ACP Internist Weekly March 10, 2020よりMKSAPクイズを紹介

ACP Internist Weekly March 10, 2020よりMKSAPクイズをご紹介いたします。

MKSAP Quiz: Difficulty holding head upright

71歳女性が頭部挙上保持困難を主訴に来院している。彼女は頭が重いと感じており、夕方になると嚥下障害と発語障害が断続的に出現すると言っている。疼痛、感覚障害、四肢筋力低下はなく、認知機能障害、視覚症状も認めない。他の医学的問題はなく、薬も服用していない。
身体所見では、バイタルサインは正常である。発語は軽度の構音障害を認め、 頚屈は弱く、眼瞼下垂、眼筋麻痺、感覚障害、四肢筋力低下は認めない。
血液検査では、血清CK値は正常で、抗アセチルコリン受容体抗体は検出されていない。
四肢の神経伝導検査及び針筋電図では明らかな異常所見を認めないが、反復刺激試験にて減衰を認める。頭部MRIは正常である。

次のうち最も可能性の高い診断はどれか?
A. 球麻痺型筋萎縮性側索硬化症
B. 封入体筋炎
C. 多発性硬化症
D. 重症筋無力症
E. 多発性筋炎

正解と解説は、下記のリンクからご覧ください。

https://www.acpinternist.org/weekly/archives/2020/…/10/3.htm

PRC委員 池田賢一

Annals of Internal Medicine 3月10日号 より

Annals of Internal Medicine 3月10日号 より
COVID-19について、中国で公開された資料から必要な情報を集計し、曝露から発症までの時間を検討しています。流行地域を避けて情報を精査しているようです。
まだ明らかでないことが多い新規の疾患の病像を、公開データの集計でも臨床現場に必要な情報を得ることができる点は注目に値します。
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広報された確定診断例からの新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の潜伏期間:推測および適用について

https://annals.org/…/incubation-period-coronavirus-disease-…

要約
背景:
新規のヒトコロナウイルスである新型コロナウィルス(SARS-CoV-2)は、2019年12月に中国で確認された。新型コロナウィルス感染症(COVID-19)については、潜伏期間を含む疫学的特徴の多くの裏付けは限定的である。疫学的特徴はサーベイランスおよび感染制御に重要な意味を持つ。

目的:
COVID-19の潜伏期間の長さを推定し、公衆衛生への影響を明らかにする。

デザイン:
2020年1月4日から2020年2月24日までに報告された、COVID-19確定例のプール分析。

設定:
中国の湖北省武漢以外の50の省、地、および県からのニュースレポートとプレスリリース。

参加者:
中国湖北省以外でSARS-CoV-2感染が確認された患者。

測定:
患者の人口統計学的特徴、曝露の日時、発症の日時、発熱の日時、および入院日時。

結果:
COVID-19の潜伏期間を推定するために、曝露から発症までのウィンドウ期が同定可能な症例は181例であった。潜伏期間の中央値は5.1日(95%CI、4.5〜5.8日)と推定され、曝露者のうち97.5%は11.5日(CI、8.2〜15.6日)以内に発症する。これらの推定値から、控えめに仮定しても、10,000例ごとに101例(99パーセンタイル:482)が14日間の積極的なモニタリングまたは検疫後に発症することになる。

制限:
広報された症例は、重症例を過剰に報じている可能性がある。推定される潜伏期間、軽症例では異なる可能性がある。

結論:
この研究により、COVID-19の潜伏期間の中央値がSARSと同様に約5日間であることが改めて示された。我々の結果は、SARS-CoV-2に曝露された人の隔離期間または積極的なモニタリングに関するこれまでの方針を支持するものである。しかし、極端な症例には長期のモニタリングが正当化される。

Primary Funding Source:
U.S. Centers for Disease Control and Prevention, National Institute of Allergy and Infectious Diseases, National Institute of General Medical Sciences, and Alexander von Humboldt Foundation.

(PRC委員 大藤)

ACP Internist Weekly | Test yourself | February 25, 2020からMKSAPクイズを紹介

ACP Internist Weekly | Test yourself | February 25, 2020からMKSAPクイズを紹介します。

MKSAP Quiz: 10-day history of abdominal cramping, diarrhea
10日間続く腹部痙攣痛と下痢

36歳男性が腹部痙攣痛、下痢、倦怠感、嘔気が10日間続くために受診している。下痢は水溶性であるが粘液や血液はない。患者はペルー、リマへの7日間の旅行から2週間前に帰国していた。

診察所見では体温 37.7 °C (99.9 °F)である。その他のバイタルサインは正常である。腹部診察では腸蠕動音は聴取され、触診で広範囲に圧痛が認められる。腹部膨満はない。筋性防御や反跳痛は見られない。

