がんの在宅療養 地域におけるがん患者の緩和ケアと療養支援情報 普及と活用プロジェクトfacebook

おわりに

本書『がん患者さんとご家族をつなぐ 在宅療養ガイド』では、がんを患ってもその人らしい生活リズムを保ちながら、今までどおり住み慣れた場所で穏やかに過ごすためのさまざまなヒントや助けがあることをご紹介しました。

がんと診断されて間もない時期には、これからのことを見通すことは難しいかもしれません。病状によっては、いずれ最後の時期を迎えることを受けとめることがつらいかもしれません。でもそのときは、住み慣れたところで、ご家族や親しい方とともに、これまで生きてきた人生の歩みを振り返ったり、まとめたりする時期なのかもしれません。
人生を振り返ってみたり、まとめてみたりすることは、時に大変なことでもあり、一方で素晴らしいことでもあるでしょう。

ご家族や周囲の方は、これまでのご本人との関わりが強ければ強いほど、関係の変化にとまどったり、つらさや無力感などを感じたりすることがあるかもしれません。日々の生活はとても忙しくなるかもしれません。さまざまな気持ちや生活上の変化を通じて、大切な人をその時々で想うこともあるでしょう。そして大切な人は、これからも家族の一員として心のなかでずっと生き続けるのかもしれません。
そのようなご本人とご家族の歩みを私たちは応援したいと思います。

ご本人とご家族、ご遺族の方々が、その人らしい暮らしを維持しながら、一日一日を大切に過ごしていただけるように、全国各地で少しずつ着実に支援の輪が広がってきています。

この本が、日々の過ごし方を考えているご本人やご家族、大切な人を失ったご遺族の皆さまを支えるガイドとして、お役に立つことができれば幸いです。

「地域におけるがん患者の緩和ケアと療養支援情報 普及と活用プロジェクト」
プロジェクトリーダー
渡邊 清高

掲載日:2024年06月20日
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