2018年度のACP日本支部における各賞の募集

ACP日本支部 会員の皆様

Local Nominations Committee (LNC) からのお願いです。

 

2018年度のACP日本支部における各賞の募集を開始いたします。ACP日本支部では、下記、Volunteerism Award, Sakura Award, ACPJC Contribution Award 各賞の対象者の推薦を受け付けます。それぞれのAwardの内容を記載いたしますので、適切と思われる方がいらっしゃいましたら、ぜひ、ご推薦下さい。推薦書(特別な様式なし)の送付先は、ACP日本支部 LNC です。締め切りを平成30年2月28日といたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。また、次年度に任期満了となる委員がおりますので、委員に興味のある方の立候補もお待ちしております


 

1.Volunteerism Award

 本賞は、医療、福祉、教育に関してボランティア活動として多大な社会貢献をされたACP日本支部会員を表彰することになっています。基本的に、ACP会員は、日頃から素晴らしい医療を提供していると考えられており、すべての会員が受賞されても良いと思われますが、自分の日頃の仕事とは別に、ボランティア活動に成果を上げている先生に賞を差し上げています。本賞は、ACP日本支部会員より推薦を受け、当LNCで審議し、理事会での承認を経て、受賞者が決定します。推薦者は、『候補者が医療、福祉、教育に関してボランティア活動として、どのような社会貢献をされたか』について文書による推薦状(書式は自由)を作成し、ACP日本支部LNCに提出してください。
 

2.Sakura Award

 Sakura Awardは、ACP日本支部の発展、活性化に多大な貢献をされた基本的にACP日本支部の会員以外の方を表彰します。2009年に新しく創設された賞です。過去には、Dr. David Gremillion、Ms. Eve Swiacki、Prof. Soma Wali、Dr. George W Meyer が受賞されています。この選考基準は、ACP日本支部会員より推薦を受け、LNCで審議し、理事会へ推薦することになります。推薦される場合は、『候補者が日本支部の発展、活性化にどのような貢献をされたのか』を記載した推薦状(書式は自由)をACP日本支部LNCに提出してください。
 

3. ACP Japan Chapter Contribution Award (ACPJCCA)

 ACPに長く貢献してくださっている会員に積極的に差し上げることがきる賞として、2016年に設立しました。ACPの活動は、基本的にボランティアで行われているため、継続的に貢献している会員には、さらなる継続的な貢献を期待して積極的に贈呈します。よって、本賞は、ACP日本支部の会員であり、ACPの活動で貢献されている方を対象とします。日本支部会員およびLNCによる推薦者をLNCで討議して、理事会で承認された場合に決定します。積極的なご推薦をお願いいたします。


  なお、受賞者には、別途ご連絡させていただくとともに、本年のACP日本支部総会(京都)におきまして、記念品あるいは賞状を授与いたします。奮ってご応募ください。
 
 
【ご応募先】 下記の宛先迄メールにてお送りください。
LNC委員長 平和 伸仁:hirawadr@nn.iij4u.or.jp
および
ACP日本支部事務局:office@acpjapan.org
 
 
平成30年2月5日
 
ACP Japan Chapter
Local Nominations Committee
Chair, Nobuhito HIRAWA MD, FACP
Vice-Chair, Masao NAGAYAMA, MD, PhD
 
ACP日本支部
**********************************
ACP Japan Chapter
5-11-1-1201 Toranomon, Minato-ku, Tokyo 105-0001, Japan
一般社団法人 米国内科学会日本支部事務局
〒105-0001 東京都港区虎ノ門5丁目11-1 オランダヒルズ森タワー RoP 1201
リーズンホワイ内

E-mail: office@acpjapan.org
http://www.acpjapan.org
**********************************

2017-18 国際交流プログラム委員会・活動中間報告

2017-18 国際交流プログラム委員会・活動中間報告

 

委員長 筑波大学医学医療系教授・水戸協同病院

矢野(五味)晴美

 