便のPCR検査ではサイクロスポラが陽性であった。

最も適切な治療はどれか?
A.アトバコン
B.メトロニダゾール
C.ピリメタミン(本邦未承認)
D.キナクリン(本邦未承認)
E.スルファメトキサゾール‐トリメトプリム

正解と解説は下記を参照してください。
https://acpinternist.org/weekly/archives/2020/02/25/3.htm

# サイクロスポラ

PRC委員 川田秀一

ACP diabetes monthly 2月14日号よりSGLT-2阻害薬の心血管アウトカムに対する レビュー記事を紹介

ACP diabetes monthly 2月14日号よりSGLT-2阻害薬の心血管アウトカムに対する レビュー記事を紹介いたします。
SGLT-2 inhibitors reduced risk of cardiovascular disease, death, review finds

  システマティックレビュー/メタアナリシスの著者は心血管リスクがある患者に対しSGLT-2阻害薬の使用を増やすためにガイドラインの再考を推奨した。 
  最近のシステマティックレビューによるとSGLT-2阻害薬は患者が心血管疾患または腎疾患の既往を有していたかどうかにかかわらず、糖尿病患者の心血管疾患および死亡リスクを低下させた。
研究者達は糖尿病患者を対象とした、プラセボとSGLT-2阻害薬を比較した4つの大規模研究のシステマティックレビュー/メタアナリシスを行った。4つの研究では全母集団および研究開始時に、心血管疾患、腎機能低下、心不全のいずれかを既往として有していた患者の各サブグループで心血管アウトカムに対する効果が報告されている。結果は1月29日号のJournal of the American Heart Associationに公開されている。
追跡期間中央値は2.9年で38723人の患者を対象としている。 22870人(59%)に心血管疾患、7754人(20%)に腎機能障害、4523人(12%)に心不全をそれぞれ既往として有していた。対象となった4研究では合計で3823回の主要な心臓イベント、1192回の心不全入院、1506人に心血管死及び、2612人に全原因死亡がそれぞれ発生した。全体的効果の検討ではSGLT-2阻害薬はクラス効果として主要な心臓イベントの有意な減少を認めた(ハザード比0.88 95% CI 0.82-0.94 P<0.001)。 SGLT-2阻害薬で観察された有用性が、治験参加時に基礎疾患として存在する心血管疾患、心不全によって定義づけられるサブグループによって異なるということはなかった。(サブグループでの異質性評価:P>0.252 I2検定<25%)
  どの患者サブグループ(心血管疾患 腎機能低下 心不全)も「心不全による入院」(サブグループ異質性 P>0.302 I2<10%)「心血管死」(サブグループ異質性 P>0.167 I2<50%)「全原因死亡」(サブグループ異質性 P>0.354 I2=0%)というアウトカムにSGLT-2投与群で有用性が見られた。この研究ではサブグループ間で効果に1つ違いが明らかにされた。SGLT-2阻害薬は腎機能が低下した患者では脳卒中のリスクが低下したが、腎機能が保たれている患者では脳卒中のリスク低下を認めなかった。(サブグループ異質性 P=0.020 I2=81%)
 “サブグループ間での研究結果の広範な一致から、クラス全体としてSGLT-2阻害薬の幅広い臨床使用が提案される。“と著者らは記載している。彼らは様々な背景を持った2型糖尿病の患者がこのクラスの薬剤の恩恵を受ける可能性が高いと述べている。”我々の結果は心血管疾患の既往の有無にかかわらずSGLT-2阻害薬投与の推奨に関して現行のガイドライン再評価が必要である。“ と記載されている。著者らは基礎疾患として心血管疾患のない患者のイベント発生率が低いことがそのサブグループで統計検出力を低下させることを警告している。
注)
I2統計:偶然を超えた不均一性の変動率
0-25% 不均一性は低い可能性
26-75% 不均一性は中等度の可能性
76-100% 不均一性は高度の可能性
異質性評価におけるP値<0.05は偶然を超えて異質性が高い可能性がある

PRC 西村 光滋
#SGLT-2阻害薬 #心血管アウトカムリスク低下 #死亡リスク低下
元になった論文は下記となっています。
PMID: 31992158
https://diabetes.acponline.org/archives/2020/02/14/3.htm…

Internist Weeklyからの記事を紹介

Internist Weeklyからの記事を紹介致します。

Antivirals plus antibiotics may lower risk of hospitalization in some patients with influenza

