Local Nomination Committee委員長で、国際医療福祉大学大学院医学研究科神経内科学教授の永山正雄先生から、New Orleansで開催されたAmerican College of Physician(ACP) Internal Medicine 2018の参加の報告とFACP昇格の報告を頂きましたので、PRC委員会から広報いたします。(PRC 宮内隆政)
新FACPとしてConvocationに参加して
Local Nomination Committee委員長
国際医療福祉大学大学院医学研究科 神経内科学教授
永山 正雄
このたび、米国内科学会年次総会でFACP称号を授与戴きました。ご尽力戴きました上野文昭支部長、前田賢司次期支部長、小林祥泰前支部長、新谷英滋委員長ほかの先生方に深く感謝申し上げます。
私はgeneralist、specialist、専門医、総合内科専門医をめぐる議論に、「研究は狭くても良いが、診療は臨床医として少しでも広くカバーできるべき」と強調して参りました(永山正雄. 医学のあゆみ, 2011)。私自身の場合で申しますと、脳卒中をはじめとする神経救急・集中治療の専門家である前に神経内科医であり、その前に内科医、臨床医、医師であるべきと考え、実践して参りました。2004年からは、日本内科学会認定内科専門医会プロフェッショナリズム委員会、大生定義委員長)委員として、ACP憲章(2002)邦訳、わが国独自の医師憲章を模索する活動に参加させて戴き、その成果を「米欧合同医師憲章と医のプロフェッショナリズム-日本版内科専門医憲章策定をめざすプロジェクトの成果」(永山正雄、前田賢司ほか、内科専門医会誌, 2016)、書籍「白衣のポケットの中」(医学書院, 2009)として発表する機会も戴きました。
すでに1998年に米国神経学会(AAN)フェロー(FAAN)の称号も授与されておりますので、順序が逆になってしまいましたが、20年振りに訪れた米国New Orleansの地で、荘厳なConvocation Ceremonyに参加し、世界の同学の士とともにFACP称号を授与戴きました。大変感動しmotivationが高まる一方、欧米は勿論、とくに新興国からの新FACPの著しい台頭に鑑み、危機感も覚えました。彼らの多くはfriendlyですが、その向上心、hungry精神は高いことを、留学者数、論文数、大学等の国際ランキング等において埋没しつつあるわが国に伝え、hungry精神を育むべく後進を刺激することの重要性、FACPはゴールでは無いことを再認識して戴く教育の重要性、ACP日本支部のプレゼンスをさらに高めるための実行力の必要性を強調し、実践して参りたいと思います。