国際交流プログラム委員会では、2012年に発足し、前支部長の小林祥泰先生、およびカリフォルニア支部長のDr. Soma Waliのご尽力により、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の教育病院であるオリーブビューメディカルセンターにて総合内科を中心とする臨床見学プログラムを中心とする活動を行ってまいりました。これまで通算16名の派遣者を輩出しました。残念ながら2017年8月を持ちまして、この臨床見学プログラムは終了いたしました。2017年8月以降、ハワイ大学に2名派遣することが決まり、活動しております。

 

以下で2017-18年の当委員会の活動の中間報告をさせていただきます。

 

1. これまで達成したこと

a. 国際交流委員会では、2012年より活動開始し、同年よりカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の教育病院であるオリーブビューメディカルセンターにて総合内科を中心とする臨床見学プログラムが開始されました。2017年8月に本プログラムが終了するまでに合計16名が渡航し本プログラムに参加しました。

b. 委員会では、渡航候補者の英文の履歴書や志望書の作成などをサポートしてきました。

c. 各渡航者には、委員がメンターとして担当してサポートしました。

d. ACP日本支部幹部、委員、派遣者、派遣修了者が登録された同窓会メーリングリストを発足しました。派遣者は、臨床見学中、毎週1回、臨床見学の振り返り・学び・経験などを投稿してもらいました。振り返りを関係者で共有できとてもよい機会になりました。

2. 現在、取り組み中のこと

提出予定の英文の履歴書および志望書を委員会でレビューし建設的なフィードバックを行っております。

3. 取り組み始めたこと

a. 昨年度から、派遣者を戦略的にリクルートしております(2017年8月以降、一時、中断しております)。

b. 2017年11月のNews Letterで委員が自己紹介文が掲載されました。

c. 2017年8月にUCLAのプログラムが終了後、ハワイ大学での臨床見学プログラムで渡航者が2名います。

4. 今後、計画中のこと

a. ACP日本支部の若手会員、非会員および米国での臨床見学希望者にどのように臨床見学に関する情報を届けるかを検討しております。

b. UCLAでの臨床見学プログラムが終了したため、ACP会員向けの適切な臨床見学プログラムが必要な状況になっております。

c. 臨床見学目的の渡航に関する助成について議論をしております。

FACP昇格の挨拶 – Dr. Yasuaki Hayashino

FACP昇格の挨拶

Dr. Yasuaki Hayashino, MD, PhD, FACP, MPH

天理よろづ相談所病院 内分泌内科 部長

天理よろづ相談所病院内分泌内科の林野と申します。この度はACP日本支部の関係者の多くの方々のご支援により、FACPに昇格させて頂きました。糖尿病、代謝疾患、内分泌疾患を中心に臨床に従事するとともに、糖尿病患者を対象とした疫学研究を行っております。実臨床、医学教育、疫学研究を通して内科学の研鑽に励むと共に、ACP日本支部の今後の発展に貢献できるよう努力させていただきます。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

支部長挨拶

松村理司先生のHonorary Fellowship受賞を讃える!

 

ACP日本支部長 上野文昭

その昔,日本で卒後研修の場と言えば大学やその関連病院がほとんどであった頃,京都にユニークな病院がありました.大学の看板も権威もないその病院では,本場の“大リーガー医”を招聘し,徹底的に米国式の臨床研修を行っていました.当時は卒業したら自分の大学で研修するのが当たり前でしたが,やがて多くの若者が保護者のような卒業校から離れ,その病院で世間の荒波に揉まれはじめました.他流試合で成長し,大リーガー医に感化された若者たちが数多く渡米し,本場の臨床研修に身を晒しさらに成長を遂げました.舞鶴市民病院でこの仕組みを創られた松村理司先生は,その後音羽病院に移られ,そこでも同じシステムを継続されました.この2つの研修プログラムのOBたちは今や日本にとって欠くことのできない臨床指導医として,全国の研修施設においてさらに多くの優秀な臨床医を育んでいます.