インフルエンザ罹患時の抗ウイルス療法に抗菌薬を併用することによって入院リスクを低減できるかもしれない

この研究では抗ウイルス薬単独療法と比較して、抗ウイルス薬・抗菌薬併用療法では30日以内の呼吸器疾患が原因の入院リスクが有意に減少した(註1)が、このことは併用療法が一般的に用いられるべきであることを意味する訳ではない、と著者は述べた。

インフルエンザに罹患した米国退役軍人では、抗ウイルス薬・抗菌薬併用療法により原因を問わない入院・呼吸器疾患での入院が減少したことが最近の後ろ向き研究で示された。

研究者はVeterans Affairs Informatics and Computing Infrastructure (VINCI:退役軍人の健康管理データ情報)を利用し、2011年1月から2019年1月の間に検査で確定したインフルエンザ患者の臨床経過に注目した。

インフルエンザ診断から30日以内に、原因を問わない入院と呼吸器疾患での入院を、無投薬群、抗ウイルス薬単独群、抗菌薬単独群、抗ウイルス薬・抗菌薬併用群の間で比較した。プライマリケア施設もしくは病院救急外来を訪れて診断された者、救急外来に搬送された者は除外、インフルエンザ診断の30日前までに入院歴がない者、インフルエンザ診断当日に入院となった者は除外、受診時からのvital signのデータがある者を対象者とした。結果はオンライン版1月24日付 Clinical Infectious Diseaseに掲載されている。

インフルエンザと診断された12806人の対象者の内、4228は無投薬群、6492人は抗ウイルス薬単独、671人は抗菌薬単独、1415人は抗ウイルス薬・抗菌薬を処方された。インフルエンザの診断の大部分は病院救急外来で行われた。抗菌薬で投与頻度が高かったものはマクロライド、ペニシリン、キノロン系、テトラサイクリンであった。抗ウイルス薬はオセルタミビルが筆頭で99.9%を占めた。抗ウイルス薬と抗菌薬を処方された群はチャールソン併存疾患指数(Charlson Comorbidity Index)が最も高く(1.62)、抗ウイルス薬群は最も低かった(1.35)。

原因を問わない入院の割合は、無投薬群で最も高く(10.48%)、抗ウイルス薬・抗菌薬併用群で最も低かった(3.18%)。呼吸器疾患が原因の入院でも同じ傾向がみられ、無投薬群で最高となり(6.58%)、抗ウイルス薬・抗菌薬併用群で最低であった(1.06%)。診断から30日以内での原因を問わない入院のリスクは無投薬群と比較して、抗ウイルス薬群では63%(相対危険度RR 0.37:95%CI 0.32-0.44)、抗菌薬単独群では57%(RR 0.43 : 95%CI 0.31-0.62)、抗ウイルス薬・抗菌薬併用群では72%低かった(RR 0.28:95%CI 0.21-0.38)。治療薬の投与は、最初の5日間で最も高い入院阻止効果を示した。

抗ウイルス薬・抗菌薬併用群では、原因を問わない入院のリスクが抗ウイルス薬単独群よりも低い傾向にあったが、CIは各経過期間で1をまたいでいた(調整相対危険度:診断後1-5日0.67 (95%CI 0.41-1.11)、診断後1-10日0.67 (95%CI 0.44-1.01)、診断後1-30日0.73 (95%CI0.53-1.01))。呼吸器疾患による入院でも同様の傾向にあったが、異なる点は、診断後30日の時点で抗ウイルス薬・抗菌薬併用群では抗ウイルス薬単独群に対して有意差をもってリスクが低くなった(調整相対危険度0.53 (95%CI 0.31- 0.94))。サブグループ解析では65歳以上の慢性呼吸器疾患を有する患者において、抗ウイルス薬・抗菌薬併用群では抗ウイルス薬単独群と比較して呼吸器疾患による入院リスクが低くなっていた。

研究の限界が複数ある中で特に著者が言及した点は、観察研究であること、保険請求データベースに基づいていることであった(註2)。また研究対象者が主に白人、男性、平均年齢が57歳から60歳であり、結果は他の背景を持つ患者にまで一般化するものではないとも著者は述べている。研究の結果を踏まえると、抗ウイルス薬と抗菌薬の併用は、インフルエンザが確定した患者の内で一定条件を満たした患者には役立つかもしれないと著者は結論している。一方で、「併用療法を画一的に用いることは推奨しないし、今回の結果が現時点でのインフルエンザ診療に変化をもたらすものとも考えていない」と論文に記載されている。

