Annals of Internal Medicine 3月10日号 より
COVID-19について、中国で公開された資料から必要な情報を集計し、曝露から発症までの時間を検討しています。流行地域を避けて情報を精査しているようです。
まだ明らかでないことが多い新規の疾患の病像を、公開データの集計でも臨床現場に必要な情報を得ることができる点は注目に値します。
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広報された確定診断例からの新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の潜伏期間:推測および適用について
https://annals.org/…/incubation-period-coronavirus-disease-…
要約
背景:
新規のヒトコロナウイルスである新型コロナウィルス(SARS-CoV-2)は、2019年12月に中国で確認された。新型コロナウィルス感染症(COVID-19)については、潜伏期間を含む疫学的特徴の多くの裏付けは限定的である。疫学的特徴はサーベイランスおよび感染制御に重要な意味を持つ。
目的:
COVID-19の潜伏期間の長さを推定し、公衆衛生への影響を明らかにする。
デザイン:
2020年1月4日から2020年2月24日までに報告された、COVID-19確定例のプール分析。
設定:
中国の湖北省武漢以外の50の省、地、および県からのニュースレポートとプレスリリース。
参加者:
中国湖北省以外でSARS-CoV-2感染が確認された患者。
測定:
患者の人口統計学的特徴、曝露の日時、発症の日時、発熱の日時、および入院日時。
結果:
COVID-19の潜伏期間を推定するために、曝露から発症までのウィンドウ期が同定可能な症例は181例であった。潜伏期間の中央値は5.1日(95%CI、4.5〜5.8日)と推定され、曝露者のうち97.5%は11.5日(CI、8.2〜15.6日)以内に発症する。これらの推定値から、控えめに仮定しても、10,000例ごとに101例(99パーセンタイル:482)が14日間の積極的なモニタリングまたは検疫後に発症することになる。
制限:
広報された症例は、重症例を過剰に報じている可能性がある。推定される潜伏期間、軽症例では異なる可能性がある。
結論:
この研究により、COVID-19の潜伏期間の中央値がSARSと同様に約5日間であることが改めて示された。我々の結果は、SARS-CoV-2に曝露された人の隔離期間または積極的なモニタリングに関するこれまでの方針を支持するものである。しかし、極端な症例には長期のモニタリングが正当化される。
Primary Funding Source:
U.S. Centers for Disease Control and Prevention, National Institute of Allergy and Infectious Diseases, National Institute of General Medical Sciences, and Alexander von Humboldt Foundation.
(PRC委員 大藤)