ACP Well-Being Champion Program

ACP日本支部会員の皆様

お世話になっております。牧石徹也と申します。 平素は国際交流委員会で皆様方に大変お世話になっており有難うございます。支部長の前田先生にご推挙頂き、本年4月のACP総会時に2日間のACP Well-Being Championセミナーに参加して参りました。

ACP Well-Being Champion Programとは、世界的に問題となっているPhysicians’ Well-Beingについて対処すべく2018年度から始まったACP本部主催のプログラムです。ACP各支部から1-2名ずつが参加し、丸2日間、この問題への対処法やコーチングについて学ぶ機会を頂き、修了後、各支部にて以下の取り組みを始めるよう指示を受けております。
①まず支部長の支持を得ること
②広く支部内のメンバーに協力を呼びかけ、仲間を集めること
③Mini-Z surveyとよばれる医師向けのアンケートを支部会員全員を対象に実施し、結果についてACP本部と共有すること
④Well-BeingやCoachingについて支部内の意識を高めること
既に前田支部長、支部理事会の先生方にご報告しご支持頂いております。ついては皆様方に是非、Physicians’ Well-Beingに取り組む活動にご協力を頂ければと思いご連絡差し上げた次第です。私などよりずっと以前からこのような活動に取り組んでこられた先生方は多数おいでになると承知しております。そのような方々には是非お力をお貸し頂き 、ご一緒させて頂けましたら幸いです。また、この問題は根が深く、医師のみでは解決しえないことから、果たしてACP支部の活動として対応することが適切なのかというご意見もあろうかと存じます。ただ、私たちの身の回りに日常的に存在する問題であればこそ、できることからやってみるというアプローチもあってよいかと思います。是非、様々なバックグラウンドをお持ちの皆様方のご協力を頂けましたら幸いです。
具体的には、当面の目標としてMini-Z surveyと呼ばれるBurn-outについてのアンケートの実施を考えております。ついては、
①Mini-Z surveyの日本語版の作成にご協力いただける方
②本MLでアンケートを実施する際、survey monkeyなどのツールの利用を考えていますが、そういったことのリテラシーのある方
③今後の活動の進め方について、大所高所から助言やコメントを頂ける方
④本活動に少しでもご興味があり、議論などに加わって頂ける方
もしご協力頂ける方がいらっしゃいましたら牧石まで直接メールにてお知らせ頂けましたら幸いです。今後の活動の進め方については、基本的にメール上で議論させて頂ければと考えております。具体的なご協力のお申し出でなくとも、今後の活動を温かく見守って下さる、今後予定しているアンケ―トにご回答下さるといった形でのご協力も勿論有難く思います。一人で悩みを抱えている医師、医学生に手を差し伸べることができるような活動をできればと思っております。どうぞお力をお貸し下さい。
ACPのwebsiteには医師のBurn-out対策として種々のリソースが提供されています.まだお読みでない方は是非一度ご覧ください.↓
牧石徹也
済生会滋賀県病院腎臓内科
ACP Well-Being Champion 2019

米国での臨床見学プログラムについて

ACP会員の皆様

国際交流プログラム委員会(IEPC)から米国での臨床見学プログラムについてのお知らせです。

日本でも長年臨床教育にたずさわっておられるDr. Herald Stein(スタイン先生)のご厚意により、米国内科学会(ACP)日本支部会員(医師)を対象に,フロリダ大学医学部内科系サブスペシャリティーでの3週間のエクスターンシップ研修の機会を頂きました。本プログラムは昨年に引き続き2年目となります。昨年度は2名の先生にご参加頂き,非常に好評でした(↓ご参加頂いた小尾先生,内山先生のレポートです.是非ご覧ください)。
http://www.acpjapan.org/
(What’s Newコーナーの該当箇所をクリック下さい)

米国のトップレベルの臨床そして教育の現場を肌で感じることのできる貴重な機会です。ご興味をお持ちの先生方は是非ご応募下さい。ただ、今回は募集人数がお一人であり、せっかくご応募頂いても派遣させて頂けるとは限りません。しかし、応募に向けたプロセスそのもの(CVの記載で自身の立ち位置を客観的に眺め、Personal Statementの記載により自身のしたいことを言語化する)も、たとえそれが多くの時間と労力を必要としたとしても、ご応募された方のその後のキャリアパスにとって非常に有益であると思います。是非ご応募をご検討頂ければと幸いです。

派遣に際してはACP会員であることが必要ですが、ご応募時に会員申請頂ければ大丈夫ですので、先生方の身の回りにご興味がおありの先生がおられれば是非ご共有頂けましたら幸いです。
何卒宜しくお願い致します。

米国内科学会(ACP)日本支部
国際交流委員会(IEPC)

下記が募集要項となります。

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ACP日本支部 国際交流プログラム委員会(IEPC)主催
臨床見学プログラム2019 -2020

米国フロリダ州のUniversity of Florida, Department of Medicineの内科系専門科で,3週間のエクスターン研修ができます。現地でのプログラムを監修頂くのは日本でも長い指導歴をお持ちのDr. Jerald Stein(スタイン先生)です。米国の一流の内科系臨床研修プログラムを見学できる貴重な機会であり、将来米国での臨床研修を考えている若手医師、米国式臨床研修システムを日々の指導に取り入れたいと考えている指導医クラス、そして米国の臨床研修システムを肌で感じてみたい全ての方に最適です。当委員会メンバーが研修前から研修者をサポートします。

