.震災後RA症状が悪化した者は全体の45.3%であった.RA患者の震災後ストレス尺度の因子分析より「社会適応困難」「抑うつ・生理的反応」「とらわれ」「回避」の4因子が抽出された.震災後ストレスとRA悪化との重回帰分析の結果「抑うつ・生理的反応」においてストレスが高いものがRA症状の悪化を予測した.震災ストレス項目とRA悪化との関連では「抑うつ・生理的反応」に属する全ての項目と「社会適応困難」に属する複数の項目で関連が見られた.
Abstract:1)マスク,ゴーグルの着用率は地元漁民と比べて,高かったが,100%ではなかった.教訓事項としてゴーグル,マスクの十分な数の確保,迅速な配布及び着用の必要性の徹底させることが重要である 2)重油によると思われる,大きな臓器障害はなかった.
Abstract:対象者は,神戸の高層集合住宅に居住するもの(神戸群)226人,千里ニュータウンの高層集合住宅に居住するもの(千里群)255人であり,全て老人クラブの会員であった.神戸群には,身体に不調を訴えるものや抑うつ傾向を示すものが多く,その傾向が強いものほど,外出頻度が少なかったり,活動量が低下したりする傾向がみられた.高層群も低層群も高層集合住宅の環境に満足しているものが多かった.身体的・精神的な健康,活動量,外出頻度,体力等の結果より,現在の居住環境に適していると考えられた.
Abstract:原発性Sjoegren症候群女性患者64名のうち58名は被災地域の居住者でこれを被災甚大群,8名の被災軽微居住者を被災軽微群として震災後の臨床所見について検討した.被災甚大群では眼症状の増悪は22%,口腔乾燥症状の増悪は9%に認めた.しかし,Schirmer試験値及びgum試験値は震災前後で差を認めなかった.併発症としては,ヘルペス感染を16%,呼吸器感染を9%に認めた.倦怠感は8名にみられ,うち4名はステロイド剤や甲状腺剤の内服不能が原因であった.しかし他の4名では,消化管潰瘍併発9%,血圧上昇8%,Raynaud症状の悪化6%,記銘力障害8%の各頻度で出現した患者と共に震災後の精神stressが原因と考えられた.
Abstract:検診対象の第1群は阪神・淡路大震災後の1995年3月の避難所検診受診者446人で,第2群は震災前の1994年3〜11月の同地区検診受診者1618人である.2つの群の検診結果を比べると,肥満者の割合,受診者の性別と平均年齢,及び血清総コレステロール,クレアチニンとγ-GTPの平均値に有意差は無かったが,震災後に飲酒者の割合が減少していた.しかし,飲酒習慣又は肥満とは関係なく,震災後の血清アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ,アラニンアミノトランスフェラーゼ及びトリグリセリドの平均値は総て上昇していた.これらの結果は,震災ストレスが肝機能と脂質代謝に影響を及ぼしたことを示している.