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離婚するべきか悩み続けたけれど ―20年を経てー
#孤独感(14件) #前に進む(12件) #家族の苦しみ(7件) #結婚への壁(5件) #がんになったあなたへ(5件) #子どもが欲しい(5件) #家族との付き合い方(5件) #子宮摘出(4件) #社会と繋がる(3件)
がんと分かったのは結婚をして一月ほど経った頃でした。
子宮を失い子どもを産むことができなくなるということはがんになったことよりも受け入れがたく、生きる希望を失ってしまいました。
子どもを楽しみにしていた家族にとっても辛いことだったと思います。手術が決まった病院の帰りに立ち寄った海をみながら「私は一人でも大丈夫だから、お義父さんやお義母さんのためにも別れてあげてもいいよ」と強がりを言ったことを今でもよく憶えています。ドラマだったら「そんなことを言わずに一緒に生きて行こう」とでも答えるのでしょうが、現実はそんな感動的なことがあるわけではなく曖昧な答えしか返ってきませんでした。
里親養子縁組の提案も夫の理解が得られずショックでしたし、別れてあげなければ夫の人生を台無しにしてしまうという罪悪感から更に苦しむことになりました。お互いに誰にも相談することができず、それぞれが孤独に辛い思いを抱えながら月日が流れて行きました。
そんな私たちですが今でもそこそこ仲良く暮らしています。
私が同じ思いを持つ仲間と出会いサポート活動をはじめ、夫はスポーツを通じて子どもたちを育てる活動に関わったことで、それぞれのやるべき事をみつけられたことが良かったのかもしれません。
大切な人の人生まで巻き込んでしまったことで苦しみは2倍、4倍になってしまったし、がんになって良かったなんてこれからも思えないけれど、私たちはそれなりに素敵な夫婦だと思います。
ずっと、義父母に対して「申し訳ない」という気持ちや「傷つきたくない」という思いで避けていた親との同居でしたが、義母が独りになったタイミングで受け入れることになりました。思っていたよりもずっと快適に暮らすことができ、今は大きな荷卸しをしたような気持ちです。
20年前の自分に「大丈夫だよ、自分を信じて。」と伝えたいです。