Annals of Internal Medicine のORIGINAL RESEARCH |31 DECEMBER 2019 からの紹介です。
Disease-Modifying Effects of a Novel Cathepsin K Inhibitor in Osteoarthritis: A Randomized, Placebo-Controlled Study
https://annals.org/…/disease-modifying-effects-novel-cathep…
新規カテプシンK阻害薬の変形性関節症に対する疾患修飾効果:プラセボ対照ランダム化比較試験
背景:MIV-711は新規選択的カテプシンK阻害薬であり、変形性関節症モデルの前臨床試験において、骨と軟骨に有益な効果を示している。
目的:膝関節の症状およびレントゲン検査上所見を有する変形性関節症を罹患する被験者において、MIV-711の効果、安全性および忍容性を評価する事。
デザイン:26週間ランダム化二重盲検プラセボ対照試験のフェーズ2a試験とこれに引き続き26週間の安全性に対するオープンラベルサブ試験。
セッティング:ヨーロッパの6地域
被験者:Kellgren–Lawrence grade 2 あるいは 3 および 疼痛数値評価スケールで4から10スコアを有する初期の変形性膝関節症244人。
介入:MIV-711 100mg投与82人、200mg投与81人、対照プラセボ投与77人。200mg投与の46人とプラセボ投与の4人の被験者は、その後、拡大サブ試験(MIV-711:200mg毎日投与)に進んだ。
計測:主要評価項目は、疼痛数値評価スケールの変化であった。重要な二次評価項目は、MRI検査の骨域変化であった。その他の2次評価項目には、定量的MRIでの軟骨層厚とバイオマーカーのtype I および II collagen C-telopeptideが含まれていた。
結果:疼痛数値評価スケールは、統計学的に有意な変化が見られなかった。(placebo, −1.4; MIV-711, 100 mg/d, −1.7; MIV-711, 200 mg/d, −1.5) MIV-711は、大腿骨の骨密度平均の低下を著明に抑制 (P = 0.002 for 100 mg/d and 0.004 for 200 mg/d)、大腿骨平均軟骨層の菲薄化を抑制 (P = 0.023 for 100 mg/d and 0.125 for 200 mg/d)、著明にバイオマーカー値も抑制した。6人の被験者に9件の重篤な副反応があった。1人はプラセボ群、3人は100mg投与群、2人は200mg投与群であったが、いずれも治療に関連しないものと考えられた。
限界:比較的短期間の試験であった。
結論:MIV-711は疼痛に対しては、プラセボに較べ有効ではなかった。しかし、高い安全性の側面を有しながら、骨と軟骨の病態進行を有意に抑制した。この治療は、変形性関節症の疾患修飾薬として、さらなる評価に値する可能性がある。
主たる資金源:Medivir社
#変形性関節症 #カテプシンK阻害薬
PRC 平野昌也