なお、このプログラムはACP日本支部とフロリダ大学医学部との契約に基づくものではなく、あくまでスタイン先生の「25年間の日本での指導を通じて得た友情に対する感謝の気持ち」として先生のご厚意によりACP日本支部会員へ提供されるものです。そのため、スタイン先生およびフロリダ大学医学部や見学科に対しての費用は発生しません。
(具体的には、スタイン先生は見学希望科の調整と、見学希望科のFacultyに参加者のメンターとなって頂く調整をして下さいます。)

スタイン先生の日本でのご活動については下記URLをご覧下さい。
http://plaza.ufl.edu/jerrydoc

見学の時期:2020年4月もしくは5月(研修先と日程を調整し決定します)
見学の期間:3週間
研修内容:エクスターン研修(基本的に見学のみとなります)
研修可能診療科:内科系診療各科(Hospital Medicine, Nephrology, Infectious disease, Rheumatology, Emergency Medicine, etc. )参加者が見学を希望する科に対してスタイン先生が直接交渉し調整されます。必ずしも希望する科を見学できる保証はありません。
応募締め切り:2019年9月17日午後5時
派遣人数:1名
参加費用:飛行機代、現地滞在費、現地生活費は自己負担となります。研修先への費用はありません。
現地での病気やけが等:自己の責任の下,対応頂くことになります.

応募資格・要件:
(1) ACP会員であること
(2) 卒業後2~5年程度
(3) 一般的なコミュニケーション英語能力、医療英語能力がある方
(4) 米国での臨床研修に目的意識を持って、意欲的に取り組んでいる方
(5) 研修後、ACP日本支部での活動に積極的にご協力頂ける意志がある方
(6) 渡米中の3週間は、毎週末、国際交流委員会へ研修内容をメールにてご報告頂くこと。臨床見学終了後は日本語でA4 1-2枚程度、英語で 500 -1000words程度の体験記をご提出頂くこと。

応募書類:
(1) Curriculum vitae (CV) (英語で記載. Dr. Steinはもちろん、訪問先へも提出する可能性があります)
(2) Personal Statement(PS) (英語で記載. Dr. Steinはもちろん、訪問先へも提出する可能性があります)
(3) TOEFL(iBT)、IELTSなどの英語検定試験のスコアのコピー(任意)
(4) USMLE step1、step2 CKの合格者はそのscore reportのコピー、step2 CSの合格者は合格証のコピー、ECFMG certificate保持者はそのコピー(任意)
(5) ACP日本支部会員の確認書会員番号、会員の種類(member, associate member, fellowなど)を記載して提出してください。現在会員でない方は、応募時に会員申請頂ければ応募可能です。

応募方法:上記必要書類(PDF等のデジタルファイルにしたもの)を添付の上、下記宛にお送りください。
ACP日本支部事務局 office@acpjapan.org

選考方法:当委員会にて書類審査 。その後、書類審査通過者に対しIEPC委員による直接面談もしくは電話・スカイプなどによる面接。

選考基準:
本プログラムでの学びを日本国内の医療向上に還元しようとする気持ちの強さ,ならびに英語力。(先方の意向により,本プログラムを米国臨床留学の直接の足掛かりとすることはご遠慮下さい。具体的には、参加中に懇意になった米国人医師に推薦状(LoR)の記載をお願いする等の行為は望ましくありません。将来的な臨床留学の意思そのものを否定するものではありません。)

選考結果:書類選考結果については募集締切り後2週間以内に応募者本人へEmailにて通知します。面接に進まれる方とは、改めて面接の日時や方法等を調整します。

一般社団法人米国内科学会日本支部事務局
〒162-0833 東京都新宿区箪笥町43 新神楽坂ビル2階
有限会社ビジョンブリッジ内

E-mail:office@acpjapan.org
http://www.acpjapan.org

プログラム担当:
ACP日本支部国際交流プログラム委員会(IEPC)
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2019年 ACPJC 年次総会講演会における学生企画の御報告

Student Committee委員よりACP年次総会・講演会のご報告をいただきました。ご報告させていただきます。(PRC委員 宮内隆政)

 

ACP日本支部の皆様

ACP日本支部年次総会・講演会2019の1日目
6月8日(土) 14時20分~15時40分に開催されました
Student Committee企画「夢見る海外臨床講座」
について御報告させて頂きます。

本企画は、ACPを学生へ広報する目的として、
また海外臨床に興味のある学生の交流の場として、
Student Committeeメンバーが一から企画準備したものです。

企画の内容は、
海外臨床に思いを馳せる3つのチームによるプレゼン合戦で、
・USMLEを中心とした海外臨床留学までの道のりについての紹介
・有名な海外医療ドラマをもとに臨床現場を考える検討会
・実際のCaseをもとにした本格的な症例検討会
といった、それぞれのチーム色のある、大変活気のあるものとなりました。

それぞれの発表では、同時にクイズの出題やディスカッションの時間があり、
最もクイズの正解やディスカッションに貢献した学生の表彰も行われました。

30名を越える参加者には、医学生だけでなく、多くの先生方もいらっしゃいました。
症例ディスカッションの時間では、学生が苦戦する中、
非常に鋭い発言をして頂き、ディスカッションを非常に盛り上げて下さいました。

本企画は学生が一から企画準備したものでしたが、
当日も含め、ACP日本支部に所属する多くの先生方のご支援の御陰で実現することができました。
本企画に関わって下さいました全ての方への御礼の言葉を最後に御報告とさせて頂きます。
誠にありがとうございました。

ACP日本支部 Student Committee 委員長
平井智大

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Student Committee Event Report

The Student Committee held a program for student exchange at the ACPJC annual meeting 2019.
The program consisted of three presentations and the discussions were very exciting. More than 30 participants attended.
We thank everyone who helped make this program possible.

