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治療をイベントに
治療は、非日常の連続です。病院は冷たく暗いイメージがあるし、病院にいるのは当たり前ですが全員病人なので、なんらかの暗闇を抱えています。でもそこに合わせる必要はありません。それを「異空間」、「人生の新しい体験」と考えてみると、「病院」や「治療」も悪くありません。
たとえば、病院のコンビニ。街中のコンビニのラインナップとはまるで違います。カップ麺の種類、レジのカウンターの高さに違いを見つけたり。また血液検査では、総合病院の採血専門の看護師さんは針の刺し方が圧倒的にうまい! 刺し慣れている! そんなことを考えたり。
「病人なのにそんなこと考えるのは不謹慎だ」と思わずに、運動がてら病院の中を散歩してお気に入りの場所をみつけに行くのも良かったです。
少し入院していた時には、外来が休診になるお昼の時間に、外来の待合室でひとりゆったり、本を読むことにしていました。自分だけのラウンジです。
そんなちいさな楽しみを見つけることが、意外と意識を客観的に変え、内に籠りがちな闘病中の気持ちを和らげてくれました。
2022年執筆