公判の経過(概略)について(2006/7/28版)
7月21日に本件の公判前整理の話し合いが福島地方裁判所で開催されました (10:30 AM〜12:00AM)。この日では話し合いで結論にいたらず、次回8月11日 (金)に持ち越されました。今後の予定は8月11日(金)でも話し合いがつかない場 合は9月15日(金)と10月11日(火)となります。現在の状況判断では10月11日 (火)まで続く可能性があります。その後(話し合い成立した)1ヶ月後から裁判 が開始されるものとみられます。ただし9月15日(金)に結着できれば10月11日 (火)が裁判の1回目が開催される予定です。
公判前整理の話し合いが開催された以前のこれまでの経過(概略)です。
1. 平成18年6月9日
福島地方検察庁より「証明予定事実記載書」が弁護団に届きました。 これは被 告人の経歴からはじまり、前置胎盤?、ゆ着胎盤の説明、本件に至る経過、本件 の手術状況、被害者死亡後の状況等などが記載され、本件を起訴した証拠を提出してきました。
2. 平成18年7月7日
弁護団はこれを受け、「証明予定事実記載書に対する求釈明事項書」を福島地 方裁判所刑事部に提出しました。また同時に「起訴状に対する求釈明事項書」 を裁判所に提出しました。
「証明予定事実記載書」に対する求釈明事項書」とは、検察官から証拠によって証明しようとする事実が何であるかを明らかにした書面中、弁護団が不明確 な点について説明を求めた書面です。また「起訴状に対する求釈明事項書」と は起訴状に起訴事実として記載されている文言について不明確な点について弁 護団から説明を求めた書面です。
また同日、裁判所刑事部に弁護団より「証拠に対する意見書」も提出しまし た。これは検察官が裁判所に提出した、取り調べを請求した証拠に対して、弁 護人が取り調べをした「同意書面及び取調べ」に同意するかどうか(証拠とし て取り上げてよいかどうか)について意見を述べ、現段階ではその判断を留保 していることを述べる書面で弁護人が同意しない「同意書面及び取り調べ」の 書面については無条件に証拠となることはないとのことです。(つまり検察側 から提出した証拠のうち、裁判で争う時に証拠として認めるもの認めないもの を選択したことになります)
3. もう一つ弁護団から福島地方検察庁に「類型証拠開示請求書」を提出しま した。これは検察官が証拠として提出していない手持ちの証拠について類型的 に証拠の開示が認められている(刑事訴訟法)ので、証拠として弁護団(人) が証拠の開示を請求した書面です。
4. 平成18年7月14日
福島地方検察庁は弁護団に対し「証拠開示請求に対する回答書」を送ってきま した。つまり類型証拠開示請求に対する回答です。同日検察庁は福島地方裁判 所に「意見書」を提出しました。類型証拠開示請求に対し、弁護人の請求に理 由不備の請求が含まれていることから弁護人にその不備の是正を求めるよう、 裁判所に求めた書面です。
5. 平成18年7月21日
弁護団は?「証明予定事実記載書に対する求釈明事項書(2)」、?「証明予定事 実記載書に対する意見書」および?「類型証拠開示請求についての意見書」を 福島地方裁判所刑事部に提出しました。?は前述した如く、検察官から証拠によって証明しようとする事実が何である かを明かにした書面中、弁護人が不明確な点について説明を求めた書面です。 ?は検察官か弁護人の申し立て(要求)に対し、証拠の開示に応じない理由を 述べたことに対する弁護人の意見を述べた書面です。
6. 平成18年7月21日
前述した如く、第一回目の公判前整理の話し合いが行われました。その後、午 後1時30分より県弁護士会館で記者会見をいたしました(弁護士の先生8名)。 この時記者団に配布した「コメント」をご覧いただきたく存じます。またこの次の日に新聞各紙にとりあげられました。
裁判所に提出した書面、検察官から提出された各書面をすべて公開すること はできませんが、これまでの経過と今後の予定について、皆様にご報告させて いただきました。
福島県立医大 産婦人科 佐藤 章