ACPの会議に出席して驚いたことは,「Tadashiは元気?」と多くの人たちに声をかけられたことです.現プレジデントのDr. Ende,現支部長会議議長のDr. Cooneyや,Dr. Gibbons,Dr. Chow,日本にもなじみの深いDr. Meyerなど,ACPの中枢に数多くの舞鶴・音羽指導医OBがいます.その他にもDr. Constant,Dr. Willis,Dr. Sapira,Dr. Tierneyなど教育者として高名な方々が“大リーガー医”として招聘されてきました.

ACPのAwardの一つにHonorary Fellowshipというものがあります.従来,世界内科学会など米国外の学会長に与えられるAwardで,これまで日本でも数名の方々が受賞しています.もちろん大変優れた先生方ではありますが,個人というよりもその役職に対するAwardという性質のものです.このたび松村先生の日本の臨床研修に対する功績が高く評価され,4月にNew Orleansで開催されるInternal Medicine Meeting 2018 において,Honorary Fellowshipが授与されることが決定しました.これは異例中の異例のことで,何ら組織の背景もない一個人の医師がその功績により受賞するわけなのです.いかにACPの評価が高いかがおわかりいただけるでしょう.そして今回の受賞をサポートしていただいた多くの大リーガー医(黒川初代支部長を含む)の皆さまに感謝いたします.

Governor’s Newsletterで個人の受賞を讃えるのには,少しためらいがありました.それでもやはりこの喜びを私だけでなく,会員の皆さま方と分かち合いたいとの思いで,あえて公表いたしました.今でこそ卒業大学を離れることはそうめずらしくありませんが,旧態依然たる当時の日本の研修体制では,不安の募る医学生を惹きつける何かが必要でした.魅力溢れる研修プログラムを構築され,長年にわたって実践されたことは,卒後臨床研修に対する考え方を根本から変えたといっても過言ではないでしょう.

敬愛する松村先生,おめでとうございます!ご承諾を得ずに先生を登場させてしまったことをお詫びいたします.

Student Committee

Student Committeeメンバーをご紹介させていただきます

(PRC委員長 大島康雄)

 

Student Committee
Chairperson

Natsumi Momoki

Institution
 
Kanazawa Univesity
Job Title
 
student
Message
 
to feel brave, act as if we were brave
Student Committee
Vice chairperson

Shungo Oka

Institution
 
Nara medical university
Department/Division
 
faculty of medicine
Job Title
 
5th-year student
Message
 
One life, one chance.
Student Committee

Fumie Osuga

Institution
 
University of Occupational and Environmental Health
Department/Division
 
faculty of medicine
Job Title
 
5th grade
Message
 
Where there's a will, there's a way.
Student Committee

Rika Terashima

Institution
 
Gunma University
Department/Division
 
School of Medicine
Job Title
 
3rd year student
Message
 
I am very excited to work with everyone in the student committee and I look forward to learning from the physicians presenting at the 2018 ACP JC conference.
Student Committee

Mitsuki Kawabe

Institution
 
Kanazawa Medical University
Department/Division
 
faculty of medicine
Job Title
 
5th grade
Message
 
I want to learn about the American medicine. By comparing the differences in American and Japanese clinical medicine, I want to introduce the good points of U.S. medicine to Japanese medicine.
Student Committee

Tomohiro Hirai

Institution
 
Mie University
Department/Division
 
faculty of medicine
Job Title
 
student
Message
 
work with diligence and modest
Student Committee

Tsuyoshi Mandai

Institution
 
Nara medical university
Department/Division
 
faculty of medicine
Job Title
 
Fifth year medical student
Message
 
Being satisfied about the present, there will be no growth !!
Student Committee

Kotaro Yoshita

Institution
 
Kanazawa University
Department/Division
 
Department of medicine
Job Title
 
Student
Message
 
It doesn’t matter
Student Committee

Hitomi Miyake

Institution
 
Nara Medical University
Department/Division
 
facalty of medicine
Job Title
 
3rd grade
Message
 
Without haste ,but without rest.

