C.S.
日々の生活と治療
がんがわかった頃、息子は2歳で保育園に通い始めたばかりの頃でした。また、私も就職をしたばかりで、本当に先が読めない状況でした。
抗がん剤の治療でどのくらい具合が悪くなるのか、どのくらいで回復するのか、免疫機能が下がった状態で仕事に行って大丈夫か…など予想ができない状況の中、治療と仕事の両立について会社と話し合いました。結局3週間に1度の抗がん剤(FEC ※)治療では、投与日から10日間お休みをもらい、出勤し、また投与で10日間休む、を4クール繰り返しました。その間は体調に合わせて、私の母に息子の世話をお願いする形をとりました。その後の手術、術後の抗がん剤治療、放射線治療も、その都度会社と相談し、体調優先で勤務をさせてもらいました。
副作用を抱えながら、会社や家族への負担は最小限にしたいという思いもあり、自分のできることは頑張ってやるようにしていました。それでも、休むことや任せることへの罪悪感をなかなか拭うことができず、誰かを頼ったり甘えたりすることに対して、自分がこれほどにも大きな壁を持っていることにも気が付きました。
家族も私への声掛けには困っていましたが、母が何も言わず、淡々と必要なサポートをしてくれたことは本当に心強かったです。治療中は、正直なところ息子がどう感じているのか、どうしてあげたらいいのか、そこまで気持ちが至らなかったことも多かったのですが、保育園の先生方のサポートもあり、元気に保育園に通うことができました。6歳になった現在でも、私の姿が見えなくなると泣きべそをかくことがあります。小さいなりに色々と感じていたのだと今、実感しています。
※3種類の抗がん剤を組み合わせて3週間隔で行う化学療法。
2018年執筆