Bedside Optic Nerve Ultrasonography for Increased Intracranial Pressure
Annals on Internal Medicine 11月号から下記論文を紹介します
Ann Intern Med. 2019;171:896-905. 19 November 2019.
頭蓋内圧亢進を診断するためのベッドサイド視神経超音波検査
システマティックレビューとメタ分析
背景:視神経超音波検査(視神経鞘径測定超音波)は非侵襲的で迅速な頭蓋内圧亢進診断のための検査方法として提案されてきている。
目的:小児と成人の頭蓋内圧亢進診断に対する、視神経超音波検査の正確性を評価する
データソース: 開始から2019年5月までの13のデータベース、参照リスト、会議の議事録
選択された研究: すべての年齢層または参照基準を含む、あらゆる言語で発表された前向き視神経超音波検査の診断精度の研究
データの抽出::3人の審査員が独立してデータを抽出して質の評価を行った。
データの合成:
4551人の患者を含む71の適格な研究のうち、61は成人を含むもので、35はバイアスのリスクが低いと評価された。外傷性脳損傷患者の視神経超音波検査の感度、特異度、陽性尤度比、陰性尤度比はそれぞれ97%(95%CI、92%〜99%)、86%(CI、74%〜93%)、6.93(CI、3.55〜13.54)、および0.04(CI、0.02〜0.10)であった。非外傷性脳損傷患者のそれぞれの推定値は、92%(CI、86%〜96%)、86%(CI、77%〜92%)、6.39(CI、3.77〜10.84)、および0.09(CI、0.05〜0.17)であった。精度の推定値は、患者の年齢、検者の専門性と熟練性、参照基準、超音波検査者の盲検状態、およびカットオフ値によって層別化されると、研究間でも類似していた。超音波検査での視神経鞘径の最適なカットオフ値は5.0 mmであった。
この研究の限界: 小規模な研究、不正確な要約推定値、出版バイアスの可能性、臨床結果への影響の評価が無い、など。
結論::
視神経超音波検査は、頭蓋内圧亢進の診断に役立つ。視神経鞘径が正常であれば 高い感度と低い陰性尤度比で、頭蓋内圧亢進を除外しうる。一方視神経鞘径が増大しる場合、高い特異性と陽性尤度比をもって、頭蓋内圧亢進と追加の確認検査の必要性が示される。
本文は下記リンクから参照できます
https://annals.org/…/bedside-optic-nerve-ultrasonography-di…
PRC委員 山本 智清