Dr. Kitano was appointed vice chairperson of PRC

Dr. Kitano was appointed vice chairperson of Public Relations Committee (PRC)

When the fiscal year began in July 2017,  Dr.  Kitano, Yuka participated in PRC taking charge of the ‘in the clinic’ project. In order to become more active as a responsible in charge of ‘in the clinic’, she began to be a vice chairman from January 2018.  Thank you very much. The council of ACP Japan has approved it, and the web page of the activity policy of PRC and the description of the web page of the official committee introduction of the Japan Chapter have been  updated.

(PRC Chairperson Yasuo Oshima)

Report of International Exchange Program Participant – Dr. Fujisaki

ACP Japan Chapter IEP

Exchange period: 2017/10/31-2017/11/21

Through the ACP Japan Chapter International Exchange Program, I was privileged to observe Hospital Medicine and Family Medicine in Hawaii. I would like to thank Dr. Nogi, Dr. Tokeshi, and everyone else involved in the Program, for helping me to gain invaluable insight into the significant differences between the way health care systems are organized from country to country.

<Hospital Medicine>

I performed the observation of Hospital Medicine by shadowing a hospitalist Dr. Nogi at the Queen’s Medical Center (QMC) in Honolulu.

Firstly, I learned that Hawaii’s population is quite diverse. Almost 40% of the state’s 13.6 million residents have Asian roots, including 15% Japanese; a quarter of the population is White; Native Hawaiian and other Pacific Islanders account for 10%; and finally, African Americans about 2 %. Of the above, 10% also count themselves Hispanic, and 25% overall identify as two or more races. In view of the Compact of Free Association between the United States and the three Pacific island nations: the Federated States of Micronesia, the Marshall islands, and Palau, as the biggest hospital in the region, QMC accepts a variety of transferred patients reflecting a diversity of race, creed, and other characteristics. In this way, severely ill patients in the vast area will converge at QMC, and hospitalists at QMC, together with numerous consultants, must deal with a wide range of diseases. For example, I witnessed a hospitalist consulting oncologists for a chemotherapy regimen, a palliative care team for management of side effects, infectious doctors for febrile neutropenia, and specialists in the main land about the Car-T therapy to treat a patient diagnosed with B-cell lymphoma. Throughout the observation, I also learned that hospitalists are required to show leadership like an orchestral conductor to convey harmonic medical care with many specialists. Especially because of Hawaii’s great diversity, the local hospitalist’s competency as a team leader required both familiarity with the medical resources in the hospital and the skill to operate as a communication hub for directing the best multidisciplinary care.

More broadly, I learned that the number of “hospitalists” in the United States has grown from a few hundred to more than 50,000 over the last decade?larger than any other subspecialty in internal medicine. I also learned that hospitalists bring reductions in hospital costs, lengths of admissions, and rates of readmission. It is for these reasons that approximately 75% of U.S. hospitals now hire hospitalists. Some specialists predict that the number of hospitalists will further increase, although this new type of specialty has its disadvantages, such as discontinuity of care from outpatient to inpatient care or medical field overlap with other specialists.

Meanwhile, the number of hospitalists in Japan is as few and far between as they were a decade ago in the United States. Because of Japan’s rapidly growing aging population, the myriad diseases and intense need for acute hospital care common to this group will require new strategies. I anticipate the number of Japanese hospitalists who play a leadership role in those settings may increase over the next decade, following the footsteps of the United States.

<Family Medicine>

I performed Family Medicine observation by shadowing Dr. Tokeshi who is a clinical professor of Family Medicine at John A. Burns School of Medicine at the University of Hawaii. Dr. Tokeshi has been serving his male and female patients of all ages from the cradle to the grave for almost 40 years. As a matter of fact, he is the primary care physician for 5 generations of one family. Shadowing him was truly inspiring and I learned that the family doctors’ approach to health problems is through longitudinal continuity of the patient/doctor relationship?one seldom established in the relatively short-term clinical relationships within other specialties. Furthermore, personal life histories were meticulously taken. For example, I learned that Japanese descendants in Hawaii often have unique life histories influenced by migration or world war. Those factors proved indispensable in interpreting health problems in the physical, psychological, social, cultural, and spiritual dimensions. These problem-solving strategies appeared to be core elements to a professional primary care physician’s repertoire in Hawaii.

