国際交流プログラム委員会 (IEPC)より、“グローバルキャリアのすヽめ−Why not pursue a global career path?”と題したパネルディスカッション形式のランチョンセミナーの報告を頂きましたので、PRC委員会からも広報いたします。(PRC 前田正彦)
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グローバルキャリアのすヽめ
The International Exchange Program Committee
International Exchange Program Committee (IEPC)では、“グローバルキャリアのすヽめ−Why not pursue a global career path?”と題したパネルディスカッション形式のランチョンセミナーを開催しました。パネリストとしてご登壇頂いた5名の先生方には、お一人ずつ簡単な自己紹介とご自身のキャリアパスをご提示頂いた後、それぞれの視点で「なぜグローバルなキャリアを勧めるのか」について語って頂きました。
現役米国レジデントの山田先生からは日米間での臨床研修システムの違いについて、また人種の多様なニューヨークで働くことにより得られる刺激や、医師以外のニューヨーク在住日本人との交流についても言及がありました。
小原先生からは、世界トップクラスの米国の研究室でもがき苦しみながらも最終的に周囲やボスの信頼を得るに至った経過を振り返りながら、偶然が支配するように見える人生のキャリアパスにおいても、実は好奇心や粘り強さ、柔軟性、楽観性、リスクテイクといったことがとても大切だということ(「計画された偶然理論」というのだそうです)などをお話頂きました。金城先生からは、米国でフェローとしてご活躍中の間のご出産や子育てのご経験や、米国でMPHを取得された際に築かれたメンターや周囲との人的繋がりがその後のご自身の活動にも大きな影響を与え続けていることなどを語って頂きました。武田先生からは、成人の学びはそれぞれが抱える課題や問題に基づいて導かれること、過去の経験は学習のための貴重な資源であるとの指摘した上で、卒後年数がある程度たってからの留学も学ぶ意義が大きいことをご自身の経験を振り返りながらお話頂きました。また、子ども連れの留学ならでは経験できる貴重な体験についても興味深いエピソードを交えながらお話を頂きました。筒泉先生からは、米国へ臨床留学するために必要なことを具体的に提示頂きました。USMLEの高スコアや説得力のあるPersonal Statementといったハード面のみならず、絶対にやり通す強い意志、また臨床留学に通じた外部のサポートなども必要であることなどを語って頂きました。また、米国臨床留学は厳しいが不可能ではないこと、成功するためには情熱と冷静な戦略を併せ持つことが必要とのメッセージも頂きました。
質疑応答では英語の学習法、特にスピーキングの上達法に話題が及びました。英語学習には終わりがないということがパネリストの先生方の多数の意見でしたが、一方で必ずしも“正しい英語”を話すことを意識し過ぎる必要はないとのコメントも頂きました。また、パネリストのお一人から、医療を必要としているのに受けられない外国人の方々が日本には少なくないこと、そのような方に手を差し伸べることも “グローバルな活動”だとのご意見を頂きました。
質疑応答の最後には、黒川清初代ACP日本支部長から、たとえ短期間であっても若い間に海外を自分の目で見てくることの大切さについて強いメッセージを頂きました。1時間のランチョンセッションでしたが、参加者の皆さんがグローバルキャリアの道へ一歩足を踏み出すきっかけなれたとしたら、本セッションを企画したIEPCとして非常に嬉しく思います。
謝辞:武田裕子先生にはIEPCメンバーではないにも関わらずパネリストの一人としてご参加頂き、そして素晴らしいお話を頂き有難うございました。また初代支部長の黒川清先生、前支部長の小林祥泰先生には本セミナーに足をお運び頂きまた貴重なメッセージを頂き感謝申し上げます。