註1:紹介記事では、「関連を認めた」と記載されています。
本研究は観察研究であり、評価項目とoutcomeに統計的関連を認めた、しかし、
研究の性質上因果関係は評価できないとの意味合いが込められています。PRC委員会Bグループ内で討論した結果、翻訳では内容理解を優先した表現としました。
註2:患者の併存症、その後の疾患発症・入院、処方内容は保険請求データから抽出

元になった論文は下記となっています。
Clin Infect Dis. 2020 Jan 24. pii: ciaa074. doi: 10.1093/cid/ciaa074. [Epub ahead of print]
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31974543

https://acpinternist.org/weekly/archives/2020/02/04/2.htm

2月11日付 Internist WeeklyからMKSAP Quizを紹介

2月11日付 Internist WeeklyからMKSAP Quizをご紹介いたします。

人工股関節置換術の周術期評価

周術期評価中の52歳女性。彼女は15年前に自動車事故での交通外傷以来、右股関節の骨関節炎を患っており、数ヶ月後に待機的人工股関節置換術を受ける予定である。既往歴に関しては、2型糖尿病以外特記すべきものはない。定期的通院は現在も行われており、最終月経は5週間前であった。内服薬はイブプロフェンとメトホルミンである。
身体学的所見に異常はなく、バイタルサインは正常。右股関節に疼痛と可動域制限を認める。

血液検査所見
ヘモグロビン値 10 g/dL (100 g/L)
平均赤血球容積 (MCV) 81 fL
血小板数 223,000/µL (223 × 109/L)
クレアチニン 1 mg/dL (88.4 µmol/L)
HbA1c 7.5%

次に行う検査として適切なものはどれか?
A. ヘモグロビン電気泳動
B. 鉄関連検査
C. ビタミンB12値
D. これ以上の検査は必要ない

原文・解説はリンクをご覧ください。
http://www.acpinternist.org/weekly/archives/2020/02/11/3.htm

# preoperative anemia

PRC委員 岡島史宜

2月4日付 Internist WeeklyからMKSAP Quizを紹介

2月4日付 Internist WeeklyからMKSAP Quizをご紹介いたします。

避妊へのアドバイスを受けるための受診 

37歳の女性が避妊へのアドバイスを求めて受診している。患者は既婚で、1歳の子供がいる。患者によると、この子供の妊娠は、以前処方されていた避妊薬の内服を頻繁に忘れたことによる「予定外」とのことである。月経は再開し定期的に認めているが、症状がひどく、その意味では患者にとって悩ましいものとなっている。既往歴に特記すべきものはない。患者は毎晩グラス1杯のワインを飲み、毎日1箱のたばこを喫煙している。他に健康上の問題はなく、内服薬もない。

本日施行した妊娠検査の結果は陰性であった。

患者は禁煙への簡単な介入を受けている。今は喫煙をやめる心づもりはないが、将来的には再び禁煙を考えたいとのことである。

この患者に最も適切な、女性向け避妊選択肢は次の内どれか。

A.エストロゲン・プロゲステロン配合経口避妊薬 
B.エストロゲン・プロゲステロン膣内避妊リング 
C.プロゲステロン含有子宮内避妊具
D.プロゲステロン単剤(“ミニ” ピル)

原文・解説はリンクをご覧ください。
https://acpinternist.org/weekly/archives/2020/02/04/3.htm
# contraceptive
PRC委員 安尾和裕

1月28日付のInternist Weekly よりMKSAP Quizの紹介

1月28日付のInternist Weekly よりMKSAP Quizのご紹介です。
MKSAP Quiz: 6-month history of loose stools, bloating, weight loss

6か月持続する軟便、腹部膨満感、体重減少

32歳の女性は、6ヶ月持続する軟便、腹部膨満、および3.2 kg(7ポンド)の体重減少で診察を受けた。それ以外に特記すべき事項はない。 彼女の兄弟は1型糖尿病であり、母親は自己免疫性甲状腺疾患である。 彼女は他の症状の訴えもなく、投薬もない。

身体診察で、バイタルサインおよびその他の所見は正常。 BMIは19。

臨床検査:
ヘモグロビン11.0 g / dL(110 g / L)
アラニンアミノトランスフェラーゼ60 U / L
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ42 U / L
総ビリルビン0.9 mg / dL(15.4 µmol / L)
フェリチン6 ng / mL(6 µg / L)
次に実行する最も適切な検査は次のうちどれですか?

A.抗グリアジンIgA抗体
B.抗サッカロミセスセレビシエIgA抗体
C.抗平滑筋抗体
D.抗組織トランスグルタミナーゼIgA抗体

原文は以下のリンクからご覧頂けます。
http://acpinternist.org/weekly/archives/2020/01/28/3.htm

# celiac disease 

PRC委員  鈴木克典

Annals on Internal Medicine 11月号から論文を紹介

Bedside Optic Nerve Ultrasonography for Increased Intracranial Pressure

Annals on Internal Medicine 11月号から下記論文を紹介します

Ann Intern Med. 2019;171:896-905.   19 November 2019.