ACPJC Student Committee Chair
Tomohiro Hirai

University of Florida Department of Hospital Medicineでのエクスターンシップ

東京ベイ・浦安市川医療センター 総合内科専攻医

内山 秀平

このたび、アメリカ内科学会日本支部国際交流委員会のプログラムにより、University of Florida Department of Hospital Medicineに3週間のエクスターンシップの機会を頂きました。学んだことはあまりに多く、書ききれない事柄も多々ありますが、できるだけ詳細にご報告させていただきます。

はじめに、今回ローテーションさせていただきましたDepartment of Hospital Medicineとその志望理由について説明いたします。この診療科はいわゆるHospitalistが勤務している診療科であり、入院中の患者のうち複数科にわたるプロブレムを持つ患者を中心に担当を行っています。また、他科(主に整形外科、泌尿器科、産婦人科などの非内科系診療科)からの内科的コンサルトも引き受けています。私は将来米国にてHospital Medicineを専攻したいと考えており、今回のエクスターンシップは本場のHospital Medicineを学ぶまたとない好機と考えたため、応募をさせていただきました。

Hospitalistの勤務体系はseven days on, seven days offと呼ばれており、7日間の連続勤務ののちに7日間の休暇があります。休暇に入ってしまう関係上、単独の医師をShadowしつづけることができないため、7日間をFloorでshadowしたのち、次の7日間をConsultation serviceで過ごすという方法を採らせていただきました。正確には週の中盤でseven daysの交替が行われるため、バランスよくいずれも1週間半ずつ滞在することができました。

①Floor

こちらは入院患者を担当医として受け持つ部門です。アメリカでは年度が終わりかけている時期だったこともあり、attendingの医師が一人で担当を行っており、そちらを見学させていただきました。

入院患者の疾患は多岐にわたり、心不全、肺炎、COPD急性増悪、蜂窩織炎などの日本でも比較的よくみられる疾患から、cystic fibrosis、sickle cell diseaseによるacute chest syndrome、cocaine-induced ACSなどの米国ならでは(?)の症例まで見学をすることができました。日本でも見られる疾患の診療内容に関しては普段から私が総合内科医として行っているものと大きな差はないと感じられましたが、コストの意識が強い影響か退院のスピードは非常に早く、case managerが各患者のdispositionについて毎日確認を行っている場面が非常に印象的でした。

②Consultation service

こちらは他科からのコンサルトを受ける部門です。PGY-3のresidentとattendingの医師がチームを組んでおり、そこにお邪魔する形で参加させていただきました。

主な診療内容としては外科病棟入院中の患者の内科的”comanagement”(「併診」という単語が最も近いかもしれません)や心不全管理、高血圧緊急症などがありました。さらに院内で腹腔穿刺、腰椎穿刺、中心静脈カテーテル留置などの処置が必要になった場合のコンサルト先もこちらでした。

もともと私がhospital medicineに興味を持ち始めたのは総合内科としての病棟担当もさることながら、このような他科からのcomanagementのシステムが素晴らしいと考えたことが契機でした。例としては、大腿骨頸部骨折で手術を控えている患者の併存疾患である高血圧、糖尿病、心不全のマネジメントを受け持つ、というような内容です。コンサルテーションのみを受け持つ部門は日本の病院には一般的でないと思われますが、非常にやりがいのある仕事だと感じられました。

さらに、attendingであるDr. Kattanは私がECFMG certificate holder(=USMLE STEP1/2 CK/2 CSをクリア済)であること、米国でresidencyを行おうと考えていることを汲んでくださり、患者のプレラウンドから回診におけるプレゼンテーション、さらには処置まで許可をいただくことができました。加えて短時間ではありますが新規のコンサルテーションがあると最初に通知が来るPager(ポケベル)も渡していただき、実に多くのことを経験させていただきました。これらの経験は私の将来のキャリアにおいてかけがえのないものになると確信しています。

今回のエクスターンシップでは本場米国のHospitalistの診療内容を深く知ることができただけでなく、私自身のキャリアにおいても大きな一助となったと感じております。学んだ多くのことを胸に、これからも将来に向けて挑戦し続けていく所存です。

最後に、このような貴重な機会を頂きました牧石先生をはじめ国際交流委員会の先生方、滞在前だけでなく現地にて多くのアドバイス、日常の手助けを頂きましたDr. Steinに心からの感謝を申し上げ、ご報告とさせていただきます。

フロリダ大学腎臓内科でのエクスターンシップを通じて学んだこと

小尾佳嗣, MD, PhD, FJIM, FASN小尾クリニック 顧問

私は卒後16年目の腎臓内科専門医ですが、2014年から2018年の間カリフォルニア大学アーバイン校で様々な臨床研究や疫学研究を経験し、そこから論文やデータからは見えないアメリカでの実臨床に興味を持つようになりました。こればかりは自分の肌で触れないと分からないと感じたため、不惑の年を迎えながらアメリカで臨床医になる決意をして準備をしていたところ、ACP日本支部を通じてフロリダ大学腎臓内科で3週間のエクスターンシップの機会をいただきました。非常に多くのことを学びましたが、その中で特に印象に残っている経験を簡単に共有させていただきます。

