がんの在宅療養 地域におけるがん患者の緩和ケアと療養支援情報 普及と活用プロジェクトfacebook

3-3.仕事と治療の両立に関する、信頼できる情報源

仕事と治療の両立を考える際にも、信頼できる情報源や相談先はご本人やご家族、周囲の人にとって大きな力になります。仕事と治療の両立について、心配ごとや知りたいことが出てきたときに参照できる、代表的なウェブサイトや資料、支援団体(相談先)を紹介します。

●担当医(主治医)や看護師などの医療者、病院の相談部門、がん相談支援センター

がん相談支援センターのマーク
がん相談支援センター
の目印
病気や治療以外のこと(仕事と治療の両立に関すること)も、担当医や看護師に相談して構いません。また、かかっている病院の相談部門や、がん診療連携拠点病院に設置された「がん相談支援センター」第1章「1-3.在宅療養に関する、信頼できる情報源」参照)でも、両立に関する情報を得たり、悩みや心配ごとを相談することができます。

●がん情報サービス「がんと仕事のQ&A」
https://ganjoho.jp/public/institution/qa/index.html 外部リンク
国立がん研究センターが運営するウェブサイト「がん情報サービス」では、がん経験者の実際の就労体験をもとに、がんと就労にまつわるさまざまな情報をQ&A形式でまとめた「がんと仕事のQ&A」を閲覧することができます。患者さん本人だけでなく、患者さんを支えるご家族や職場の方にとって役立つQ&Aも多く掲載されています。

●厚生労働省「治療と仕事の両立支援ナビ」
https://chiryoutoshigoto.mhlw.go.jp/ 外部リンク
「治療と仕事の両立支援ナビ」は、厚生労働省が運営する情報ポータルサイト(ウェブサイト)で、がんに特化したものではありませんが、利用可能な支援制度の説明や、仕事と治療の両立に関するイベント情報などを閲覧することができます。患者さんやご家族向けの情報だけでなく、企業の方向けの情報なども多く掲載されています。

●民間の支援団体(ウェブサイト)
一般社団法人 CSRプロジェクト
https://workingsurvivors.org/ 外部リンク
がん患者さんの治療と仕事の両立を支援する民間団体。体験と情報を共有し合う「サバイバーシップ・ラウンジ」や、就労に関する相談ができる「就労セカンドオピニオン〜電話で相談・ほっとコール〜」などのサービスを提供しています。

特定非営利活動法人 キャンサーリボンズ
https://www.ribbonz.jp/ 外部リンク
がん治療と生活をつなぐ情報を発信している民間団体。職場や医療者とのコミュニケーションに役立つ『「がんと働く」リワークノート』や「仕事と体調のチェックシート」など、療養と就労の両立に役立つツールを紹介しています。

特定非営利活動法人 がんと暮らしを考える会
https://www.gankura.org/ 外部リンク
がん患者さんとご家族の経済的な問題に関する支援体制づくりを目指す民間団体。公的・民間問わず「お金」に関連した制度をまとめて検索できる「がん制度ドック」や、動画で支援制度について学ぶことができる「がん制度大学」などのコンテンツを提供しています。

企業側も相談できる先があります

従業員の病欠は企業側にとっても突然のことで、どのような手配や配慮をすればよいか、また病気を患ったご本人にどのように接したらよいかなど、戸惑われることがあるかもしれません。特に中小企業で、過去にがんなどの大きな病気を経験した従業員がいない場合では、従業員の就労と治療の両立について、対応に迷うことが多くあるようです。
こうしたとき、企業側にも相談できる先があります。もし職場に両立支援についての情報が不足しているようなら、以下の相談先や情報源をさり気なく伝えるなどして、職場で合理的な配慮が受けられるようにしていきましょう。

■代表的な相談先

がん相談支援センター第1章「1-3.在宅療養に関する、信頼できる情報源」参照
全国のがん診療連携拠点病院などに設置されている「がんに関する相談窓口」です。がんに関する企業からの相談も受け付けています。

社会保険労務士(労働や社会保険に関する専門家)
規模の大きな企業では顧問の社会保険労務士に、規模の小さな企業では「全国社会保険労務士会連合会」のウェブサイトなどから、地域の社会保険労務士を探し、相談することができます。

産業保健スタッフ(産業医や産業保健師など)
規模の大きな企業では専任の産業保健スタッフに、従業員が50名未満の小規模企業で専任のスタッフがいない場合では、各都道府県に設置された「産業保健総合支援センター」に相談が可能です。

■企業向けの情報源

厚生労働省「治療と仕事の両立について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000115267.html 外部リンク
厚生労働省のウェブサイト内には企業向けの情報が多く掲載されています。「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」には、がんなどの病気を抱える従業員に対して必要な、適切な就業上の措置や治療に対する配慮などに関する情報がまとめられています。

厚生労働省「疾患を抱える従業員(がん患者など)の就業継続」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/jigyounushi/teichakushien/patient.html 外部リンク
がんをはじめとした疾患を抱える従業員の就業継続に関する情報や関連資料がまとめられています。

厚生労働省「働き方・休み方改善ポータルサイト」
https://work-holiday.mhlw.go.jp/ 外部リンク
社員の働き方・休み方の見直しや改善に役立つ情報を提供する企業向けのポータルサイトです。

●コラム 診断書が必要なときには

病気で長期間仕事を休む必要があるときや、反対に仕事に復帰するときには、会社から医師の診断書(休業診断書や復職診断書)や意見書の提出を求められることがあります。
多くの病院では、所定の依頼書を受付などの窓口に提出することで作成を依頼できますが、書類ができあがるまでに2~3週間かかることもあるため、提出の必要があることがわかったら、早めに依頼しましょう。また、いつまでに書類が必要であるか、期日を伝えるようにしましょう。
なおその際、書類の作成依頼目的をはっきりと伝えることが大切です。休暇取得が目的であれば、入院期間や通院の頻度、治療の期間、治療によって生じうる身体面の変化などを記載してもらいます。一方、復職を目的としたものなら、いつから復職が可能か、病状や治療の状況から避けるべき作業や業務、その他企業側に必要な配慮などについて、記載してもらうとよいでしょう。
診断書や意見書は、企業が所定の書式を用意している場合もありますが、ない場合もあります。厚生労働省が公表している「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」 外部リンクには、様式例が紹介されていますので、これらを活用してもよいでしょう。

診断書 様式
診断書や意見書の様式例(厚生労働省)
掲載日:2024年06月20日
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