頭蓋内圧亢進を診断するためのベッドサイド視神経超音波検査
システマティックレビューとメタ分析

背景:視神経超音波検査(視神経鞘径測定超音波)は非侵襲的で迅速な頭蓋内圧亢進診断のための検査方法として提案されてきている。

目的:小児と成人の頭蓋内圧亢進診断に対する、視神経超音波検査の正確性を評価する

データソース: 開始から2019年5月までの13のデータベース、参照リスト、会議の議事録

選択された研究: すべての年齢層または参照基準を含む、あらゆる言語で発表された前向き視神経超音波検査の診断精度の研究

データの抽出::3人の審査員が独立してデータを抽出して質の評価を行った。

データの合成:
4551人の患者を含む71の適格な研究のうち、61は成人を含むもので、35はバイアスのリスクが低いと評価された。外傷性脳損傷患者の視神経超音波検査の感度、特異度、陽性尤度比、陰性尤度比はそれぞれ97%(95%CI、92%〜99%)、86%(CI、74%〜93%)、6.93(CI、3.55〜13.54)、および0.04(CI、0.02〜0.10)であった。非外傷性脳損傷患者のそれぞれの推定値は、92%(CI、86%〜96%)、86%(CI、77%〜92%)、6.39(CI、3.77〜10.84)、および0.09(CI、0.05〜0.17)であった。精度の推定値は、患者の年齢、検者の専門性と熟練性、参照基準、超音波検査者の盲検状態、およびカットオフ値によって層別化されると、研究間でも類似していた。超音波検査での視神経鞘径の最適なカットオフ値は5.0 mmであった。

この研究の限界: 小規模な研究、不正確な要約推定値、出版バイアスの可能性、臨床結果への影響の評価が無い、など。

結論::
視神経超音波検査は、頭蓋内圧亢進の診断に役立つ。視神経鞘径が正常であれば 高い感度と低い陰性尤度比で、頭蓋内圧亢進を除外しうる。一方視神経鞘径が増大しる場合、高い特異性と陽性尤度比をもって、頭蓋内圧亢進と追加の確認検査の必要性が示される。

本文は下記リンクから参照できます
https://annals.org/…/bedside-optic-nerve-ultrasonography-di…
PRC委員 山本 智清

2020年1月7日付のAnnals of Internal Medicineから北米の医療費に関する記事を紹介

2020年1月7日付のAnnals of Internal Medicineから北米の医療費に関する記事を紹介いたします。

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米国とカナダにおける2017年の入院費用の比較
背景:単一支払者制度が確立する以前のカナダにおける医療費支払制度、医療費、人口あたりの医療従事者数は米国と似通っていた。1999年までには入院費用が医療歳出に占める割合は米国では31%であるのに対してカナダは16.7%であった。近年これらのコストに関する包括的な分析はなされていない。
目的:保険者及び医療提供者による2017年の総入院費用の定量化
研究デザイン:政府レポート、医療提供者が規制当局に提出した会計報告、医師への調査、医療機関の雇用に関する国勢調査の分析
設定:アメリカ合衆国とカナダ
評価項目:保険間接費即ち病院施設、医師の診察、老人ホーム、在宅医療、ホスピスなどにかかった支出の合計
結果:米国の保険者と医療提供者は入院に際して8120億ドル、即ち人口あたり2497ドル相当(国の医療支出の34.2%)を支出していた。それに対してカナダは人口あたり551ドル(17%)であった。保険間接費は844ドル に対して 146ドル 、入院費用は 933ドル に対して 196ドル、老人ホーム/在宅医療/ホスピスにかかった費用は255ドルに 対して123ドル、そして医師の保険料に関連した費用は465ドルに対して87ドルであった。
限界:歯科診療、薬局、その他の医療提供者の支出は省かれている。2カ国の会計項目は幾分異なっている。また分析方法の変化により1999年以降の入院費用の高騰を過小評価している可能性が高い。
結論:米国とカナダの入院に際する医療費の格差は大きく拡大しており、米国における民間保険に基づいた複数支払者制度が不十分であることを明らかに反映している。米国での医療従事者の高額な人件費、薬価や最先端医療機器の購入費用などが高額な入院費用に密かに組み込まれているのである。
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論文の全文は以下のリンクからご覧いただけます。
https://annals.org/…/health-care-administrative-costs-unite…

PRC委員 大竹眞央