写真1South towerから望むNorth tower

フロリダ大学Shands病院単独で800を超える病床数があり、退役軍人病院も含めると4つの建物にまたがって診療が行われています。腎臓内科ではICUおよび一般病棟担当、救急と慢性期病棟担当、腎移植担当といったように複数のチームに分かれていて、Fellow達は定期的に各チームをローテートしていました。Shands病院では内科で入院となった患者の受け持ちはホスピタリストであり、腎臓内科は彼らや外科からのコンサルトを受け、治療方針に関して助言をしたり透析を行ったりするというのが主な業務内容です。合併症で入院した維持透析患者の血液透析や、入院患者のAKIや電解質異常を主に担当していて、フェロー達は朝のうちに担当患者を診察して方針を決め、Attendingと合流して一緒に電子カルテを見ながらプレゼンをした後で回診に移るというスタイルや診療内容は、日本で行われていることとあまり変わりません。

日本との大きな違いのひとつは、患者さんの社会的背景です。比較的若年でアルコール性肝硬変から肝腎症候群を発症している症例や、違法な静注麻薬の使用から感染性心内膜炎を来たし二次的にAKIを合併している症例が多く、また ERには金曜日の透析を種々の理由でスキップされ、溢水で運ばれて来る方も少なくありませんでした。また、長年オーランドの救急で定期的に透析を受けていた保険のない不法移民の方が、車を数時間運転して飛び込みでやってきて、ここで腎移植を受けさせてほしいと訴えてきたこともありました。確かにカリフォルニアやイリノイなどアメリカの一部の州では、こういった不法移民の患者にも腎移植を実施しているプログラムがあります(腎移植の方が透析よりコストが低いため)。しかし他の多くの病院と同様、Shands病院でもCKDや心不全など慢性疾患を抱えた保険のない不法移民患者へ十分なケアを提供するのは困難な状況でした。このように多様な社会的背景を持った患者さんを見ましたが、時に対応が難しい状況に対しても、Attendingはプロフェッショナリズムを保ちながら、常に患者さんに寄り添いつつ、個人として心から尊重して接していたのが非常に印象的でした。

写真2Dr. Tantravahi(上)とDr. Ali(下)

実は、このExternshipを始める直前にECFMG certificateを取得し、いよいよアメリカで臨床医と働く準備ができたばかりでした。そのような中、自分が実際にフェローとして働く前に実際の現場をフロリダ大学Shands病院で垣間見る機会を得ることができたのは大変貴重な経験でした。学習機会に対する私の求めに柔軟に対応しつつ、様々なDiscussionを通じてアメリカの医療を教えていただいたAttendingのDr. TantravahiとDr. Ali、見ず知らずの日本人を快く受け入れていただいた腎臓内科のチーフであるDr. Mark Segal、およびKaylaを含めたスタッフの皆様、このような特別な場を提供していただき、現地での生活をサポートしてくださったDr. Gerald Steinに心より感謝申し上げます。ACP日本支部の会員であったからこそ得ることが出来た今回の経験を糧に、今後もアメリカでPhysician-Scientistになるという目標へ向けて邁進してまいります。

Memories of ACP Japan Chapter Meeting June 8-9, 2019’ Kyoto Japan

Dr. Anuj Maheshwari, MD, FICP, FACE, FACP, FRCP (London, Edinburgh)
Professor & Head in General Medicine, BBD University, Lucknow, India
Organising Secretary, Annual Congress of ACP-India Chapter “Medicine 2018” at Lucknow

It has been my first visit to Japan. I had heard lot of good things about this country but found it much better than of my imagination. It has really been a wonderful experience for me and my family. It has been an excellent hospitality with flawless arrangements from beginning to the end. First of all, I shall like to pay my gratitude to our India Chapter Governor Dr Muruganathan who recommended and given me opportunity to represent India Chapter during annual conference of Japan Chapter. At the same time I can never forget to pay sincere thanks from core of my heart to Dr. Takahiko Tsutsumi and Dr. Tetsuya Makiishi who were our guest speakers in annual conference of ACP-India Chapter 2018 at Lucknow. Not only their deliberations were outstanding here in India but they must had praised us well there in Japan. After receiving a lovely invitation by Dr. Sugihiro Hamaguchi, chair Scientific program committee, ACP Japan Chapter, Dr. Yuka Kitano helped me in understanding the learning objectives of physicians in Japan regarding Diabetes. For me It was really seeming tough to keep audience attentive for one hour of my lecture. Yuka not only encouraged me but also helped me in deciding content to be included in my presentation which can create interest in Japanese audience. Evening before, I got an opportunity to see and pay my gratitude to Governor Japan chapter outgoing and incoming both together with Robert M. McLean, the President of the American College of Physicians (ACP) elected in 2019 with his wife.

As I have been given the topic to speak on treatment options, I tried to focus my talk on common factor between two populations, India & Japan. Although diabetes prevalence is increasing in both the countries, but faster is the progression in India for conspicuous reasons like carbohydrate rich diet, sudden affluence and luxury lifestyle with lack of physical activity. All this has happened in last 20-30 years which has changed typical Asian phenotype in India to overweight and obesity making Indians more prone to diabetes in lack of physical activity. In addition to these reasons our large population is also responsible for ten times more number of diabetic patients. In Japan 7.2 millions are suffering with diabetes while this number is 72 million in India second highest in the world next to China. Diabetes prevalence in Japan is 7.7 % while it is 8.8% in India.

