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同僚への伝え方
39 歳で発症したとき、4 人の部下がいました。わたしは、良性腫瘍の除去手術の抜糸のため受診したときに、「悪性」の告知をされました。一時間ほど遅刻して、そのまま会社に向かう予定だったのです。
担当医だった形成外科医に、「このあとすぐ放射線科へ行ってください」と告げられて、なにもわからないまま行き、放射線科では「これから毎日病院にきてください。そして治療計画と治療に集中してください。日帰りでいいです」といわれました。
悪性の告知 ⇒ 毎日病院に通う ⇒ わたしの生活が崩れる???
と思い、パニックになりました。仕事は? 家族へは? 自分自身はどうなる??
でもまずは、部下を持つ立場であったため、上司に相談。びっくりした上司は、即「治療に集中しなさい」といってくださり、会議室にチームのみんなを集めて「みんなの上司ががんになったから協力するように」といってくれました。大変熱い上司なので、ありがたかったですが、その場で全員が泣きました。
チームメンバーは、ほとんどが 20 代の女性。がんという病名にビックリしたんですね。おそらく最悪のことが頭をよぎったのでしょう。わたしも告知からわずか 3 時間ほどで、「人が泣くような大変な病気なんだ」と自分に起きていることを認識することになりました。でも、まずは一番迷惑をかけるであろう会社になにかを告げたくて、何が何だかわからないまま行動した結果、かえって自分も周りも混乱させてしまったという事態に。若い世代のがんは、まだあまり広く認知されていないということは、知っておいた方がいいと思います。
今思うと、まず相談すべきは人事担当者だったのだと思います。大きな会社でも小さな会社でも、少なからず人事を担当している方は、社員の様々な悩みや都合に直面しています。人事担当が上司や社長である会社も多いと思いますが、直接関わる人より、客観的な立場の人に相談する方が望ましいと思います。