ACP日本支部年次総会・講演会2019 黒川賞(医学生部門)受賞のご報告
順天堂大学医学部6年生
福本咲季
ACP(米国内科学会)日本支部年次総会・講演会2019において黒川賞をいただき、大変光栄に存じます。
この度、私は交通事故の一因である緑内障に対するクロックチャートを用いたスクリーニングの有用性について、「Unaware of glaucoma and traffic accidents: a proposal to detect visual field defects by CLOCK CHART」という演題名で発表を行いました。
私が所属する順天堂大学の公衆衛生学講座では、以前よりいわゆる健康起因事故に注目して研究しており、その原因疾患の例として睡眠時無呼吸症候群、花粉症、緑内障などが挙げられます。この中で緑内障は40歳以上の日本人の20人に1人が患っており、その9割が未治療・無自覚であると考えられています。多数の論文で緑内障と交通事故の関連が報告されており、多くの人が緑内障の適切な診断や治療を必要としています。
そこで、緑内障の視野欠損を簡単にスクリーニングできるクロックチャートを緑内障患者5名に用い、症例発表をさせていただきました。一般的に用いられているハンフリー視野検査の結果と高い一致率が認められ、全ての医師がクロックチャートで患者様の視野のスクリーニングを行うことで、緑内障の早期診断・早期治療、そして交通事故の防止を期待できると考えられました。
更に現在、タクシー・トラック運転手約2000名を対象としたクロックチャートによる検査結果、交通事故経験のデータを解析中です。
最後になりましたが、常日頃から熱心にご指導いただいた谷川教授、和田先生をはじめ本発表に際し大変お世話になりました皆様に心より御礼申し上げます。