If we really talk about common factors, typical Asian phenotype is actually a common characteristic between people of India and Japan. This typical Asian phenotype is characterised with accumulation of visceral fat with lean phenotype in extremities. Healthy Food habits and good amount of physical activities in Japan keeps away abdominal obesity and insulin resistance at large while in India same phenotype has progressed to abdominal obesity and Insulin resistance causing type 2 diabetes. What I noticed in ten days visit to Japan, plants & vegetables are used in good amount with food but with much less oil and fat contrary to India. Lot of lessons are there for Indians in Japanese life style.

Glucose control in diabetes deteriorates over time with the progressive nature of disease resulting in risk of developing various micro and macro vascular complications. Many classes of anti-diabetic drugs are available for treatment including metformin, sulfonylureas, glitazones, glinides, α glucosidase inhibitors and nearly a century old insulin. Newer drugs like gliptins (DPP-4 inhibitors), GLP1 agonist, flozins (SGLT-2 inhibitors) and insulin analogues have been added to the list during the last few years. These drugs effectively address various pathophysiological defects. However, given the need for multiple drug therapy, there is still a significant unmet need in the management of T2DM. Non-insulin antidiabetic agents have a potential to reduce HbA1c by an average of 1% and the simultaneous use of combination therapy can result in greater HbA1c reduction. Position statement on Standard of Care by ADA, recommends metformin as preferred initial pharmacological agent. Though we Asians do not match exactly with Americans, we need different recommendations to treat diabetes as we are not only different genetically but environmental factors, body habitus are also different.

A lot of questions had arisen out of these recommendations from audience citing Japanese are not usually obese or overweight then why is it necessary to begin treatment with metformin? It is true that Japanese may have many genes susceptible to diabetes including thrifty genes. Various environmental factors, added to these genetic factors, are considered responsible for the onset of disease, and the number of patients is increasing rapidly reflecting recent lifestyle changes. Impaired insulin secretion is characterized by lowered glucose responsiveness. In particular, the decrease in postprandial-phase secretion is an essential pathophysiological condition. Glucolipotoxicity, if left untreated, results in the decrease in the functional pancreatic cell mass. So it is not only an issue to improve insulin sensitivity. Metformin facilitates peripheral utilisation of glucose and equally beneficial in Insulin deficient type 2 diabetes mellitus. Although it may have some concerns for Indians as many of them are vegetarian having Vitamin B12 deficiency causing anaemia but not in Japanese. So it is appropriate selection of pharmaceutical agent which has immense importance. Now further recommendations should continue as follows:

  • If metformin monotherapy at highest tolerated dose does not achieve the optimum level, a second oral or injectable agent should be added.
  • Choice of the second pharmaceutical agent should be a based on environmental factors influencing therapeutic response.

Apart from this AACE suggests to start with dual drug therapy if HbA1c is 7.5 or more. If HbA1c is 9 or more at beginning, triple therapy is recommended to start with. If patient is symptomatic at 9 or more HbA1c, insulin should be a part of triple therapy.

Queries came from audiences regarding relevance of using pharmaceutical agents with weight loss potential in Japanese population like GLP1RA & SGLT-2 Inhibitors. A convincing explanation lies in visceral fat causing abdominal obesity giving rise a peculiar Asian phenotype. SGLT2 inhibitors act on the non-classical pathway and reduce hyperglycaemia by inhibiting renal reabsorption of glucose and thereby increasing urinary glucose excretion.  They also lead mild reduction in blood pressure due to chronic osmotic diuresis and associated with lower risk of hypoglycemia.

SGLT-2 Inhibitors can only be justified if a person is having significant amount of visceral fat reducing insulin sensitivity. It also promotes usage of alternative fuels like fat for production of energy. As far as GLP-1RA is concerned, they increase insulin secretion in response to oral glucose ingestion, induce satiety by slowing gastric emptying, suppresses appetite, inhibit glucagon secretion and also have been proposed to cause ß cell regeneration. Endogenous GLP1 released from intestinal L cells has a short half-life of 4 – 11 min. To overcome this, GLP1 analogues resistant to degradation by DPP4 have been devised. Low dose usage can be safely done for Japanese population with central adiposity.

Later I got an opportunity to judge selected research papers for oral presentations by students, residents, Fellows & early career physicians. One of the most stimulating session with high class research had made it more challenging to decide the best. All research papers and presentations were so good that it was difficult to select one for “Kurokawa Prize”.

Then I got a chance to attend few plenary sessions which were in Japanese language but I am thankful of my interpreter Mr. Hideta Teshirogi who is pursuing his medical studies there. He has been so wonderfully translated all sessions on the spot sitting aside me. I appreciate his knowledge and translation power so fast. My medico daughter Shivangi who is also pursuing medical studies in India enjoyed all English sessions and Kurokawa Prize session.

Overall it has been a wonderful academic feast for me and my family at one of the most beautiful city of world Kyoto. We attended welcome dinner in evening with all attendees and faculties. Next day enjoyed sightseeing at Arashiyama before leaving back home India. It has been an unforgettable experience while being at Japan. I wish to thanks all members of organizing team and Governor Japan Chapter Dr. Kenji Maeda for great conference with wonderful hospitality. We shall surely try our best to reciprocate when Dr. Kenji Maeda comes India for our annual conference at Kolkata. We can plan many joint ventures together including Asia specific guidelines in future.