From a wider perspective, family doctors are the first gates in primary care and have important roles as coordinators and advocates for the health of the community. When it comes to the health care system in the United States, I learned that it is difficult for ill or poor people to purchase insurance contracts and gain easy access to primary care. I understand that in 2010 the Affordable Care Act (“Obamacare”) was made to improve the situation, and as a result, the number of people who have insurance is expected to increase by 2020 and bring more fairness in primary care.

Japan, by contrast, offers medical insurance for the whole nation and people there have ease of access to medical care. On the other hand, Japan does not yet have qualified training programs for primary care physicians; and although the Japanese Medical Specialty Board has been preparing for establishing a new training system in each medical field by April 2018, there remains a shortage of family doctors. Consequently, Japanese patients are rarely seen by their officially trained primary care doctors, but are seen instead by providers whose specialty is on the boundaries of medical fields divided by anatomical and physiological systems.

With the number of Japanese elderly, multi-morbid patients skyrocketing, I imagine the number of Japanese trained as primary care physicians like the family doctors in Hawaii?who approach and can manage any health problems from holistic perspective, will increase, once global standard primary care training programs are established here in Japan, in the near future.

Tomohiro Fujisaki, MD 2018 January

ACP日本支部国際交流プログラム 研修報告書

ACP日本支部国際交流プログラム 研修報告書

藤崎智礼
派遣期間 2017/10/31~11/21

2017年11月、ACP日本支部国際交流プログラムを通じて、ハワイでHospital MedicineとFamily Medicineの研修をさせて頂きましたので報告させて頂きます。


<Hospital Medicine>

Hospital Medicineの研修はThe Queen’s Medical Center(QMC)でホスピタリストである野木真将先生(Dr.Nogi)のシャドーイングを行う形で行いました。

ハワイは、人口のうち大まかにアジア人が40%、白人が25%、ハワイアンやポリネシアンが10%、ヒスパニックが10%、黒人が数%を占め全米平均と比較して大きく違う特徴のある人口形態をしていますが、米国がミクロネシアやパラオ、マーシャル諸島と結んだ自由連合盟約に含まれる医療支援協定を前提として、QMCはその地域における最大の病院として国籍、人種、宗教など多種多様なバックグランドを持つ患者の受け入れを行っていました。広域から受け入れを行う病院であるため複雑な病態の患者が多く、ホスピタリストが幅広い疾患の診療を行う所を見学する事が出来ました。強く印象に残ったのは、 数多くのコンサルタントとディスカッションしながら治療方針を決定していくホスピタリストの診療スタイルでした。例えば、リンパ腫のある患者の癌治療についてはOncologistやRadiologist、抗がん剤副作用の強い嘔気についてはPalliative care team、発熱性好中球減少症についてはInfectious disease doctorというように、数多くのコンサルタントと協議しながら共に診療に当たっていました。その中で、ホスピタリストには各分野の専門医から信頼を置かれる知識と、 チームの指揮者として各専門医を指揮し協和音のとれた医療を行うリーダーシップ能力が求められていました。また、様々な人種や民族的背景をもつ人々がミックスされた特徴的な人口構成をもつハワイでは、疾患の治療だけではなく患者の価値観や社会的事情など患者全体像を踏まえた治療ゴールを設定する高い能力が求められ、病院やその地域の医療資源に詳しいホスピタリストが、様々な職種、かかりつけ医、家族とチームを作り、最良の治療選択ができるようにコミュニケーションのハブ役としての大きな役割を果たしていることを学びました。

