A.H
離職を受け入れること
当時私は大阪で一人暮らしをしながら、障害者支援施設で正社員として勤めており、職場の健康診断で貧血を指摘されたことからがんが発覚しました。「移植が必要なので、今すぐ入院して下さい」と言われ、慌てて両親に連絡を取り、翌日から郷里の病院に入院しました。仕事の引継ぎは全くできずご迷惑をおかけしたと思います。せっかく就職して、資格も取って、任される仕事も増えてこれから頑張ってやっていこうと思っていたのに…と情けなくなったり、落ち込んだり、なかなか復職できないことに焦ったりしていました。働いていない期間は、自分が家族や社会のお荷物になったように感じており、治療のストレスも加わってかなり精神的に参っていたと思います。
結局最長休職期間の1年が経っても体調は戻らず、復職は叶いませんでした。しかし、休職中も職場の利用者・職員の方々から沢山のお手紙やメールを頂き私の復職を待って頂けていたことや、上司から「元気になって、また一緒に働きたいと思ったらいつでも戻っておいで」とのお声をかけて頂けたことが、今でも励みとなっており、また同じ業界で働く決意ができました。体調が落ち着いてからは、何度か大阪へ遊びに行き、元気な姿を見せることもできました。意に反しての離職はつらかったですが、職場を離れても当時の上司や同僚とは同業者・友人として交流を続けられていることや、前職での経験を今の職場で活かすことによって、受け入れることができたように思います。
2018年執筆