ACP Japan Chapter Meeting June 8-9 2019’ Kyoto Japan

President of the American College of Physicians

Robert McLean, MD, FACP

I was honored to have the opportunity to participate in the ACP Japan chapter meeting in early June. Chapter governor Dr. Kenji Maeda and the rest of his chapter leaders were wonderful hosts. It was very interesting to hear firsthand from many chapter members about the Japan healthcare system and especially the medical education and training system. I enjoyed the opportunity to speak on the topic and discuss how the current changes in the Japanese training and board certification processes will be very helpful to ensure that internal medicine specialists who choose to enter general primary care practice will have adequate training to deliver high-quality care to patients.

I also had the opportunity to give a brief update on activities of the American College of Physicians and review how Global Engagement and the role of international chapters continues to grow. The Japan Chapter was ACP’s first international chapter and remains a role model for how to grow and develop. I also gave a talk on the ACP’s guideline development process, using the Gout Clinical Practice Guidelines as an example. I explained how different guideline processes between various organizations lead to slightly different conclusions and recommendations. Some in the media tends to report these as controversies, when in reality they merely reflect different processes and the lack of definitive evidence to answer many of the clinical questions we face on a daily basis.

I greatly enjoyed the opportunity to tour the beautiful historic city of Kyoto and learn much about Japanese history and culture there. Following several days in Kyoto, I had the opportunity to travel to Tokyo and similarly tour and learn a great deal while spending several days there before returning home to Connecticut. After such a wonderful experience, I clearly intend to return to Japan! I thank all the Chapter members with whom I had the chance to interact.

 

 

FACPへの道 - なぜ,それを目指すのか –

Health and Public Policy Committee(HPPC)企画

「FACPへの道 - なぜ,それを目指すのか – 」

吉祥寺あさひ病院 内科 小山雄太

ACP日本支部年次総会2019の2日目,6月9日の午後,HPPC企画として上記タイトルでセッションを開催した.ACP日本支部には2018年12月18日現在で337名のFACP,6名のMACP,1名のHonorary Fellowがおられるが,その方々はどのような思いでFellowを目指されたのか,Fellowになることでどのような違いが日常業務に生まれたのか,今後どのように活動していきたいか,といったことを聴くことで,より多くの方がFellowを目指しFACPになってもらいたいという意図があったからである.

同様のセッションを昨年度の年次総会でも行っているが,今回の企画でも,acp-exchangeなどで事前アンケートを行い,FellowやMasterの方々にはFellowになった経緯や昇格後の変化などについて,Memberの方々にはFellowのイメージや目指しているかどうか,Fellowになることで自身がどのように変化すると思うか,などについて回答を募っていた.

セッションでは,まず趣旨説明のあと,事前アンケートの集計結果をセッション中に発表した.結果をもとに,コメンテーターとして御登壇いただいた前田賢司・現支部長と上野文昭・前支部長,Women’s Committeeの山本典子委員長のお三方から貴重なコメントを頂戴した.これにより参加された皆さんにもHPPC委員にもより意義深いメッセージが伝えられることになった(3人の先生には会期中ご多忙にも関わらず本セッションにご登壇いただきありがとうございました.心より感謝申し上げます).MemberやFellowになった時の動機は様々であるが,Fellowになることで誇りや自信,責任感など,医師という職業を継続するうえで重要だと思われる精神的な動機付けが付与されることが多い,ということが昨年同様に認識される結果であった.

このあと,参加者とコメンテーターの諸先生,HPPC委員が混ざり,スモールグループを作ってテーマに沿ったグループディスカッションを行った.広い会場では質問しにくい事も気楽に意見交換できる環境だったため,どのグループでも盛んな会話が交わされていた.最後にセッションのまとめを行って本セッションを終了した.特に後半のグループディスカッションでFellowである日本支部の同僚からいろいろ話を聞くことができたことで,参加したMemberの皆さんにとってもFellow取得に気持ちが傾いてくれたのではないかと期待している.熱心に聴講および意見交換してくださっていた参加者の皆さん,本当にありがとうございました.

本企画を契機にFellowを目指す方がより多くなることを願っているが,ひいてはこのような企画が繰り返されることによってACP日本支部会員がより多くなり,ACP日本支部がさらに発展することが委員一同の望みでもある.

Healthcare Reformを考える。

2019年 ACP日本支部講演会 Women’s Committee企画報告

Women’s Committee委員長 山本典子 やまもとクリニック院長 FACP

Women’s Committee 委員長;山本典子 副委員長;川嶋乃里子

メンバー;新井桂子 森島祐子 松本衣里 三木綾子

「Healthcare Reformを考える。」2019年6月9日 日曜日 11時55分より14時 京都大学 時計台百周年記念講堂 国際交流ホール2

 

  • Opening Remarks :川嶋乃里子先生
  • 働きたくなる病院へ:イージェイネット代表 瀧野敏子先生
  • How the maternity leave system works in the US and how to keep work-life balance?:Sapporo Tokusyuukai Hospital Dr.Shadia Constantine
  • 飯塚病院緩和ケア科のダイバーシティマネージメント:飯塚病院緩和ケア科部長 柏木秀行先生
  • 東京女子医大の取り組み、これまでとこれから。学生から再教育、再就職まで生涯にわたる人材育成と働き方改革:東京女子医大成人病センター教授 岩崎直子先生
  • キャリア支援×患者安全=働き方改革 岡山大学の12年の取り組み:岡山大学大学院医歯薬総合研究科 地域医療人材育成講座 片岡仁美先生