全米では、誕生から約20年を経た2016年度にホスピタリスト総数が50,000人を超え、 米国内科サブスペシャリティー最大の規模を誇る循環器内科医の総数22,000人をはるかに上回る数となったとNEJMで報告されています。ホスピタリスト雇用により、医療費削減、入院日数削減、医療の質向上、患者満足度増加といった結果が出ており全米の約75%の病院でホスピタリストが積極的に雇用されているようです。また、外来診療がなく入院診療に専念できる事、7日勤務/ 7日休みというワークライフバランスの保たれたシフト制度などが人気であり増加の要因となっているようです。ホスピタリスト制度には、入院と外来診療の継続性の分断や専門医との診療領域オーバーラップなどのデメリットの指摘もありますが、やはり、医療のパフォーマンス向上に繋がるメリットが多いため今後も総数が増加していくと予想されているようです。日本には入院治療のみ行う医師は少ないですが、超高齢化社会で多疾病罹患を抱える高齢者の入院が増加しているため、米国ホスピタリストのような各専門医の方針をまとめ治療方針を統括する医師の必要性が今後さらに高まり、その数も米国の前例のように増加していくのではないかと思いました。

 

<Family Medicine>

Family Medicineの研修はハワイ大学ジョンAバーンズ医学部の家庭医学臨床教授である渡慶次仁一先生(Dr. Tokeshi)のシャドーイングをする形で行いました。1日の基本的なスケジュール としては、朝4時頃から入院患者回診をして、その後、6時30分からモーニングレクチャーを受けて、8時30分から外来を見学するというものでした。担当患者の緊急入院などに備えて、Eating and Sleeping: Optional.というモットーのもと24時間オンコール体制で研修に臨みました。

ハワイ大学医学部の一期生であるDr. Tokeshiは、約40年間老若男女問わずあらゆる健康問題を扱い、今では5世代に渡り診療している家族もあるそうです。プライマリケア医師(PCP)として個人、家族、そして地域を対象として、長い期間に渡り継続的な人間関係を保ち、診療期間の短い他の専門医と異なるアプローチで臨床問題を扱っていることがよく分かりました。また、ハワイ在住の日系人には移民や真珠湾攻撃の歴史など独特な歴史・文化的背景があり、戦争に多大な影響を受け生きてきた方が多く、若い方であっても先祖の移住や戦争の歴史を抜きにしてはアイデンティティーを語れない方が多くいらっしゃいました。そのような社会歴は特に細かく聴取されており、健康問題を文化的、社会的要素などの観点から理解し包括的にアプローチしている事が非常に特徴的でした。今回、それらの特徴や能力がハワイの家庭医療においては特に重要であることを学ぶことができました。

家庭医が大きく関係するプライマリケア(PC)という視点で米国全体に目を向けると、公的な皆保険はなく高額な医療費に備えて各個人が保険会社と契約を結ぶのが基本で、多疾病罹患のある高齢者や低所得者が保険に加入して治療を受けるには厳しい現状があるそうです。2010年にはオバマケア法が成立し2020年までの医療保険加入率増加を目指すように米国の医療制度改革が進められ、医療費削減や公平さに繋がると期待されています。一方、日本には国民皆保険制度がありますが、総合診療(家庭医や病院総合医を含んだ名称)の専門医制度が始まったばかりで家庭医学の専門医育成プログラムは確立されていません。日本の患者は医療へのゲートキーパーであるかかりつけ家庭医を持たず、医療へのフリーアクセスを通して臓器疾患ごとに専門医を受診することが少なくありませんが、多疾病罹患をもつ高齢者が急増している日本では、ハワイの家庭医のような、臓器だけではなく人を人として診る、全人的な側面からあらゆる臨床問題を束ねて対応することのできる地域に根ざしたジェネラリストの必要性が今後さらに高まっていくと思われます。日本でもこれから専門医研修制度が確立され家庭医の役割を果たす訓練された医師が数多く誕生していくのかもしれません。

 

