C.Y.
再び、違うがんといわれて
造血幹細胞移植(骨髄移植)の後遺症で閉経してしまったため、37歳から強い更年期障害に悩まされるようになりました。そのため、ホルモン充填療法(カウフマン療法)を受けることになりました。治療にあたって「乳がんの罹患率が微増する」との説明を受け、乳がん検診を半年に一回受けながら治療を始めました。おかげで更年期障害は落ち着き、仕事にも支障をきたすことがなくなりました。
46歳の時、左胸に自分でしこりのようなものを見つけました。検査の結果、乳がんの診断を受けました。常に乳がんのことは頭にはありましたが、どこか血液がんになったから、他のがんにはならないような気がしていました。(カウフマン療法を受けたための乳がんとは確定していません。また受けた全員が発症することはありません。)
乳がんがわかった時、本当に何もかもが嫌になりました。1度罹患しただけでも大変な病気を、私は再発も含めて、3度経験することになり「一体、私が何をしたっていうの?」と世の中の健康な人だけでなく、がんを克服して元気になった友人さえも恨めしく思い、家に閉じこもりました。
また違うがんだったので、今度はどういう治療になるのか、もう一度説明を受けて治療をする、という作業がともかく面倒でした。白血病の時は治りたい一心で、正しい治療法を知ろう!と本を読んだり、ネットで患者向けのHPを読み漁って勉強しましたが、今回はそんな気力もなく「勝手に好きなようにしてください。」と投げやりな思いが強くありました。
しかし乳がんのような固形がんは手術までに時間があり、その間に不思議と冷静になれたので、そこから患者向けのガイドラインブックを読んだり、乳がんの患者さんにお話を聞いたりして、再び情報を集め始めました。実際に正しい情報を知ると、これからの自分の状態が想像できるようになり、手術の時には、落ち着いて治療に向き合えるようになったと想います。
再発の時もそうでしたが、告知を受けた時は本当にショックで何もかも嫌になります。でも1週間ほど経つと、落ち着いて状況を把握できるようになるんだな、と思いました。もちろん治療法があるからこそ、上を向けるのでしょうが、そうでなくても、辛い宣告でも少し時間を置くことで、少しずつ自分で状況把握ができるようになります。その時あせらず、少し時間をおいて、それから次の段階を考える。特に再発や別のがんに罹患した時はそれが大事だなあと思いました。