まず瀧野先生は NPO法人をつくりホスピレートという病院評価を行うことをなさっています。これを始めたきっかけなどのお話があり、女性医師が働きやすい病院の評価ということで始めたということですが、若い医師たちのワークライフバランスを重視する人が多くなったという変化や女性医師が時短などの条件で入職し働いても、患者さん重視でなく帰るころには患者をみないとか、自分の生活重視に偏り男性医師に迷惑がかかったりするようなことも出てきて、最近は保育所や時短などの条件面だけではなく、医師がモチベーションを高く持って輝けるようにするということを評価にいれていくよう考えているとのことでした。 また女性医師が働きやすいと、女性ナースやスタッフの定着率もよく、良い人材が集まりやすいということです。またそのために患者さんも増え、収入もあがり、病院としても個人としても豊かになる、という効果があるというお話でした。

次にパナマで医学部を卒業されUSで研修を受けられたDr.Shadia Constantineです。3人のお子さんがおられて ご主人が主夫をなさっているということでした。アメリカには法律としての産休はありませんが、大学や大きな病院ネットワークには規定があり、給与をもらいながら平均8週間くらいは産休を取ることが多いということです。ただし産休をとるのは5分の2くらいということでした。USでの比較検討などのペーパーを示していただきました。

3人目は唯一の男性、飯塚病院の柏木秀行先生です。医師でありながらMBAや社会福祉士の資格もお持ちです。最初に柏木先生は、今までの勝ち組思考はもう通用しないと断言されています。科としての理念、ビジョン、ミッションを明らかにしてその実現を追求していくこと、部下をエンゲージメントする、マインドセットを刺激する、Whyの共有などを実行されているということでした。おみこしを5人で担いでいてなんとかなっていたところ、2人がさらに来た。少し楽になったかと思っていた。でもなんだか重いと思ったら、うち2人がぶら下がっていたということがありうるというお話もありました。難しいこともできることから始めていこうということでした。

4人目は東京女子医大の岩崎直子先生です。日本で唯一の女子だけの医学部ですので、大学としての理念や医師になるための意識教育についての話から始まりました。学生のうちから医師としての自覚、ライフサイクルを考えたキャリア形成、離職しても再教育・再就職できるようにということでセンターを立ちあげて応募者の話を聞き、背中を押し、技術の再教育なども行っているとのことでした。印象的だったのは、なぜ医師になりたいのか、医師として働き続ける意思を持つこと、その中で自分が何をやりたいのかなどを学生の間から実習として先輩の姿を見させたり。、同窓生のアンケートをとり現状を把握したりすることを続けておられることです。特に医師になるということについての動機がないとだめだと主張されていました。また働き方改革としては、早く帰ること、当直明けは早く帰って休むことなどを実行されているということでした。

最後は岡山大学の片岡仁美先生でした。12年にわたり岡山大学で医療人キャリアセンターMuskatセンターでの活動をなさっておられます。働き方改革を行おうとすると地方だと人がどんどん増やせない現状なので、今働いている人をこれ以上やめないで、事情があっても働けるというようにすることが必要と考えられたそうです。ですから現在は女性医師だけではなく、男性や子育てだけでなく介護で時間が必要な人も対象にしているそうです。過労や働く時間が長いと診断エラーも増えるので、医師自身もうつや自殺企図など健康を損なわれることもある、でも目の前に患者さんがいれば やらなければいけない、自分たちがやらなければ医療が崩壊する、若手の研修も十分にできないなどの状況の中で、患者安全と地域医療の継続性、医療人の健康とバランスをとることが必要とお話されています。プロジェクトは、家族のサポート、上下の理解、同僚の理解、適切な労働力が大事とのことでした。色々な具体例をお示しいただきましたが、6人目の立場での復帰という言葉が印象的でした。5人の定員でその枠内で復職すると自分ができないことやわからないことが多かったり、時間的に早く帰ったりすると周りに迷惑をかけるということで心苦しくなり続かない。定員の増員ということでの6人目なら、本人も周りも受け入れやすいということです。このような活動で 女性医師も増えると女性医師の専門医志向も上がったということでした。

それぞれの先生のお話は、お立場も違い、視点も違い、なさっていることも違うように思いました。長時間のシンポジウムでしたが、あっという間に時間がたっていました。その根底には今までの認識が通用しなくなってきている。だがなんとかしなければ医療が崩壊する、患者さんが困るようなことを絶対に避けたいという患者さんや医療全体を大切に思う気持ちと意思があるように思いました。女子医大の取り組みにしても、岡山大学の人材センターのお話にしても、長い時間がかかっているようでしたので、仕組みを変えることも難しいことですが、その中でも、人々のマインドセットを変えることが一番難しいことだと思います。でも変えなければいけない時期に来ているということだと私は感じました。そういう意識を持ってまた周りや同じ意識をもつ同僚などと協力して、地道にやれることから行動を起こし、それを広げていくことが大切かと思いました。