<教育>

米国の医学教育について学ぶことも出来ました。ハワイ大学医学部はProblem Based Learning(PBL)という教育制度をいち早く取り入れた全米でも人気の高い医学部であり、Dr.Tokeshiの診療所でも水曜日の午後など外来診療のない時間を利用してハワイ大学医学部1年生に対して、呼吸器疾患を持つボランティア患者の問診と身体診察を行うPBL方式の実習が行われていました。AsthmaやLaugh syncopeなどを既往にもつ興味深い症例について、数時間かけて網羅的に問診、身体診察、カルテ記載、症例プレゼンテーションを行う実習が行われ、その後人工呼吸器を実際に装着してモード設定を学ぶ時間が設けられていました。また、プレゼンテーションの教育も重要視されており、医学部1年生がほとんど完璧な、流れるような症例プレゼンテーションを行っており感心しました。このように早くから課題となるテーマを与える事で学生の能動的な姿勢や感心を引き出していく事がPBLの本質・ 目的であり、ハワイ大学医学部で重要視されている教育スタイルであることを学びました。ハワイ大学では、講義に加えてこのように診療所などの現場に出て実際に患者を問診診察する教育スタイルが昔から当たり前のように行われているそうです。この点は、受動的で座学中心、知識の暗記に偏りがちな日本の教育制度と対比的な所だと感じました。William Oslerの“Listen to your patient, he is telling you the diagnosis.”という名言がありますが、まさに最高の教師である患者から疾患について学ぶ環境が用意されていました。医学部1年生は週に数回このようなPBLを行っているそうです。また、臨床教授として約40年間に渡り家庭医学の教育に力を注いでおられるDr.Tokeshiの診療所での研修はThe Tokeshi Dojo(道場)として有名で、共に研修したハワイ大学3年生の医学生は、外来で問診してカルテを記入し、バイタル測定、 採血などの手技を行いながら、入院患者の入院管理や入院・ 退院サマリー記載など忙しく実戦力として働いていました。このように、医学部1年生の時から実際に臨床の現場に出て、卒業時には即戦力となるように考えられたアウトカム重視の実用的な教育が行われているように感じました。また、内科レジデントの勉強会に参加する機会がありましたが、レジデントによる症例プレゼンテーションが行われ、 症例や論文について活発な議論が行われていました。主訴から鑑別疾患を挙げ、問診や身体診察、検査を通して鑑別を絞り込み診断に結びつけていく臨床推論の訓練や、論文を引用し診療に批判的吟味を行う機会が多く用意されていると感じました。それらの点は米国医学教育の長所であり、そのような機会が少ない日本の医学教育に取り入れるべき点だと感じました。限られた時間ではありましたが、日米医学教育の違いについて学ぶよい機会となりました。


最後になりましたが、ハワイで、Hospital MedicineとFamily Medicineについて深く学ぶ事が出来ました。人種、民族的背景、地理的背景、経済的背景など様々な視点から米国の医療制度をのぞき込む事が出来たと思います。そして、医学教育制度についても日米を比較して学ぶ事が出来ました。このような学びの多い充実した研修の機会を与えてくださったDr.Nogi、Dr.Tokeshi、そしてACP 関係者の皆様に深く感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

2018年1月 藤崎智礼

Discount for Internal Medicine 2018

事務局よりお得な割引料金のご案内です。(PRC委員長 大島康雄)

ACP日本支部会員の皆様

お世話になっております。

ACP日本支部事務局でございます。

この度は、ACP Internal Medicine Meeting 2018 in New Orleans (19−21, Apr)

 へのグループ参加登録による割引料金について、ご案内申し上げます。

ぜひ、お誘い合わせの上、ACP Internal Medicine Meeting 2018にご参加いただければ幸いでございます。

ACP Internal Medicine Meeting 2018 International Delegation Ratesとは

10名以上でグループ参加登録をされると、グループ割引の特典が付きます。

【対象】

ACP会員、及び、その他の医師

グループ料金】

会員の場合(1名あたり):$547

 ※個人登録の場合:131日までの早期登録料金 $679(正会員料金)

非会員の場合(1名あたり):$819 

 ※個人登録の場合:131日までの早期登録料金 $999

【申請方法】

添付のフォームにご入力の上、事務局office@acpjapan.org宛へお送りください。

【期日】

2018131

【ご参考リンク】

グループ参加登録割引に関する詳細:https://annualmeeting.acponline.org/registration-travel/2018-international-delegation-rates

通常の参加登録費の詳細:

https://annualmeeting.acponline.org/registration-travel/internal-medicine-meeting-rates

以上、ご不明点等ございましたら、事務局office@acpjapan.orgまでご連絡いただけると幸甚です。
 
 
何卒よろしくお願い申し上げます。