プーさん
治療中の通学で感じた疎外感
私は高校3年生の4月に急性白血病を発病して入院し、一学期はほとんど通学できず、試験も受けられませんでしたが、高校1,2年生の時の頑張りを認めてもらい、二学期の試験を受けること、可能な範囲で通学することで卒業できるよう取り計らってもらえることになりました。
卒業できるよう配慮していただけたことはうれしかったのですが、治療をしながらの通学や試験勉強は本当に大変でした。入院生活で体力が落ちていますし、治療の合間で抗がん剤の副作用が出ていることもあり、家族に付き添ってもらわないと通学さえできなくなっていました。無理に通学をして、結局保健室で寝ているだけだったり、すぐ帰る羽目になったりしたこともありました。家に帰るとぐったりと疲れて熱を出してしまうこともあり、試験勉強をすることもままなりませんでした。
大変なのは身体のことだけではありません。かつらをかぶっての通学は友達に気が付かれないか、いつもドキドキしていました。眉毛がないのもかつらの前髪で隠していました。自分の髪の毛で自由にオシャレが出来る友達を見て悲しくて仕方ありませんでした。友達も、最初こそ通学すれば喜んで会いに来てくれたり、休憩時間になれば話しに来てくれたりしましたが、たびたび通学するようになれば珍しさもなくなり、別の友達と過ごす日常へと帰っていきました。クラスや学校で私はいないことが普通になっていて、私はみんなにとって必要のない存在になっていました。学校へ行くたびにその現実を突きつけられ疎外感に苛まれました。そして、死ぬということもこうやって忘れられていくことなのかもしれないと思いました。当然のことですがこんな思いをして通学していることを先生や友達は誰も知りませんでした。それもまた私の孤独感や疎外感を一層強め、一人きりの卒業式を迎えるまで最後はさみしい学校生活でした。