素晴らしい内容だったのですが、参加者が少なかったのがとても残念です。ACPでは教育的なセッションが多いので、若い先生方はそちらの方が興味を引くと思われますし、働き方改革は上の人のやることと思っていたりするのかもしれません。ですが社会性を持って働くことは大切ですし、自分さえよければよいという立場ではないはずですので、こういう分野にも興味を持ってもらいたいと思いました。働き方改革は女性だけの問題ではありません。瀧野先生がおっしゃっていたように、女性医師が気持ちよく元気よく働ければ、病院内に良い循環が生まれると思います。しかし女性医師自身もプロフェッショナリズムの意識をきちんともち、患者さんのためということを一番に考えて、時短でも週3回でも、高い医療レベルを提供するべく努力するべきだと思います。私たちの仕事は有難いことに、働きながら学ぶことができます。色々な患者さんを診察し、治療して 症例の経験として、自分のものにすることができます。毎日が勉強です。一つでも多くの知識を得て、早く立派に尊敬される医師になろうとするならば、多くの患者さんをみて経験することです。医師としての自分と家庭での親としての役割など、どちらを重視したいかは各人違うと思いますし、特に女性は自分の意志とは別に、子育て中で子供が小さいと時間的にも家庭に多くの時間を取られることになるでしょう。ワークライフバランスは個別的でもあり、また時間的な要素もあり、難しい課題だと思います。でも男性も女性も、より高いレベルの医療を行える医師であるために、研鑽を積むことは常に必要ですし、幸福感を感じる日々を過ごすことも、人間として不可欠なことだと思います。いつも完璧に過ごすことは不可能だと思いますし、我慢する時期もあるかと思いますが、自分で選んで 自分で道を見据えて日々を歩んでいけるように、男女ともに方策を考えて続けることが必要だと感じました。またその根底には、患者さんを第一に考えること、地域医療を守ることなどProfessionalismがそれぞれの医師の心にしっかり根付いていることが必要とも思われました。

さらに男性だから女性だからというマインドセットを変える時代になってきているのかと思います。自身でも自分を縛らず、また性差や人種差などに関わらず、お互いを認め、自由にそして効率的に仕事をし、個人生活を充実させられる時代になることが求められていると思います。

最後に、素晴らしいご講演をいただいた5人の先生方に心よりお礼を述べたいと思います。企画を立ててくれた副委員長の川嶋乃里子先生の行動力と情報ネットワークに感服しましたし、WC委員のメンバーは、各担当を決めて打ち合わせに連絡にと特に指示することなく 各自で考えて行動してくれました。委員会のメンバーにも感謝したいと思います。

「”Is there a doctor on board?” 高度3万フィートのオンコールに自信を持って手を挙げられる医師になるために」

米国内科学会日本支部年次総会 講演開催報告

埼玉医科大学病院 総合心療内科 山田悠史

米国内科学会日本支部年次総会におきまして、「”Is there a doctor on board?” 高度3万フィートのオンコールに自信を持って手を挙げられる医師になるために」というタイトルで講演を行いました。我々国際交流プログラム委員会では、国際交流にとって最も大切なツールの一つ、医学英語の教育を行うことを念頭に、今回の講演を企画しました。医学英語を使う状況を思い浮かべる中で、委員から、日本における航空機内救急に関する知識、教育の乏しさの指摘があり、ここに焦点を当てることになりました。

IATA(国際航空運送協会)によれば、世界の航空旅客数は2018年に40億人を突破し、さらに増加の一途をたどっています。常時5,000機以上の旅客機が高度30,000 フィートの上空を飛行し、1日あたり1,000万人が機内という閉鎖空間で数時間から十数時間を過ごします。そこで問題となるのが航空機内救急(In-flight medical emergencies; IME)です。過去の統計によればIMEは平均約600便に1件発生するとされ、毎日約1,000件のIMEが世界のどこかの上空で起こっている計算になります。このようなIMEに対して自信を持って対処できる術を身につけていただくことを目標に講演を行いました。

当日は、朝一番の企画にもかかわらず50名を超える聴講者が集まりました。講演は、短時間のアイスブレークのあと、元演劇部の牧石委員長扮する医師の乗客が、筒泉副委員長扮するシンガポール人の乗客リチャードの失神に対応するという寸劇で始まりました。元客室乗務員 の駒崎クララさんにもご協力いただき、本物の客室乗務員さながらの演技をしていただきました。寸劇での3名の迫真の演技は、すぐに聴講者の心を掴み、笑いも交えながら航空機内救急の理解にお役立ていただけたのではないかと思います。また、寸劇の合間にレクチャーを挟む形式で進め、山田より最新の文献に基づくIMEの基礎知識や対応方法についての講義、IMEで想定される英語表現の講義を行いました。また寸劇のあとには、元客室乗務員の星山芳実さんから、IMEにおける客室乗務員の役割、メディカルキットについて、航空機内の医療支援体制、医師登録制度についての解説が行われました。医師だけによる講演とせず、お二人の客室乗務員経験者にもご参加いただくことで、より深みのある内容になったのではないかと思います。

機内での急変は、ある日突然遭遇するものであり事前準備が欠かせません。ところが、今回のような医師を対象としたIMEのワークショップやセミナーはほとんど開催されていないのが現状です。今回ご参加頂いたことにより、聴講者の皆様にとって、IMEへの認識を広げる、また医師としての素養を広げる絶好の機会となったのではないかと考えています。そして、我々にとってもこのような活動を国内でさらに広げていくよいきっかけとなりました。